JEITA磁気記録媒体標準化専門委員会からのお知らせ

テープに保存するのは大切なデータです。だから信頼性は最も気になる点の1つです。 そこで気になるテープの信頼性を支える記録再生技術を紹介します。紹介するのは下記4つの技術です。

*データが正しく書き込まれたことを検証する技術
*上記の検証でエラーの見つかったデータを再度書き込む技術
*読み取るときに発生したエラーを訂正する技術
*データを分散して読み取りエラーに対するリスクを低減する技術

図解したわかりやすい資料は、JEITA磁気記録媒体標準化専門委員会のホームページに「テープドライブの最新技術/高信頼記録再生技術」として掲載してありますので、ぜひ本文を読む前に、資料にアクセスしてみてください。

http://home.jeita.or.jp/is/committee/tech-std/std/com02.html

テープドライブで保存するデータはバックアップやアーカイブデータなど大切なデータなので、データが正しく書き込まれたことを検証することは大変重要です。テープドライブではこの検証を効率良く行う工夫がされています。また、テープドライブはデータを長いテープに保存することで大容量を実現しています。しかし、いくら大容量でもデータにエラーがあっては困ります。テープドライブでは、データの書き込み時にエラーの見つかったデータはテープに再度書き込まれます。

「Read-While-WriteとRewite技術」
LTOでは書き込みヘッドで書かれたテープ上のデータはトラックの後方に配置された読み取りヘッドで読み取り、正しくデータが書かれたことを検証しています。書き込みと同時に読み取りを行うのでRead-While-Writeと呼ばれています。(書き込み後に読み取り処理を行うものはRead- After-Writeと呼ばれています。)書き込み時に問題が起きた場合には、このRead-While-Writeによりデータが検証されエラーが見つかります。エラーの見つかったデータはテープに再度書き込まれます。この処理を再書き込み(Rewrite)と呼びます。Rewriteはエラーが無くなるまで繰り返されます。また、Rewriteする時に別のトラックにデータを書くことで、1本のトラックが全く書けない時でさえLTOテープドライブはテープにデータを正しく書き込むことができます。

またテープにデータを正しく書き込んだとしても保存していたバックアップやアーカイブデータが必要な時に読み取れなくては困ります。テープドライブでは強力な誤り訂正符号(ECC)を使って読み取り時に発生したエラーを訂正します。さらにデータを分散して配置して読み取ったデータが再生できなくなるリスクを低減しています。

「ECC技術」
LTOで使われている強力なECCは、読み取り時に起こる様々なタイプのエラーに対応しています。例えば全体に散在する微小なエラーやトラックをまたがるエラーはもちろんのこと、読み取り時にテープ全長にわたり完全に1本のトラックを失った場合でも、LTOテープドライブがECC処理を行いエラーのないデータが再生されます。

「インターリーブ技術」
このように様々なタイプのエラーに対応できるのはLTOテープドライブが分割したデータを分散して配置してテープに書き込んでいるからです。LTOではデータはデータセットと呼ばれる単位でテープに書き込まれます。データセットは複数個のサブデータセットで構成されています。このサブデータセットが ECC処理の単位で、1つのサブデータセットにエラーが集中するとすぐに訂正能力の限界に達してしまいます。そこでサブデータセットを小さく分割したデータをテープ上ではトラック方向にもトラックをまたぐ方向にも同じサブデータセットのデータが隣り合わないように配置しています。データを分散して配置することで、読み取り時に発生するエラーが各サブデータセットに分散され、エラーが訂正できなくなるリスクを低減しているのです。同じサブデータセットのデータとデータの間に他のサブデータセットのデータを挟み込むように配置するのでインターリーブと呼びます。 少し極端な言い方かもしれませんが、テープドライブで書き込まれたデータは書き込み時にテープ上でエラーが無いのです。仮にエラーがあれば検証で発見され、エラーの見つかったデータは再度テープに書き込まれるからです。読み取り時にエラーが発生しても万全です。分散して配置して書き込まれたデータは、様々なタイプのエラーに対しても強力な誤り訂正符号により効果的にエラーが訂正され、正しいデータが再生されるのです。




(社)電子情報技術産業協会(JEITA) 磁気記録媒体標準化専門委員会
日本アイ・ビー・エム(株) 田中 啓介