JEITAテープストレージ専門委員会コラム
「ジェームスキャメロンが深海到達記録達成!その3D映像を保存したストレージとは?」
映画『タイタニック』や『アバター』の監督として知られるジェームズ・キャメロン氏が、世界で最も深いマリアナ海溝の人類初の単独探検に出発し、無事に帰還を果たしたというニュースをご覧になった方も多いだろう。
このプロジェクト名は「DEEPSEA CHALLENGE(ディープシー・チャレンジ)」。 特別に設計された一人乗りの有人潜水艇「DEEPSEA CHALLENGER号」で、太平洋のグアム島南西にあるマリアナ海溝のチャレンジャー海淵(水深1万1000メートル)へ潜航。海底に3時間滞在し、海洋生物学などの研究に役立つサンプルを採集した。
さらに、今回の貴重な調査画像は流行の3Dで記録されたのだが、その3D画像データの記憶するストレージに選ばれたのがLTOなのである。更に先進的なのが、最近話題のLTFS(テープのファイルシステム)を利用しているところだろう。 常に先進技術を貪欲に取り入れていくキャメロン氏の姿勢に感心するのと共に、LTOというテープデバイスの選択は、テープの記録媒体としての信頼性を再認識させるものでもある。撮り直しがきかないこんな貴重な映像、やはり信頼性の最も高い記録媒体を使いたいものだ。
さてLTFSであるが、現在ではSNIA(The Storage Networking Industry Association)内でLTFS TWG (Linear Tape File System Technical Work Group)が設立され、今後はこのTWGで今後の技術開発、仕様の改定などが行われることになる。
大容量、高速、高信頼性と、長期アーカイブの大本命であるテープデバイスを、より多様な分野で活用できるようにする、LTFSの今後が非常に楽しみである。
一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA) テープストレージ専門委員会 (※)
日本ヒューレットパッカード(株) 井上 陽治
※:旧名称:磁気記録媒体標準化専門委員会
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