JEITAテープストレージ専門委員会コラム

「ゼタバイト時代を支えるテープ」



今や、ゼタバイト規模のストレージが必要とされる時代に突入し、デジタル化とともに最新のテープ技術の進歩も加速しています。ゼタバイト時代が到来し、膨大な記録容量に対する需要が高まったことで、エクサスケールのストレージが要件となりつつある企業の数はますます増加しています。保存されるデータの60~80%はアクセス頻度が低く、アーカイブデータやコールドデータに分類可能なデータであり、これだけのデータをHDDで保管していれば、コストはたちまち桁違いに膨れ上がります。デジタルデータ向けの最新テープ技術が到来するとともに、テープはゼタバイト時代に向けて再構築されています。今こそテープに対する理解を改め、テープから得られる多くのメリットを活用する時です。

テープ産業が誕生して以来、テープの記録容量と処理速度は飛躍的に進歩してきました。業界で初めて成功したテープドライブは1952年に発売されたもので、その記録容量は丸形リール1巻あたり2MB、データレートは7,500B/sでした。最新のテープドライブの記録容量は20TB、データレートは400MB/sです。テープの記録容量は1,000万倍、データレートは53,333倍も増加したことになります。テープ技術は、安全にデータのバックアップを作成する必要性や、膨大な量のデータを無期限に保存する必要性に促され、絶えず進歩してきました。
新型コロナウイルス感染症のパンデミックは現在も続いており、今後の行く末が不明な状況ですが、デジタルデータの保存環境は継続的なイノベーションを迫られる中、拡大を続けており、新たなチャンスの流れが目の前にあります。このことはテープ業界にとって明らかです。多種多様な技術改良が着実に達成されてきた結果、テープは今後待ち受ける大容量アーカイブデータの課題に対して、最も費用対効果の高いストレージソリューションの地位を維持しています。現在、データセンターのストレージ技術は、SSD、HDD、テープの3つの技術からなる階層構造となっており、各種ストレージを理想的な形で実装することで、それぞれの強みが生かされます。しかし、今日の現代型データセンターでテープが果たす役割は急速に拡大しています。多くの新規アプリケーション、ワークロード、そしてほとんどの大規模データセンターでデータの爆発的な増加が続いていることから、テープはますます勢いを増すことが予想されます。これまでの進歩の結果、現代のテープ技術は、現在利用可能なデータセンターストレージソリューションの中で最も信頼性、エネルギー効率、費用対効果の高いものとなりました。テープのロードマップは、このテープ技術のイノベーションが今後もしばらく安定的に続くことを示しています。

*Horison Information Strategies 発表資料より

一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA) テープストレージ専門委員会
http://home.jeita.or.jp/cgi-bin/about/detail.cgi?ca=1&ca2=292

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