大豆の国内需給の概要
大豆は、米、麦類とともに日本人の食生活に欠かせない重要な食料資源です。近年の国内需要量は年間300万トン程度、国内生産量は20~24万トンで、自給率は7%程度で推移しています。
大豆の国内需要の約7割は油糧(大豆油)用で、その原料はほぼ全量がアメリカ、ブラジル、カナダ等からの輸入で賄われています。一方、国内需要の約3割(90~100万トン)は、豆腐、納豆、煮豆・総菜、味噌、醤油、豆乳、きな粉、豆菓子等の食品用です。国産大豆は食味を始めとする品質の良さや国産原料に対する安心感から、ほぼ全量が食品用に仕向けられており、食品用に限った場合の自給率は25%前後となります。
大豆入札取引の必要性
国産大豆は、上述のように様々な加工食品として消費者に提供されていますが、実需者の多様なニーズに即した良質大豆の安定的供給を実現するためには、品質等に関する市場の評価を的確に反映した価格により売買されることが不可欠です。このため、国産大豆の全国集荷・販売団体は、集荷大豆の一部を入札取引で販売し、その形成価格を契約栽培取引や相対取引で販売する際の指標価格として利用しています。
国産大豆の入札取引は、以前は売り手である全国集荷・販売団体が自ら行っていましたが、平成12年産からは、価格形成の安定性、透明性を確保するため、売り手・買い手から独立した公正な第三者機関の立場から、当協会が国産大豆の入札取引の場を開設・運営することとなり、現在に至っています。
なお、農林水産省により平成27年11月から28年2月の間に開催された「国産大豆の安定取引に関する懇談会」において、収穫後に行われる従来の入札取引に加え、大豆の播種前(4月)に実施する入札取引を導入すべきとの提言がなされたことを受け、平成29年産大豆からは、収穫後と播種前の2種類の入札取引が行われています。
以下、従来から行われている収穫後入札取引の概要をご紹介します(播種前入札取引の概要についてはこちらへ)。
収穫後入札取引の概要
- ●売り手:大豆の生産者団体又は集荷業者団体(年産ごとに取引開始前に協会に登録)
- ●買い手:大豆販売業者若しくは大豆加工品製造業者又はこれが組織する団体(年産ごとに取引開始前に協会に登録)
- ●取引対象大豆:農産物検査法に基づく農産物検査において普通大豆1~3等又は特定加工用大豆合格の品位に適合する国産大豆で、
入札に上場されるまで売買されたことがないもの - ●上場銘柄:売り手ごとに当該年産の集荷・販売見込み数量が500トン以上の産地品種銘柄等(粒の大きさ等から農産物検査で産地品種
銘柄に認証されない大豆を含み、集荷・販売見込み数量が500トン未満の産地品種銘柄等の任意上場も可能) - ●上場数量目標:上場産地品種銘柄等ごとに当該年産の集荷・販売見込み数量の3分の1以上の数量から同年産播種前入札取引の上場実績
を差し引いた数量(任意上場産地品種銘柄等は任意の数量) - ●入札販売計画:各売り手が作成した計画を協会が取りまとめ、当該年産入札取引の開始前(11月中旬)に公表
- ●上場単位:1ロットを9.6トン(160俵(1俵:60kg))以上とするロット別に番号を付して上場(実際の1ロットの数量は
9.9トン(165俵)の場合が多い) - ●取引期間:収穫年の11月から翌年10月まで(近年の実績では7月に終了)
- ●取引頻度:原則として、取引期間中、毎月1回以上
- ●入札取引実施手順:
- ①入札取引開催日程
- 協会は入札実施月の前月の20日までに次月の入札取引開催日程を公表(協会HPに掲載)
- ②売り手からの上場申し出
- 売り手は協会に対し入札回ごとに実施日の4日前までに上場申し出を行い、上場ロット別上場内容(産地・品種・粒の区分、
検査等級、数量、集荷業者、受渡倉庫等)を提示 - ③買い手への上場情報の提示
- 協会は売り手からの上場申し出に基づいて上場ロット明細書及び入札票を作成し、入札日の2日前までに買い手に送付
- ④入札保証金の預託
- 買い手は入札申込みに先立ち、協会に各入札回の入札予定総額の10分の1以上相当額の入札保証金を預託
- ⑤入札申込み
- 買い手は上場ロット明細書から購入希望ロットを選定して当該ロットの入札価格(60㎏当たり単価)を入札票に記入し、
入札実施日当日にウェブ入札システムを利用してインターネット経由で協会に送信
各入札回の入札総額は入札保証金の10倍以内(超過した場合、入力できません) - ⑥落札者・落札価格の決定
- 協会は買い手の入札申込み内容を大豆入札システムに入力して落札処理を行い、取引監視委員会の審議を経たうえ、
上場ロット別の落札者及び落札価格を決定
入札した買い手、落札価格は当該落札者の入札価格(大規模な同一ロットを通常ロットの規模に分割して上場した一部
ロットについては、入札価格が上位の複数の買い手が落札) - ⑦入札の結果に関する通知
- 協会は入札実施日の翌日に、売り手、買い手(入札者)に対し、入札結果(入札ロット別の落札・不落札・無効の別及び落札価格)
をファクスで通知 - ⑧売買契約の締結
- 売り手は、入札結果通知受領後速やかに、買い手(落札者)あてに落札大豆に係る売買契約書を作成・送付し、契約を締結
- ⑨代金決済及び受渡し
- 買い手は受渡期限(現在は落札後60日と設定)までに、代金決済を行うとともに売り手に対し受渡指図書の発行を依頼したうえ、
落札ロットに係る受渡倉庫に出向き、受渡指図書との引き換えで落札大豆を引取り - ⑩入札保証金の返還、帰属等
- 協会は当該年産入取引完了後、買い手の希望に応じ入札保証金を返還又は次年産入札取引に充当
買い手(落札者)が期限までに売買契約を締結しない又は代金決済を行わなかった場合は、入札保証金のうち落札金額の10%
相当額は協会及び売り手に帰属
- ●入札実施結果の公表:協会は入札実施期間中、毎月、普通大豆・特定加工用大豆別に産地品種銘柄・粒区分ごとの落札数量及び
平均落札価格を算定し、月末に公表 - ●取引指標価格:協会は各月の落札結果から産地品種銘柄・粒・検査等級の区分別に取引指標価格を算定して毎月末に売り手に提供し、
売り手は入札取引以外の取引(契約栽培取引、相対取引)に係る売買価格設定に当たっての参考価格として活用 - ●売り手・買い手の負担:収穫後入札取引及び取引指標価格を参考として売買価格を決定した入札以外の取引について、売り手、買い手
とも1俵(60kg)当たり1円を大豆入札取引運営拠出金として協会に拠出(買い手分は売り手が代金に上乗せして徴収)するとともに、
売り手は上場数量、買い手は入札数量に応じて入札手数料を負担
収穫後入札取引のルール
収穫後入札取引関連情報(6年産)
収穫後入札取引関連情報(5年産)
- 令和5年産大豆の集荷・販売計画(農林水産省)
- 令和5年産大豆入札取引登録者名簿
- 令和5年産大豆の生産計画(農林水産省)
- 令和5年産収穫後入札取引に係る新規売り手登録申請の受付について (終了いたしました)
- 令和5年産収穫後入札取引に係る新規買い手登録申請の受付について(終了いたしました)
収穫後入札取引の予定と結果
- (令和5年産)
- 令和5年産大豆入札取引
- (令和4年産)
- 令和4年産大豆入札取引