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『人生の再発見』のために (4/6) |
□再就職支援会社の出現 そんな時、私は、ある再就職支援会社の、若い社長と親しくなりました。それまで、私は、再就職支援会社というものの存在を知りませんでした。 再就職支援会社とは、企業と契約して、その企業に代わって、リストラ対象の社員の再就職先を見つけることを業務とする会社です。再就職支援という業種は、アメリカで急速に業績を伸ばしてきました。3、4年前から、日本にも浸透してきました。 最近の企業は、イメ−ジを重視します。リストラで社員のクビを切った、というマイナスイメ−ジを作りたくないわけです。ですから、社員の中から希望退職者を募り、彼らの再就職を、再就職支援会社に委託します。 再就職支援会社は、再就職を希望する社員一人につき、百万円から百五十万円を企業から貰って、その人の再就職先を見つけることを請け負うのです。 □技能の急速な陳腐化 一流上場企業の、ある工場では、係長、主任クラスの全てをリストラするという計画が進行中なのだそうです。そこで、再就職支援会社の出番となります。 その話を聞いて、私は、いきなりリストラではなく、別の解決策はないのか、と思いました。何らかの役職についた人たちなのだから、能力がないわけではないだろう、と思ったからです。また、その人たちに、とりたてて、人間関係の上で問題がある、というわけでもありません。私は、いったい、何が問題なのかと疑問に思いました。 答えは、簡単明瞭でした。その人の持っている技能が、もはや廃れてしまった、というのです。現代は、全てのことが、急速に変化し続けています。絶えざる努力をして、新しい技術、技能を身につけていかなければ、会社にとって、不要の存在になってしまうのです。会社も、厳しい経済情勢の中を生き延びなければなりません。そこから、不要の人に給料を払いつづけるゆとりはない、という会社の論理が発生します。そこには、リストラを受ける一人ひとり社員に対して、精神的なケアをする、という余地はないのです。 |
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