■日時:2025年2月26日(水) 10:00〜16:30
■会場:連合会館2階「201会議室」(東京都千代田区神田駿河台3-2-11)
■定員:50名
■受講料:41,800円(税込、テキスト費用を含む)
■主催:株式会社エヌ・ティー・エス
〈第一日目のみ〉 〈両日受講〉
■本講座の狙い:
本講座は初めて芽胞を取り扱う方や、芽胞について学術的な知識が少ないと感じておられる方の
ご要望にお応えするための入門講座です。大学で芽胞研究に携わってきた研究者の視点から、
微生物学における芽胞菌の位置づけ、芽胞の構造と耐性獲得機構・休眠維持機構・発芽機構について
分かりやすく解説します。また、企業との共同研究で培った経験をもとに、芽胞制御に関する
基礎研究の重要性を述べさせて頂きます。
[指導講師 高松 宏治 桑名利津子]
■開催プログラム
*各講義に対するご質問は、第3部で一括してお受けします。
【受講生とのコミュニケーションを大切にします。】
第1部 芽胞菌とは何か(10:00〜12:00 *途中5分休憩)
摂南大学薬学部 微生物学研究室
教授 博士(理学) 高松 宏治氏
<第1部の狙い>
芽胞の基礎知識は大学などの高等教育機関で専門家から直接学ぶことが理想的ですが、
現場担当者がその機会に恵まれることはまれです。第1部では入門者向けの内容として、
芽胞の基本的性質や芽胞菌の系統分類上の位置などについて、生物・農学系の大学生向け
講義レベルで解説します。芽胞の基本用語を学ぶことで、より高度な専門書を理解しやすく
なること、学会などでの情報収集に役立つことなどを期待しています。
第1部の到達目標は次の通りです。
@ 芽胞について概説できる
A 芽胞菌の系統について説明できる
B 芽胞の耐久性について説明できる
C 芽胞形成と発芽について説明できる
<講演プログラム>
1.イントロダクション
2.芽胞の構造と耐性
3.芽胞菌の系統と多様性
4.芽胞形成機構
5.芽胞の発芽のメカニズム
<12:00〜13:00 昼休み>
第2部 芽胞菌を扱うための基礎知識(13:00〜15:00 *途中5分休憩)
摂南大学薬学部 微生物学研究室
講師 博士(バイオサイエンス) 桑名利津子氏
<第2部の狙い>
芽胞の耐性や発芽能について評価するために一般細菌とは異なる試験法が用いられます。
その原理や注意点などを知ることは、それぞれの現場で適格な試験法を用い、得られた結果を
適切に評価するために重要です。第2部では芽胞取扱いの基本的な知識と技術について、
生物・農学系大学の卒業研究レベルで解説します。また、芽胞研究や芽胞制御に関連する
先端技術から注目すべき情報を紹介し、今後の課題や展望を述べます。
第2部の到達目標は次の通りです。
@ 芽胞菌の検出について説明できる
A 芽胞菌の取扱いについて説明できる
B 芽胞菌関連の新技術について概説できる
<講演プログラム>
1.芽胞菌の検出
2.芽胞菌の培養と芽胞サンプルの調整
3.芽胞の耐性試験と発芽試験
4.芽胞研究や芽胞制御に関連する技術と展望
<15:00〜15:20 休憩/質問票回収>
第3部 芽胞菌を徹底的に理解する ― Q&Aと情報交換会(15:20〜16:30)
≪座 長≫ 高松 宏治氏
《ゲストアドバイザー》 中西 弘一氏:ナノ・マイクロバイオ研究所 中西技術士
事務所 代表/技術士 農学博士
*当日受講生から寄せられた質問をもとにQ&Aと情報交換を行います。適宜、受講生のご意見も
お伺いしながら、参加者全員で芽胞菌攻略のヒントを探り課題の共有に努めます。
以上
【本講座の受講対象】
◆広範な食品メーカーの品質保証・品質管理担当 初級技術者
◆食品流通事業者のQC担当 初級技術者
◆食品添加物事業者の開発・営業担当者
【受講生の特典】
◆講演後のメールでのご相談 歓迎です。案件によりオンラインでのご相談も
高松先生、桑名先生にお受け戴けます。
【指導講師陣のプロフィール】
摂南大学で微生物学研究室を率いる高松宏治先生は、名実ともに芽胞菌研究分野のわが国のリーダーです。
1995年筑波大学大学院生物科学研究科生物物理化学専攻博士課程修了。
96年摂南大学薬学部衛生薬学科助手、2006年講師、10年准教授、16年教授就任。
微生物の蛍光染色と応用に関する研究を主なテーマとして、「細菌胞子の構造および機能に関する研究」
「胞子形成細菌の検出・同定と制御に関する研究」「蛍光染色法を用いた微生物の細胞構造解析技術および
活性評価技術の開発研究」等の共同研究に先進的に取り組まれています。学会、産業界の期待も大きく、
日本防菌防黴学会理事、日本薬学会環境・衛生部会微生物試験法専門委員会委員としても活躍されています。
桑名利津子先生は、北海道大学薬学部卒業後、薬剤師資格を取得。奈良先端科学技術大学院バイオサイエンス
研究科を修了し博士号を取得。摂南大学薬学部で助手、助教を経て、2016年講師に就任。Bacillus属細菌および
Clostridium属細菌に着目し芽胞の構造、芽胞形成過程、発芽を主な研究テーマとして取り組まれています。
特筆すべきは2017年9月から1年間、フランスのパスツール研究所に短期留学されたこと。世界の研究最前線と
フランス独特の文化に触れ、日本パスツール財団のホームページに「この留学体験は私に大きな刺激を与え、
今後の生き方を左右する大きなターニングポイントであることは確実です。」と投稿された言葉が、とても
印象的でした。
学会、産業界にも大きく貢献されており、日本防菌防黴学会評議員および同学会運営委員を務めておられます。
また2016年技術士(生物工学)資格を取得し、技術士の育成のほか、新エネルギー・産業技術総合開発機構
(NEDO)公募事業の審査員を務めておられます。
【ゲストアドバイザー 中西弘一先生のプロフィール】
中西弘一先生は、1976年東京大学農学部農芸化学科卒業、同年キリンビール(株)入社。
その後キリンビバレッジ(株)、キリン(株)での勤務を経て2013年同社退社。
同年ナノ・マイクロバイオ研究所、中西技術士事務所創設。技術士(生物工学)、農学博士。
行政からの要請で、農林水産省第6次産業化プロジェクト評価委員、内閣府消費者委員会上級政策調査員を
歴任され、現在、農林水産省食品産業技術懇話会メンバーおよび経済産業省関東産業局技術アドバイザーを
務められています。
主な研究分野は芽胞形成細菌の制御、走査型プローブ顕微鏡を用いた芽胞形成細菌の迅速評価法の開発、
乳酸菌利用法の開発、特定保健健康食品・機能性表示食品の開発など。
現場の問題解決と開発支援に精力的に取り組まれています。
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