『生物の科学 遺伝』 バックナンバー
■ 2025年5月 ISBN 978-4-86043-918-7
2025年5月発行号 Vol.79 No.3 《4月22日発売》
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■特集 蚊のバイオロジー〜研究が紐解く真の姿

蚊は,私たちの血を吸う。
老若男女,蚊に刺されたことのない人はいないように,人間と直接触れあう機会が最も
多い虫である。
蚊は,ヒトに痒みだけでなく,時に病気のもと(病原体)を与えるが,自身は歴とした
固有の生態を持っている。
この蚊の生きざまは,はるか昔から綿々と続いてきたもので,それはまた多様な生命現
象の宝庫である。
本特集では,蚊のバイオロジーの最前線の研究例を紹介する。


特集 

特集-総論 
蚊━血を吸うムシの華麗な生きざま
嘉糠 洋陸(東京慈恵会医科大学)

特集-1
蚊の性決定メカニズム 
─オスかメスかを決めるM因子の謎
山本 大介(自治医科大学)

特集-2 
蚊は殺虫剤に強くなる 
─薬剤開発と進化のイタチごっこ 
糸川 健太郎(国立感染症研究所)

特集-3
蚊は腹八分目を知る 
─病原体媒介蚊の吸血を負に制御する因子,フィブリノペプチドAの発見
佐久間 知佐子(理化学研究所)

特集-4 
微生物の力で蚊を制す 
─蚊に共生する微生物を利用した新たな感染症制御法 
大手 学(東京慈恵会医科大学)

特集-5
蚊は飛行する 
─蚊の空気力学 
中田 敏是(千葉大学)

特集-6
蚊とウイルスの攻防と共存 
─蚊はなぜ効率的にウイルスを媒介できるのかを考える 
鈴木 康嗣(愛媛大学)

特集-7
蚊は「耳」で配偶相手を探す 
─プ〜ンという羽音に隠された繁殖の秘密 
上川内 あずさ(名古屋大学)/大橋 拓朗(米ワシントン大学)

■寄稿--------------------
寄稿
次世代モデル動物としてのマーモセット 
─生物医学研究にもたらす意義と課題 
山ア 由美子(新潟医療福祉大学)

■連載--------------------
日本列島の多様な淡水生物〜その進化と保全 
クローン繁殖するギンブナの起源と多様性 
─遺伝情報で明らかになった驚きの多様化メカニズム 
三品 達平(九州大学)

実験観察の勘どころ
ヒルガタワムシの培養・観察 
─休眠タンからの復活と再乾燥・保存を試みる 
大西 卓嗣(岡山県立西大寺高等学校)/野島 之(岡山県立倉敷中央高等学校)

高校生物・ワクワク宣言!!
生き物好き集まれ!を合言葉に
鈴木 順久(桜丘高等学校)

植物を集める!! 
「植物形質転換」を巡って 
─第19回 
長田 敏行(東京大学名誉教授,法政大学名誉教授)

 
■ 2025年3月 ISBN 978-4-86043-917-0
2025年3月発行号 Vol.79 No.2 《2月21日発売》
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■特集 サケの生物学〜身近で愛すべき魚の謎に迫る

巻頭グラビア
ベーリング海でのモニタリング調査と漁獲されるサケのなかま/
日本の沿岸・河川におけるサケ調査/サケの一生 /日本に棲むサケのなかま

特集-総論 
サケの生物学 
荒木 仁志(北海道大学)

特集-1
サケの生活史と生態 
峰岸 有紀(東京大学)/荒木 仁志(北海道大学)

特集-2 
サケ幼稚魚の成長と生残 
─ オホーツク海までの険しい道のり 
本多 健太郎/飯野 佑樹(水産研究・教育機構水産資源研究所)

特集-3
母川回帰時のサケの回遊と気候変動 
─ 受難は続く
卜部 浩一(北海道立総合研究機構)

特集-4 
サケの産卵環境の改善 
─ 地域主体のサケの自然産卵による増殖の試み
市村 政樹(標津サーモン科学館)

特集-5
サケマスの増養殖 
─ 生産量を増やすためのたゆまぬ挑戦 
宮腰 靖之(北見管内さけ・ます増殖事業協会)

特集-6
サケ科魚類の感染症 
─ 特に日本で問題となる疾病 
笠井 久会/永田 淳(北海道大学)

特集-7
サケゲノムと進化 
塚越 英晴(岩手大学)/荒木 仁志(北海道大学)

■寄稿--------------------
寄稿
アジア生物学協議会第29回隔年会議(AABE2024)の報告 
─ 中高生のポスター発表を中心に
向 平和(愛媛大学)

■連載--------------------
トピックス 
「ブルーカーボン」提唱者が2025 Japan Prize受賞
─ Carlos M. Duarte博士(海洋生態学者)が「生物生産, 生態・環境」分野で

日本列島の多様な淡水生物〜その進化と保全
歴史の証人!?キタマルヒメドロムシ属の世界 
─ キタマルヒメドロムシ属とフォッサマグナとの関係 
上手 雄貴(名古屋市衛生研究所)

実験観察の勘どころ
遺伝子組換え実験の勘所と工夫 
佐藤 由紀夫(都立町田高等学校)

高校生物・ワクワク宣言!!
まるで海の宝石箱や〜! 
─ 光る海藻のHow疑問とWhy疑問を解く 
東城 秀人(白梅学園高等学校)

植物を集める!! 
日常性とつながる植物学 
─ 第18回 
長田 敏行(東京大学名誉教授,法政大学名誉教授)

フォトコンテスト 
生物科学学会連合「第6回 生きものの“つぶやき ”フォトコンテスト」 
─審査結果1 
 
■ 2025年1月 ISBN 978-4-86043-916-3
2025年1月発行号 Vol.79 No.1 《12月23日発売》
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■特集 クマの生物学─多様な進化と生態

本特集では,日本列島に生息するヒグマとツキノワグマを中心に,クマの生物学的特徴を
紹介する。
その2種を含め世界に生息するクマは8種。
クマ類の主な特徴は,ベルクマンの規則に従って進化してきたこと,食肉目でありながら
雑食性や草食性が強いこと,大型獣なのに冬眠する種がいることなどである。
ジャイアントバンダも不思議な特徴を持つクマである。
また,クマがヒトの精神文化に深い関係を持っていることも神秘的である。



巻頭グラビア
クマ全8種/クマ7種の世界分布(IUCN)


特集-総論 
クマの生物学─進化から文化まで 
増田 隆一(北海道大学)

特集-1
ヒグマの遺伝と移動の歴史 
─ 北半球でのはるかなる旅 
増田 隆一(北海道大学)

特集-2 
ツキノワグマの遺伝学的研究 
─ 個体数減少と大量出没の狭間で 
大西 尚樹(森林総合研究所)

特集-3
ヒグマの食性─個体差と環境変動への応答 
松林 順(福井県立大学)

特集-4 
クマは植物にとって望ましい種子散布者であるのか? 
─ 森を維持するクマの役割 
小池 伸介(東京農工大学)

特集-5
クマ類の冬眠と身体適応性 
─ 寝たきりにはならないクマ類の冬眠 
宮崎 充功(広島大学)/下鶴 倫人(北海道大学)

特集-6
ヒグマの匂いコミュニケーション 
─ 背部臭腺に着目して 
冨安 洵平(帯広畜産大学)

■寄稿--------------------
特別寄稿
miRNAの発見と機能,そして今後の展開 
─ 2024年ノーベル生理学・医学賞受賞に寄せて 
塩見 美喜子(東京大学)

■連載--------------------
日本列島の多様な淡水生物〜その進化と保全 
横浜市におけるムカシツチガエル保全の取り組み 
─ 生息域外保全と, 地域と連携した試験放野
尾形 光昭(横浜市繁殖センター)

実験観察の勘どころ
ネギボウズを用いた減数分裂の観察実験方法 
永井 良介/仁科 美奈子(埼玉県立松山高等学校)

高校生物・ワクワク宣言!!
生物部の好奇心は止まらない! 
立石 紀子(静岡県立磐田南高校)

シゴト×セイブツ 
[第15回]臨床心理の専門家に活かされる生物学的な考え 
プレゼンター:道上 達男(東京大学)
 
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