【連載】バックアップの真実
第4回 「ストレージガバナンスとは」

-- 今回のテーマ「コンプライアンス」 --

前回のメルマガから、ちょっと間が開いてしまってゴメンナサイ。 実はこの間に私の会社の社内ブログが開設され、社内ブロガーやっています。

技術プロフェッショナルが中心になって、何を書いてもいい、ということになっていますが、私は"日夜"情報収集に励んでいる技術ネタやら何やらから、" おっ、そうか"、"えっ、何?"、"昔はそんなこともあった"、"そんなこと言ったって"ネタを拾って投稿を続けています。

ほんの少しだけ他人のネタを拾い、関連ありそうなことを組み合わせ、後は自分の言いたいことを種にふくらし粉をドバッと混ぜ、後は丁寧に焼き上げるとブログがひとつ完成です。社内向けなので、お客様ネタできわどいことも本当によ~くよく消化して適切にデフォルメすれば、みんなの参考になるかな、というテーマになります。

さて、もう聞き飽きてしまった"コンプライアンス"という言葉。何か新鮮みが無くなってしまうと新聞、雑誌や各種のメールマガジンにこの言葉が載っていてもつい見過ごしてしまいます。展示会やセミナー案内にこの言葉があっても、きっと、全く気にも留まりません。 でも、新聞等ではこれでもかというくらい"不祥事"という言葉でたくさんのコンプライアンス違反が伝えられています。無理矢理、本当にちょっと無理矢理ストレージという言葉に引っかけると"データの改ざん"なんて朝飯前。

いったん書き込んだデータの改ざんを許さないようなストレージシステムがありますが、確信犯的なコンプライアンス違反の場合は、そもそも最初から本当のデータなんて書き込みません。こんなことを言うと身も蓋もありませんが、これが世の中の真実。

そうはいっても会社が一定のシステムとして機能している以上、その中を流れる様々なデータが全て嘘で塗り固められている、なんてことはあり得ません。そんなことをしたら会社が機能するわけがないからです。会社の様々な活動の要所要所のデータを体系的に押さえておけば、適切な監査でコンプライアンス違反を見つけることができます。

要所要所で発生するデータは(自動であるかどうかは別にして)システマチックにリアルタイムで記録、保管する必要があると思われますが、記録システムが改ざん防止や改ざん検出機能を自ら備えていることが本当に必要かどうかは、よ~く検討する必要があります。お金があればドンドンと何をやってもいいかも知れません(SIer、ベンダは嬉しいことも、ちょっとそこまで何でやるのと思うことも)が、運用方法、運用体制で十分にカバーできれば、十分に信頼性を担保できることもあると思われるので、ちょっと頭の使いどころです。

コンプライアンス問題のほとんど、というか全部は、ハッキリ言ってビジネスプロセスオーナの責任と権限で決まります。ITシステムの構築、運用者はそのお手伝いです。コンプライアンス問題に対応するためには、どんなシステムがいい?とIT担当者に聞かれても、IT担当者が本当に責任を持った回答を出すことは、本音で言うと無理。SIerとしては、「他社はどんな風にやっているの?」と聞かれれば、それなりのことは言えるかも知れない。でも責任は取れない。

(あれ、なんか、"できない"、"責任が取れない"とチョッピリ情けない話になってきたぞ。少し気を取り直してストレージシステムがコンプライアンスに係わって考えるべき事はなんだろう、と考えてみる)

コンプライアンスに係わるデータはいつでも閲覧できる状態で長期保管するものが多いが、"いつでも閲覧できる"というのは記録フォーマットの永続性の観点からは非常に難しい。最初からこのような利用を想定したフォーマットが必須です。テキストだけ。これはOK。TIFF G3、G4のイメージ。これも OK。Wordのデータ。えっ、5年後でも読める? 7年後は。10年後。ちょっと心配になってきた。。。。 長期保管も維持管理が大変だ。10年くらいだとハードウエアもギリギリ持つか?20年後、30年後となるとかなりしっかり維持管理計画を行う必要が出てきます。

そういえば、Word、ExcelのデータもXMLフォーマットが標準になってくるらしい。データとしては文字なので永続性が高いかもしれません。フォーマットも公開されているので大丈夫?(と思い、フォーマットの規格が公開されているのでダウンロードして読んでみた(眺める程度)が、そのページ数が多いのでちょっとメゲました)

長期保存が最大の難題かも知れない。次回テーマは「仮想化」です。





DSF データ・マネジメント・ソリューション部会
株式会社エクサ 恋塚 正隆
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