◆TOAFAEC 東京社会教育史研究フォーラム(2)       トップページ
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東京研究フォーラム 記録(1)→■(前ページ

 *大都市研究と交流の集い→■  *大都市社会教育研究の系譜・回想(小林)→■
 *東京・三多摩・社会教育研究  *東京「三多摩テーゼ」拾遺記→■

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 (1)2012年〜2015年 *第27回まで・前ページ
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(2)2016年

41.第28回(1月)・第29回(2月)・東京社会教育史研究フォーラム
(石川敬史)
42.
第30回(3月)研究会 (石川敬史、Sun, 6 Mar 2016 14:39
43.第31回(4月)研究フォーラム  石川 敬史(Wed, 6 Apr 2016 16:26)
44.第32回(4月)研究フォーラム  石川 敬史(Mon, 2 May 2016 09:31)
45.第33回東京社会教育史研究フォーラム 石川 敬史(Sun, 8 May 2016 17:04)
46.第34回東京社会教育史研究フォーラ 石川 敬史(Wed, 1 Jun 2016 15:26)
47.『大都市・東京の社会教育』校正会議@(35回研究会) 井口啓太郎(Thu, 7 Jul 2016 )
48.第36回研究会校正会議AB  井口啓太郎(Mon, 01 Aug 2016 10:11)
49.この指とまれ全国集会−東京社会教育史を学ぶ、井口啓太郎(Wed, 3 Aug 2016)
50.第38回研究会
『大都市・東京の社会教育―歴史と現在』出版祝い(井口啓太郎・橋田慈子 20169)
51.第39回大都市の社会教育・研究と交流のつどい 井口啓太郎(2016)
(3)2017〜2023年
52.
第239回(5月定例)研究会 - 祝!新韓国本出版・東京研究からの発言2017/5/16 井口啓太郎)
53.第41回東京社会教育史研究フォーラム(齋藤 真哉、Wed, 13 Sep 2017
54.第42回-日本・東京と韓国の障害者への取り組み・新しい動き(2018年5月25日,井口報告)
55.第43回ーSDGs(持続可能な開発)いたばしの集いの事例から(2018年12月28日,斎藤報告)
56.第44回・TOFAEC第268回研究会案内(2019年12月27日 野々村さんを偲ぶ)
57, 第45回・2020年11月27日「大都市・東京の社会教育」 その後の動き」報告:梶野光信
58, 第46回・2020年12月25日「障がい者の生涯学習」報告:井口啓太郎
59, 第47回東京社会教育史研究フォーラム 報告:梶野光信(2021)                            
60, 第48回・TOAFAEC(296回)研究会と合同 国立公民館運営審議会・江頭晃子(2022)
61, 第49回・TOAFAEC(297回)研究会と合同 工藤千佳良 (渇栄、社全協23区支部)2022
62, 第50回・TOAFAEC(305回)研究会と合同 石川・栗山・井口・橋田ー合同発表 2023/7
63,

<昇 順>


50回東京社会教育史研究フォーラム・20237月定例(TOAFAEC第305回) 
  合同第例研究会ご案内  …石川敬史(十文字学園女子大学) July 9, 2023 10:31PM
 暑い暑い季節となりました。昨年11月以来の東京社会教育史研究フォーラムの開催(定例研究会と合同)です。
この間、オンラインでの開催が続いていましたが、201912月開催の第44回東京社会教育史研究フォーラム(野々村恵子さんを偲ぶ会)以来の対面開催です。加えまして第50回を数える節目の研究フォーラムという意味も込めて、若手(?)4名が報告いたします。この間の各自の研究活動を通して視る東京社会教育の課題をリレー形式でご報告いたします。
 文科省から国立市公民館に戻られた井口啓太郎さん、障害と当事者性をテーマに筑波大学にて学位を取得した橋田慈子さん、そして博物館研究の視点から栗山究さん(法政大学非常勤講師)、図書館研究の視点から石川が登壇いたします。いずれも『大都市・東京の社会教育:歴史と現在』(エイデル研究所,2016)の執筆者です。
 4名による問題意識を共有しながら、次回以降の東京社会教育史研究フォーラムの開催へとつなげ、議論をさらに深めていきたいと考えています。皆様のご参加をお待ちしています。
・日時:728日(金)19:0020:50
・会場:杉並区高井戸地域区民センター第3集会室 (井の頭線高井戸駅すぐ)
・テーマ:東京社会教育の課題を語りあう
・報告:井口啓太郎、栗山究、橋田慈子、石川敬史
・申込:当日直接会場へどうぞ。*事前にご連絡いただけると助かります。
           山口  IZK07252@nifty.com  090-1548-9595
・終了後(21002230頃)いつもの「イーストビレッジ」で懇親会です。
 今回は、石川・橋田さんの学位取得のお祝い会にもなります。



記録
王 操(北京師範大学院生)July 31, 2023 4:17 PM
・参加者:井口啓太郎、石川敬史、江頭晃子、王 操、栗山 究、小林文人、齋藤真哉、橋田慈子、
      山口真理子(敬称略) 
・内容:TOAFAEC305回(7月定例会)は、同時に記念すべき第50回目となる東京社会教育史研究フォーラムとの共催で開催されました。報告者は、『大都市・東京の社会教育:歴史と現在』(エイデル研究所, 2016)の執筆者が4人という大変豪華なメンバーがズラリ!でした。
  トップバッターは、文科省から国立市公民館へ戻られた井口啓太郎さん。国立市公民館における社会教育職員の新規採用を含めた職員体制の状況を中心にご報告いただきました。現在の社会教育職員の働き方が多様化する中で、正規職員数はどんどん減少していること。公民館職員に関する法令が十分でない中で、指針等が存在するところもあるが、自治体により公民館運営に差が出てしまう懸念を指摘されました。各地の公民館が培ってきたことを継承していける、運営内部に対する具体的な法整備や、専門職制度化の必要性を説かれました。
 つづいて、筑波大学の博士学位を取得された橋田慈子さん。障害とその当事者性を通して見た東京社会教育の課題についてご報告いただきました。人々が障害に対する「当事者性」を獲得するには、障害者と継続的なかかわりを持つことが必要不可欠であるということ。また、障害者に一般的な講座を開くことにより、多様な経験を有した人々が積極的に交流できる機会を設けることで、障害の問題とほかの社会問題の交差が見えてくるのではないか、と提起されました。研究対象とされた英国ロンドンの取り組みも少し紹介されました(詳細は来年出版予定の『障害の問題への「当事者性」を獲得する学び』を参照してくださいとのこと)。
 番目は、博物館専門の栗山究さん。『大都市・東京の社会教育』第4章は、故伊藤寿朗の研究方法の@法制史、A民衆史、B職員史、C教育実践史、D学説史の中で、@とAに焦点を当てた報告となり、現時点においては、2022年博物館法改正と1970年代からの研究の問い直しの重要性を説かれました。また、学芸員や、90年代以降の博物館に関する研究が豊富ではないことを強調されました。そして、博物館活動に関わらない人たち(参加が難しい人も含む)という異なる視点から、「博物館」とは何かを見つめなおさなければならない必要性を説かれました。
 最後は、図書館学から石川敬史さんでしたが、時間切れとなり、ごく簡潔なご報告のみとなりました。日本の戦後移動図書館史からみた、今後の東京・図書館の課題、戦後初期の移動図書館の成立として、高知県「青年のための自動車文庫の成立」、徳島県「憲法記念館の理念を運ぶ文化バス」、富山県と兵庫県「文化の缶詰としての移動公民館」等の事例とともに、1970年代の市立図書館による移動図書館の成立について紹介いただきました。東京の図書館の課題として、「図書館」が施設だけの枠内に留らず、「直接・間接サービス」、「館内・館外活動」という内部と外部の在り方について再検討し、多文化・福祉・ヤングアダルト等の境界を越えた「場」づくりの重要性を説かれました。
 定例会終了後、優しいマスター御夫婦が待つ「イーストビレッジ」へ。文人先生の「これからは君たちが(社会教育研究を)支えていかなければならない」が、非常に重みのある、印象的な言葉でした。今回、文人先生と報告者4名の皆さんは数年ぶりの対面再会だったようですが、とてもそうとは思えないほど楽しそうにお話されていて、人間らしい、あたたかいものを感じました。何年ぶりに再会しても、まるでいつも顔を合わせているかのように親しく話せる師弟関係は、滅多にないのではないでしょうか。私は皆さんが楽しそうに談笑されるのを拝見し、ゲーテがエッカーマンに話した「人生は短い。お互いに、楽しみあうようにしたいものだね」という言葉を思い出しました。文人先生を通じて、こうした「縁」があり、そしてそれが広がっていく。素敵なひとときをありがとうございました。

久しぶり山口真理子さん「乾杯」(お祝いの歌)・・・左手前より、石川、王操(記録)、栗山、井口、橋田の皆さん
  (江頭晃子さん写す、イーストビレッジ、2023/7/28)
 



61、第49回東京社会教育史研究フォーラム ご案内・記録   
    TOAFAEC(第297回)定例研究会と合同
   ……江頭晃子(市民活動サポートセンター・アンティ多摩) 2022/11/12
 先月に続きまして11月も東京社会教育研究フォーラムとTOAFAEC定例研究会と合同の研究会を開催いたします。
 今回は、東京・北区で文化センターなどの指定管理を受けている渇栄に勤める工藤千佳良さんからお話を伺います。工藤さんご自身のご紹介と経歴、A北区・文化センター・指定管理者の概要、B16年間で築かれてきた指定管理者と所管課・地域住民(文化センターでの学習グループ)とのつながり、Cコロナ下での経過・現状などを伺います。
 東京23区では社会教育施設の指定管理は多く、受託内容や運営企業により異なります。工藤さんが勤める「旺栄」は、北区文化センターや他自治体の自然の家などの委託を受けており、施設運営だけでなく多様な事業を企画・運営し続けてこられました。16年間の蓄積により見えてきたこと、新たなつながりづくりや可能性と課題などを伺いながら、東京23区でどのような社会教育が展開されているのかを伺います。また、工藤さんは『東京23区の社会教育白書2021』(20222月刊行)のとりまとめのお一人でもあり、現在の多様な立場の職員のつながりや白書づくりのご苦労なども伺えたらと思っています。みなさま、どうぞお気軽にご参加ください。
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・日時:20221125日(金)20:0022:30Zoom開催)
・テーマ:指定管理期間16年目の北区立文化センターとコロナ下での施設運営
・報告者:工藤千佳良さん(渇栄、社全協23区支部)
・申し込み:1124日(木)までにお名前とメールアドレスを申し込み先にお送りください。前日までに(もしくは当日の午前中までに)ZoomURLをお知らせいたします。
・終了後(21402230)質疑応答・懇親会
・連絡先:Zoomお申込み先:石川 takashii@jumonji-u.ac.jp
★『東京23区の社会教育白書2021』の購入方法は以下をご覧ください。
 https://japse.main.jp/wp-content/uploads/2022/02/23-hakusyo2021.pdf
記録江頭晃子
参加者:飯沢美紀、井口啓太郎、石川敬史、江頭晃子、遠藤輝喜、岡本正子(川崎の文化と図書館を発展させる会)、祁暁航、工藤千佳良、栗山究、小林文人、斎藤真哉、武田紘明、山口真理子、吉見江利(横浜市社会教育コーナー)
内容; 先月に続き11月も東京社会教育研究フォーラムとの合同研究会として開催、北区のお話を伺いました。工藤さんから大変丁寧な資料をつくってくださっての発表でした。
 最初にご自身のこと(大学時代のボランティア活動、和光大学から沖縄大学へ、エイサー等芸能との出会い、知的障がい者のグループホームでの勤務、中国・煙台本州日本語学校教員、北区指導員、渇栄入社)をご紹介いただきました。

 北区(人口35万)の概要、3つの文化センターとそれぞれの地域の特色の紹介に続き、渇栄の指定管理者としての取組みについて具体的に話していただきました。渇栄はビル管理、給食受託、寮運営、事務機器や教材販売などが合併してできた会社で、学校施設との関連が深い。初めて指定管理を受託したのが北区の文化センターで、他区の少年自然の家などの指定管理を受けたこともある。文化センターは2022年度末で4回目の指定管理期間が終わるところで、次期受託に向け準備をしている。利益のためと言うより、会社としては地域貢献としての位置づけが強く、一方で更新時に他社との競争のため金額を落とさないと受託できない恐れもあるが、「これ以上は下げられない」というラインも死守してくれている。
 職員体制は、中央公園と滝野川文化センターが各8人(常勤6=施設長1、副施設長1、事業学習担当2、受付業務2/パート2)。赤羽文化センター(常勤7/パート9)で、事業・学習担当を束ねる役割の工藤さんは赤羽に所属。事業・学習担当(合計6)は、社会教育主事有資格者が中心である。直営から指定管理者に移行する時、「有資格者を入れること」を条件に入れるように区職員が頑張ったと聞いている。
 最初は区民からも区職員からも「敵がやってきた」と見られ、区の意向を聞くことが多かったが、16年の継続により、()旺栄職員の方が事業や地域のことが分かるようになり、反対に説明したり職員研修を担当するなど、対等な意見交換ができる機会が多くなった。
 事業展開の中で特徴的だと感じたのは、北区からの委託事業は各館年間110回の他に、@自主事業が70回(3館合わせて)と多い。A所管課(生涯学習・学校地域連携課)との連携が密。当初は連絡・調整だけだったが、事業に特化した連絡会議も月1回開催するようになり、共同で通信を発行したり、教育委員会事業も共同で開催することもある。B利用団体との連携による事業展開(利用団体学習会、体験会、発表、連絡協議会等)が多く、C高齢福祉課など他部所との連携などで、多忙さが心配にもなりました。
 参加者からは、具体的内容への質問や感想とともに、他自治体の指定管理者の経験、導入が阻止できない状況での条件提示内容、指定管理の選定委員として見える自治体側の状況などの情報交換も行われました。
 小林先生からは、工藤さんが苦労しながら良い仕事をしていること、北区と前月報告の国立市の違いの根本はどこにあるのかと考えながら聞いていたという感想。そして、「地域のことをしっかり考えてつくっていこう」という視点が公民館活動のスタートだが、大都市では地域が見えにくく、成人の公共教育空間は位置づいてこなかった。しかし、地域の共同は年寄りや子育て、災害救難などにも関係しており、地域のことを考える市民は公民館の有無に関わらず、どこにでも存在する。それを継続的につなぎ・広げていく役割を行政が担うかどうか。市民の権利と行政の役割をどう結んでいくか。松本や沖縄のあゆみを振り返ると、地域の結びつきがあり、公民館が重要な役割を果たしてきた、という話がありました。個人的には、地域に関わりつづける職員集団の事業展開が、区民や職員と信頼関係をつむいできたのだろうなと感銘を受けつつ、そのご苦労は大変だったろうなと想像していました。


60、第48回東京社会教育史研究フォーラム ご案内・記録   
    TOAFAEC(第296回)定例研究会と合同
  ……石川敬史(十文字学園女子大学)    2022.10.15 7:02   
 久々の東京社会教育史研究フォーラムの開催です。今回は江頭晃子さん(アンティ多摩)より、国立市公民館の紹介,公民館運営審議会の歴史・蓄積、そして答申「新型コロナウイルス感染拡大時における教育機関としての公民館事業について」策定の経緯についてお話をいただく予定です。
 詳細につきまして、江頭さんより以下のメッセージをいただきました。
 東京社会教育史研究フォーラム、10月は多摩地域(国立市)、11月は23区(北区・工藤千佳良さん)のお話を伺い、皆様とともに、東京社会教育史を再びしっかりと見つめていく契機にできればと考えております。皆様のご参加をお待ちしています。
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 2020年4〜5月、国立市公民館は休館し、公運審も3〜5月は開かれませんでした。公民館でほっと一息ついたり、つながり、学び続けていた市民に「公民館とは何か」「生存権の中に学習権は含まれないのか」という問いをつきつけました。また、休館について何ら相談されることのなかった公運審も自分たちが公民館の「民主的運営」を担保する役割を果たせなかったのではという思いが募りました。
 2022年10月11日、第33期国立市公運審は、標題の答申を館長に提出しました。2021年5月に諮問が出されてから1年半、国・都・市行政や教育委員会の政策決定を追い、市民とともに学習会を開き、利用団体・市民個人アンケートを実施し、館長や職員へのヒアリングを行い、2020年のコロナ禍を記録化することで見えてきた課題から、10の提言を答申としてまとめました。
 国立市公民館や公運審の簡単な歴史、答申策定の経過と内容について報告させていただき、忌憚ないご意見をいただきながら、「公民館とは何か」「公運審の役割」について議論しあえたら嬉しいです。
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・日時:2022年10月28日(金)20:00〜21:30(第二部 21:40〜22:30質疑・交流)
・テーマ:国立市公民館運営審議会答申「新型コロナウイルス感染拡大時における教育機関としての
 公民館事業について」策定経過と10の提言
・報告者:江頭晃子さん(第33期国立市公民館運営審議会委員)
・申し込み:10月27日(木)までにお名前とメールアドレスを申し込み先にお送りください。
 前日までに(もしくは当日の午前中までに)ZoomのURLをお知らせいたします。
・連絡先:Zoomお申込み先:石川 takashii@jumonji-u.ac.jp
※答申全文は当日配布、また、10月末に国立市公民館HPにもアップ予定

記録; 石川敬史 10月定例(第296回)研究会:第48回東京社会教育史研究フォーラム
・日時:20221028日(金)20:00-22:45 ・方法:オンライン(Zoom)開催
・出席者(敬称略):内田純一,江頭晃子,祁暁航,栗山究,隈井裕之,幸島裕子,小林文人,
 中村津希子,山口真理子,山根浩子,石川敬史
・内容
 第48回東京社会教育史研究フォーラム(10月定例研究会)は,第33期国立市公民館運営審議会の江頭晃子さんより,国立市公民館運営審議会答申「新型コロナウイルス感染拡大時における教育機関としての公民館事業について」の策定の経緯と10の提言についてのお話です。答申は国立市公民館のWebページに掲載されています。
https://www.city.kunitachi.tokyo.jp/kouminkan/kouminkan5/1666765685335.html
 今回の研究会には,江頭さんと同じく第33期公運審委員である隈井さん,幸島さん,山根さんにもご参加いただきました。
 江頭さんより,まずこの答申の内容に入る前に,国立市の歴史と国立市公民館の歴史を確認しました。国立市公民館の歴史的経緯からみる特徴として,市民がつくった公民館,公民館運営審議会の存在,図書室の存在,専任職員配置努力,多様な事業・講座の展開,『公民館だより』等の情報発信,都市型公民館のあるべき姿の模索,無料原則の追究,行政改革の動きの食い止め,条例・規則化の10点について,1950年代後半から2000年代までお話いただきました。
 このうち,公民館運営審議会については,職員配置前に公運審が設置されたこと(1955年),職員体制充実の要望書・意見書を継続的に市長や教育庁へ提出していること,館長任命の際に公運審の意見を聞いていること(社会教育法第282項遵守),数々の答申・提言の存在,職員と公運審委員による合同研修,多数の意見書や文書の提出といった歴史と特徴をまとめていただきました。
 こうした公運審の活動と歴史に触れると,寺中構想から続く公民館運営に対する理念の連続性,そして国立市の公運審の歴史の重みを痛感します。出席者の皆様からは,とりわけ市民大学・講座編成,わいがやの喫茶,公民館保育室が全国的に注目されたこと,さらには国立市の特徴として,世代をこえた個性的な市民同士のつながりがあることなどの話題が出ました。
 続けて,「新型コロナウイルス感染拡大時における教育機関としての公民館事業について」の答申についてです。答申には,市民団体や個人利用アンケート,職員へのアンケート・ヒアリング,さらには社会教育学習会の記録も含まれ,印刷すると144ページにも及びます。江頭さんより,答申に基づきながら,コロナ禍における国立市公民館の問題,そして公運審委員の報告から明らかになってきたこと,そして最後に答申における10の提言の意図と思いをお話いただきました。
 参加者からは,こうした答申(さらには各班)が策定されている具体的なプロセス,職員へのアンケートや聞き取りの方法,1館のみではなく分館設置の可能性,国立公民館の独自性などの活発な質問・発言がありました。
 小林先生からは,学習権のみの視点ではなく,集会・結社の自由の視点などから重層的に捉えていく必要性,公民館は市民のものとなっているのかどうか,などの問題提起がありました。公運審の隈井さん,幸島さん,山根さんからも活発にご発言をいただきました。
 私自身は,いくつかの市の図書館協議会の委員をつとめていますが,「行動する」図書館協議会になるために,国立市の公運審の活動から学ぶべきことが多いと痛感しました。とりわけ,第1回目の緊急事態宣言下・公民館の閉館によって,「人とのつながりが生きる意味」を公民館が実践する意義,そして,公民館の開館が原動力である, という江頭さんのご指摘が印象に残っています。
 
国立市公民館・市民交流ロビー「わいがや喫茶」、右側に青年室(2003年11月16日)





59、第47回東京社会教育史研究フォーラム ご案内・記録   
    TOAFAEC(第287回)定例研究会と合同
    ・テーマ:第11期東京都生涯学習審議会・建議を読むー青少年教育振興の今後の方向ー
                     (石川敬史、2021/12/06 18:21)
 東京社会教育史研究フォーラム第47回・12月定例(第287回)研究会ご案内です。ちょうど昨年の11月,梶野光信さん(東京都教育庁)に「大都市・東京の社会教育2016 その後の動き」と題してお話いただきました。加えて,社会教育行政研究のアプロ―チに対する問題提起もいただきました。当日の記録は以下ご参照ください。
(「第45回・2020年11月(TOAFAEC定例・第275回と合同)研究会ご案内」を参照)
  →https://secure02.red.shared-server.net/www.bunjin-k.net/TokyoForum2016.htm
 この間の東京の社会教育の動向にも注視しておりましたが,本年の9月に第11期東京都生涯学習審議会から建議がまとめられました。これまでに東京社会教育史研究フォーラムにて梶野さんにご報告いただきました若者支援の蓄積や,今後の東京都青少年教育振興の在り方がまとめられています。
 そこで,第47回の東京社会教育史研究フォーラム(TOAFAEC 12月定例(第287回)研究会)では,東京都社会教育主事の梶野光信さんより,建議の意義やこれからの東京社会教育についてお話いただきます。梶野さんから,早速次のようにメッセージをいただきました。
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 2021年9月24日、第11期東京都生涯学習審議会は「東京都における今後の青少年教育の在り方について」という建議を東京都教育委員会に報告しました。この建議は、平成4(1992)年7月に東京都生涯学習審議会が設置されて以降、初めて社会教育固有の領域をテーマに据えたという特徴があります。今回は、教育行政において、今後社会教育はどのような位置付けをもつのかいくのかという課題も視野に入れながら、担当者(草稿執筆者)として、本建議が持つ意義等について報告したいと考えています。 
 -------------------------------
 年末のお忙しい時期の開催となりますが,建議の草稿を担われた梶野さんの貴重なお話になります。みなさまのご参加をお待ちしております。
・日時:2021年12月24日(金)20:00〜21:30(第二部 21:40〜22:30質疑・交流)
・テーマ:第11期東京都生涯学習審議会 建議を読む ー青少年教育振興の今後の方向ー
・報告者:梶野光信さん(東京都教育庁地域教育支援部主任社会教育主事)
・申し込み:12月22日(木)までにお名前とメールアドレスを申し込み先にお送りください。
 前日までに(もしくは当日の午前中までに)ZoomのURLをお知らせいたします。
・連絡先:Zoomお申込み先 → takashii@jumonji-u.ac.jp(石川あて)
・資料:「東京都における今後の青少年教育の在り方について」(東京都生涯学
 習審議会:2021年9月)
https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2021/09/24/documents/05_01.pdf

記録
:(石川敬史、2021/12/25 )18:42)
・参加者(敬称略):井口啓太郎,江頭晃子,梶野光信,栗山究,小林文人,齋藤真哉,執行治平,
      中村(持田)津希子,的野信一,山口香苗,山口真理子,石川敬史
◆内容:
 第47回東京社会教育史研究フォーラム(TOAFAEC(第287回)定例研究会)は,昨年(2020年12月;第45回)に引き続いて、梶野光信さん(東京都教育庁地域教育支援部主任社会教育主事)よりご報告いただきました。2021年9月の第11期 東京都生涯学習審議会による建議「東京都における今後の青少年教育の在り方について」には,東京都における今後の青少年教育振興の在り方がまとめられています。この建議がまとめられた背景や意義を中心に,東京の社会教育行政の動向についてもご報告いただきました。
 まずは,2002年度以降の東京の社会教育行政の歩みを振り返り,先駆的な取組としての「地域教育プラットフォーム」構想(第5期東京都生涯学習審議会答申)や,高校連携の契機となった都立高校教育支援コーディネーター事業,さらには近年の動向として、学校内にコミュニティづくりの拠点としての「コミュニティハウス」(東京都清瀬市)の事例について、お話いただきました。そして今回の建議の背景として,「ユース・プラザ」や「旧子どもの城」の今後について、という施設的な側面とともに,これまでの東京社会教育行政の積み重ねに基づき社会教育部門からのアプローチに対する機運があったとのことです。
 建議には一般的な建議とは異なり,参考文献も充実し,これまでの青少年教育の歴史を整理したうえで,あるべき姿を示した論文のような内容となっています。とりわけ梶野さんが強調していたことは,従来の「青年期」の捉え方に対する疑問に対する「新成人期」という考え方の提示,そしてユニバーサルアプローチ型の施策を土台に、ターゲットアプローチ型の施策を堅持していくことです。そのためにも,現場での実践を重ねているNPO 等のネットワークを通じて,青少年教育の推進者としてのユースワーカーの役割の明確化が求められていると指摘されました。
 意見交換では,東京都と区市との関係性やつながり,都民との関係性(バックアップや支援の在り方),ユニバーサルアプローチに対する行政評価の考え方,高齢者に対する社会教育としてのアプローチの方法や展望,博物館改正に係る文化行政の在り方,さらには戦後東京社会教育史を俯瞰したうえでの現在の社会教育行政の位置づけなど・・。途中休憩をはさみながらも,あっという間に23時となりました。
 ここ数年,東京社会教育史研究フォーラムは、年末の時期の開催となっています。今回の梶野さんのご報告と活発な意見交換,そして建議を読み進めていく中で感じたことは,歴史を踏まえながら「大都市」東京の社会教育の動向にしっかりと向きあい続けることの重要性です。コロナ禍ではありますが,地域における人と人とのつながりとネットワーク,そして多彩な学びの創出は不変であることを感じています。小林文人先生からもご指摘いただきましたが,東京社会教育史研究フォーラムは年末の研究会開催に留まることなく,共同研究としての活動をしっかりと進めていくことの大事さも改めまして痛感いたしました。


58、第46回東京社会教育史研究フォーラム案内・報告   
  12月定例・TOAFAEC(第276回)研究会と合同   石川敬史 (2020年12月08日00:32)

 2020年も残りわずかとなりました。今年は「コロナ」で始まり,「コロナ」で終わる1年にりそうです。「3密」「ソーシャルディスタンス」「Go To」「クラスター」「ロックダウン」「ポストコロナ」「マスク会食」・・・など,新しいコトバの登場と,政府の施策に私たちは日々翻弄されるとともに,一方で社会・文化・人間・学びとは何か・・・について,問い考える1年となりました。
 さて,2020年最後の研究会も再び東京社会教育史研究フォーラム(第46回)と、TOAFAEC 定例研究会(第276回)との合同の開催となります。11月の研究会は梶野光信さん(東京都教育庁地域教育支援部主任社会教育主事)からの熱いお話。実は研究会終了後に,「井口さんの話も聞きたい!」と小林文人先生が投げかけられまして実現しました!
 井口さんは,『大都市・東京の社会教育』(エイデル研究所,2016年)にて編集委員会事務局を担い,同書の「第4章障害者・人権」において,「1.障害者の社会教育実践の展開」(p.386-403)を橋田慈子さん(筑波大学)と担当されました。ここでは障害者青年学級を中心に,戦後東京における障害者社会教育の実践史を1950年代の第1期から2010年代以降の第5期までを描いています。最後に井口さんがまとめられた障害者青年学級の歴史的意義(3点)も興味深い指摘です。12月研究会開催にさきがけまして,井口さんより次のコメントをいただきました。
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 本書刊行の2016年以降,また別の動向の一つとして文部科学省による「障害者の生涯学習」政策の始動が挙げられます。本書においては橋田さんとともに「障害者の社会教育実践の展開」を担当させていただきました。2018年からは文部科学省において新設された「障害者学習支援推進室」という部署に国立市から出向し、この政策に携わっています。12月の研究会では、文部科学省での「障害者の生涯学習」政策の経緯や課題を整理し、関連実践・運動の歴史などを捉え返す視点について報告させていただきたいと考えております。
 ・・・(略)・・・韓国における関連施策の動向や、文部科学省における社会教育施策の方向性、などに議論を膨らませられたらと考えております。
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 12月の研究会では『大都市・東京の社会教育』刊行後の2016年以降の動向とともに,11月の研究会にて梶野さんより問題提起をいただいた視点も踏まえることができるのではと考えております。
 年末の慌ただしい時期となりますが,多くのみなさまのご参加をお待ちしています。第2部・途中からの参加も大歓迎です。どうぞよろしくお願いいたします。
◆日時:2020年12月25日(金)20:00〜21:30 (第二部21:40〜22:30 質疑・交流)
〇テーマ:「『障害者の生涯学習』政策展開と関連実践・運動の歴史をどうみるか」
〇報告者:井口啓太郎さん(文部科学省)
〇申込み:12月24日(木)までに、お名前とメールアドレス,ご所属を以下にお送りください。
  前日にZoomのアドレス等をお知らせします。
〇終了後(21:40〜22:30〜)質疑応答・懇親会→オンナイライン忘年会へ
             *それぞれお好きな飲み物・メニューをご用意ください。
〇連絡先:zoomお申し込み先 takashii@jumonji-u.ac.jp(石川あて)
 <第276回定例研究会、第46回東京社会教育史研究フォーラム(記録と感想)> 報告(栗山究、20201229:0710)
〇参加者:李正連,石川敬史,井口啓太郎,内田純一,江頭晃子,小田切督剛,栗山究,小林文人,
   齋藤真哉,野村千寿子,橋田慈子,的野信一,松尾有美,山口香苗,山口真理子
〇内容:第46回東京社会教育史研究フォーラム・第276回TOAFAEC定例研究会は、文部科学総合教育政策局で「障害者の生涯学習」政策に取り組む井口啓太郎さんよりご報告いただきました。東京大学大学院の松尾有美さんから韓国の政策展開の話題提供もあり、両報告の対話というかたちで議論が進行しました。
 井口さんからは、『大都市・東京の社会教育』では取り上げられなかった視点から「障害者の生涯学習」政策が国の政策に位置づけられた背景について報告がありました。その視点とは、「障害者の生涯学習」の実践と政策は、義務教育の実現、高校進学の実現、高校卒業後の学びの機会の実現と「学校教育を軸」に拡張してきたというものです。しかしこの視点は、特別支援教育(障害者と健常者の区別)の必要を起点とした議論といえ、地域で他者とともに学びあう視点が欠落しがちであるという課題を抱えています。「脱学校的視点からの共生社会づくりの社会教育」の実践的提起が、いま求められているという報告でした。
 松尾さんからは、学齢期に教育を受けられなかった障がい者を対象とした民間の夜学の実践から職業教育を含めた「障がい者平生教育」(国の支援)へ移行していく最近30年の韓国での動向が報告されました。その特長は、父母を含む当事者団体が研究者と手を取りあうかたちで展開されてきたことです。課題としては「障がい者平生教育」が、平生教育としてというよりもむしろ学校型の特殊教育の側面に留められる傾向があること、そして障がいの種類により政策の展開に偏りが生じていることなどが挙げられました。

 全体議論では、その実践が福祉や学校制度への要望として顕在しがちであり生涯学習としての学びの視点に到達しづらい点が指摘され、地域社会で生きるうえで当事者でない人とともに学びあう環境をいかにつくるかという社会教育の視点の重要性が確認されました。その際、歴史的に存在する「特殊教育・発達保障」の観点と「統合教育・共生社会実現」の観点の二つの文脈を、地域の学習と運動の連続性のなかで丁寧に解明する必要が挙げられました。また国際的動向とどのように結びつけられるかという視点の必要も語られました。
 「社会教育行政」という固有領域が再編されていった日本では、社会教育専門官を置かなくなってしまったことや、職員異動の早さのため政策が実践と結びつきにくい構造にあることも課題として語られました。学校教育の補完・拡張として関連づけるか、福祉や文化芸術など雇用創出や経済効果の文脈に位置づけるか以外は予算がつきにくい現実もあります。この現実は博物館などの政策においても同様の現象と言えます。国の社会教育行政が解体した歪みが共通した問題をいま浮かび上がらせていることを実感せずにはいられません。またそのような状態でも、「社会教育」の視点を確保せんと行政の現場で日々苦闘される井口さんの報告は、前回の梶野さん(東京都)の報告と類似するものがあり、多くの関係者を勇気づける内容であったと思います。そうした意味でも、東京社会教育史研究フーラムは今後も追究され続けていく必要があることを強く思った、2020年最後の研究会でした。


57、第45回・2020年11月(TOAFAEC定例・第275回と合同)研究会ご案内 
              石川敬史(2020年11月09日00:52)
  2020年も残り2ヶ月を切りました。本年はコロナに始まりコロナに終わる年になりそうです。コロナ,そして国政と,何かと落ち着かない日々が続いております。
 東京社会教育史研究フォーラムにつきましては昨年の12月,野々村恵子さんの在りし日をご参加の皆様とともに偲びました。それから約1年。東京社会教育史研究フォーラムは,ここ数年,年1回の開催へ・・・野々村さんよりお叱りの声が聞こえて参りますが・・・毎年開催のたびに,『大都市・東京の社会教育』(エイデル研究所,2016年)を手に取り,その後の変化や状況が気がかりでした。
 今回,第45回東京社会教育史研究フォーラム(TOAFAEC第275回定例)では,同書の第1部通史にて「東京都の社会教育行政史―生涯教育・生涯学習施策の登場以降―」(p.66-104)を執筆された梶野光信さん(東京都教育庁地域教育支援部・主任社会教育主事)にご報告をお願いすることになりました。
 同書の刊行から4年が経過し,その後の東京都の社会教育行政がどのように変化したのかをお話いただきます。開催にさきがけ,梶野さんより次のコメントをいただいております。
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 教育行政に身をおいて27年が経ちました。そこで展開されていたのは,学生時代イメージしていた「社会教育」とは全く異なるものでした。日本の社会教育行政自体が解体の危機(すでに解体?)に瀕している中で,社会教育の可能性を行政の中で模索し続け,たどり着いた現在の考えを皆様の前でお話したいと考えています。
 これは社会教育学研究の主流とされてきた考え方(理論)とはまったく異なるものです。社会教育学研究が,なぜ社会教育行政の解体を食い止めることができなかったのか,私なりの考えを提示したいというのが今回報告をお引き受けさせていただいた意図です。このような状況において,社会教育主事としての役割は「なぜか」東京都の中で2016年の頃以上に重要視されています。それが社会教育行政の再興につながるのかはまだわかりませんが、間違いなく「何か」が変わってきたと感じています。その「何か」についてもお話し,皆様と多様な議論ができればと考えています。
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 この間,梶野さんは早稲田大学大学院教育学研究科博士課程に社会人院生として在籍されていました。その研究成果も踏まえながら,社会教育行政研究のアプロ―チに対する問題提起も併せて行いたいとメールをいただきました。
 師走の直前,お忙しい時期になりますが,今回もオンライン(Zoom)での開催となります。第二部・途中からの参加も歓迎です! 多くのみなさまのご参加,お待ちしています。
◆日時:2020年11月27日(金) 20:00〜21:30 (第二部21:40〜22:30 質疑・交流)
 〇テーマ:「大都市・東京の社会教育2016  その後の動き」
 〇報告者:梶野光信さん(東京都教育庁地域教育支援部主任社会教育主事)
 〇申込み:11月25日までにお名前とメールアドレス,ご所属を以下にお送りください。
   前日にZoomのアドレス等をお知らせします。
 〇終了後(21:40〜22:30)質疑応答・懇親会。それぞれお好きな飲み物等をご用意ください。
 〇連絡先:zoom お申し込み先 → takashii@jumonji-u.ac.jp(石川あて)

報告 
石川 敬史(2020年11月29日23:02)
・参加者(敬称略):李正連,井口啓太郎,内田純一,江頭晃子,大前哲彦,梶野光信,金侖貞,栗山究,小林文人,齋藤真哉,佐治真由子,長岡智寿子,野村千寿子,橋田慈子,松尾有美,的野信一,山口香苗,山口真理子,山添路子,石川敬史
・内容:
 昨年12月以来の約1年ぶりの東京社会教育史研究フォーラム。今回は,『大都市・東京の社会教育』(エイデル研究所,2016年)にて,「第1部通史II・東京都の社会教育行政史」(p.66-104)を担当された梶野光信さんより,その後の東京都における社会教育行政の動向をご報告いただきました。
 梶野さんは,2018年7月に博士論文提出(早稲田大学)。今回の報告は「その後」に留まらず,梶野さんのこれまでの問題意識である「社会教育行政研究への疑問」や,梶野さんが詳細に整理した戦後期以降の東京都社会教育行政の時代区分も踏まえながら,問題提起をいただきました。
 まずはじめに,戦後期から現在までの東京都の社会教育行政を分析すると,社会教育施策形成における各都知事の関与の違い,主要アクターの変遷をはじめ,中核機能としての青年期教育という連続性などが視えてくるとのこと。とりわけ,2002年頃に入り,都の社会教育主事が,教科「奉仕」必修化対応や都立学校不登校・中途退学対策への事業に関与するなど,社会教育施策形成の主要アクターとしての役割を担った過程をご報告いただきました。
 そして,2016年以降の東京都社会教育行政の動きとして,まず第一に,地域コミュニティの交流拠点としての学校への着目があったとのこと。これは「地域学校協働」の推進,そして高齢者の社会参加促進事業も背景に,地域づくりの拠点として学校を「コミュニティ・ハウス」と位置づけ,高齢者の教育参加や放課後活動支援など「社会実験」として取り組みが行われているとのことです。そして第二に,社会教育行政が「教育福祉」の分野に乗り出したことです。高校に適応できない若者を対象に,成人期への移行や職業への移行を支援する役割と意義を強調されました。
 今回の研究会は,20名もの皆様にご参加いただきました。ご参加のみなさまからは,東京都という大きな組織における政策形成プロセスと都民・区市町村との距離について,社会教育主事が政策決定に関与するという問題提起の重要性,東京都の事業と区市町村との関係性,台北の小中高校には社区大学が入っており高齢者教育センターも小学校の空き教室を使っていることなど,途中,質問・意見交換が活発に交わされ,終了予定時刻を大幅にオーバーしました。
 遠隔(Zoom)という方法ではありましたが,梶野さんによる当日の詳細資料,そしてご報告から熱い思いと意志が伝わって参りました。『大都市・東京の社会教育』の刊行から4年。大都市・東京の社会教育のその後の動向を,社会的背景や変化とともに,しっかりと見つめ続ける重要性を改めて痛感し,大いに刺激を受けた研究会となりました。ご参加いただいたみなさま,ご報告いただきました梶野さん,ありがとうございました!


56、第44回・2019・12月(TOAFAEC定例、第268回)研究会ご案内 
                     石川 敬史,(Fri, 6 Dec 2019 23:12)
 <野々村恵子さんを偲ぶ会・ご案内>
     ―第44回東京社会教育史研究フォーラム、
       第268回TOAFAEC定例研究会・合同開催―  
 皆さま ご無沙汰しています。東京社会教育史研究フォーラムから久しぶりのお便りです。
12月に入り寒さも一段と厳しくなる中,「南の風」(4109号)を通して、突然の訃報に接しました。東京社会教育史研究フォーラムにて,事務局メンバーを支えてくださり,時には厳しいご指摘も交えて、活動をリードして下さった野々村恵子さんの急逝のお報せでした。いつもお元気な野々村さん、目を疑い仰天いたしました。
 『大都市・東京の社会教育―歴史と現在』(エイデル研究所,2016年)出版にあたっては、実質的な副編集長として,私たちを大いに励まし導いてくださいました。野々村さんは、お茶の水女子大学を卒業後、東京都練馬区に入職、社会教育主事ひとすじの人生でした。とくに女性の学習(たとえば学級づくりにおける三者方式など)にかかわって多面的な活動、あるいは「民主的な社会教育を発展させる都民の会」などの住民運動,さらには『月刊社会教育』編集・社全協事務局等において、永年にわたる“縁の下”活動を担ってこられました。表面に出ない住民活動援助、記録づくり、ネットワークづくり、事務局支援などに果たされたお仕事は、知る人ぞ知る拡がり。まわりの信頼あつく、そして現役活動家としての姿のまま、忽然と逝ってしまわれました。あまりにも急なことで、突然の訃報に私たちは言葉を失ってしまいました。
 東京社会教育史研究フォーラムでは,第44回研究会(TOAFAEC 定例・第268回研究会・合同)として,『大都市・東京の社会教育』刊行、東京の社会教育の歴史研究の日々を語りあい、皆さんとともに野々村さんのお仕事・功績をを振り返って、在りし日を偲びたいと思います。当日は野々村さんと親交のあったお二方にお話しを伺います。
 思い出しますと,ちょうど昨年の12月28日,東京社会教育史研究フォーラムは第43回を開催(TOAFAEC定例研究会第257回研究会と合同)いたしました。あれからちょうど1年です。野々村さんより「しっかり!頑張って」という声が聞こえてくるようです。『大都市・東京の社会教育』刊行からも3年が経過しました。積み重ねられた歴史を見つめてきた東京社会教育史研究フォーラム。齋藤事務局長を中心に,しっかりと前へ進んで参ります。
 年末の慌ただしい時期となりますが,みなさまのご参加をお待ちしております。なお当日の懇親会「イーストビレッジ」は、今年度TOAFAEC 忘年会となります。9時以降のご参加も歓迎。故野々村さんへの献杯、1年のしめくくりの乾杯、揃ってお出かけください。
◆野々村恵子さんを偲ぶ会(第44回東京社会教育史研究フォーラム)
日時:2019年12月27日(金)19:00〜20:50頃
内容:野々村恵子さんを偲ぶ
語り手:(!) 谷口郁子さん(『住民と自治』・『月刊社会教育』元編集長)
        「女性のエンパワメントのパイオニア 野々村恵子さん」
(2) 齋藤真哉さん(東京社会教育史研究フォーラム・板橋区成増生涯学習センター所長)
       「野々村恵子さんの実践を通して東京の社会教育を振り返る」

場所:東京杉並・高井戸地域区民センター・第3集会室
  (〒168−0072杉並区高井戸東3−7−5)京王井の頭線「高井戸」駅下車、徒歩3分
偲ぶ会・望年会(21:00頃〜):レストラン「イーストビレッジ」電話:03-5346-2077
  (東京都杉並区高井戸東2丁目29-23-108)
 *京王井の頭線 高井戸駅下車。すぐ陸橋(環八歩道橋)を渡り、左にガードをくぐり、
  神田川の横、大きな茶色のマンションの裏1F。駅より徒歩2〜3分。
在りし日の野々村恵子さん 「月刊社会教育」60年のつどい、(2018年1月20日)


報告 石川 敬 (Sat, 28 Dec 2019 14:02)
・出席者(敬称略):青木玲子(国立女性教育会館),江頭晃子,小林文人,齋藤真哉,
 谷口郁子,的野信一,山口真理子,石川敬史
・内容: 風がとても冷たい日でした。1年ぶりの「東京社会教育史研究フォーラム」(TOAFAEC定例研究会と合同)の開催。昨年12月の開催時も,風が冷たい日であったことを思い出します。『大都市・東京の社会教育』(エイデル研究所,2016年)刊行から3年が経過しましたが,同書にて事務局メンバーを励まし導いてくださいました野々村恵子さんの突然の訃報に接することとなってしまいました。今回の東京社会教育史研究フォーラムでは,野々村さんが社会教育に一生を注いでこられた、これまでのお仕事・ご功績を振り返って,参加者みなさんとともに在りし日を偲びました。
 齋藤真哉さんからは,野々村さんが練馬区・社会教育主事の職を終えた直後,5回にわたって『月刊社会教育』に連載された「シリーズ私の実践:ののむらけいこの社会教育史−東京・練馬での三七年」(1999年 6月号〜11月号)をもとに,野々村さんの社会教育主事としての、37年間の仕事を振り返りました。この連載には、なぜ公務員になったのか,女性問題に関心を持ったきっかけをはじめ,(練馬区の公民館・事務職員として出発した後の)婦人学級との出会いと実践、学習内容編成,平和と人権,家庭教育学級などが刻まれています。野々村さんは(「事務職員」として出発したという記述がありますが),実質的には大学を出て社会教育主事として活躍された第一世代(小林文人先生)であり,どこでいつ社会教育主事の資格を取得したのであろうか,と指摘もありました。加えて練馬社会教育の婦人学級づくり、学級編成におけるいわゆる「三者方式」(練馬方式)や「書くこと」による自己表現学習については,1950年代からの「共同学習」をはじめとした学習論の系譜として位置できる重要な仕事であったと指摘されました。
 続いて,19歳の頃から野々村さんと親交があった谷口郁子さんからは,野々村さんが23区の社会教育主事集団の中心的存在であったこと,野々村さんが取り組んだ婦人学級から多くの自主グループ活動へと広がったこと,全国PTA問題研究会(全P研)などの集会へ声をかけてくださったことなど,当時のご活動をお話いただきました。とりわけ,女性・平和・憲法については,国際婦人年など世界的視野によって野々村さんが情報をわかりやすく伝えてくださったこと,さらには社会教育に関わる女性職員に気さくに声をかけてくださったこと,各地の運動の動向を把握されているなど常にアンテナを張っていること・・など,野々村さんがエネルギッシュにご自身によって実践を切り拓いた歩みをお話いただきました。
 この日の研究会へは,野々村さんと女性センター(女性情報センター)との関わりから親交があった青木玲子さんも駆けつけてくださいました。
 研究会などの集まりの場では,野々村さんから手づくりのお料理をお持ちいただいたこと,書類の整理整頓もきっちりされていることなど・・・・・・野々村さんの在りし日をともに語り合うと,あっという間に21:00となってしまいました。
 記録を残すことが大切,書くこと・残すことが大切である,ということを野々村さんが良く口にしていたことを,本研究会にて谷口さんが繰り返しお話なさったことが印象的でした。野々村さんの社会教育主事としての取り組み,さらには生き方から,私たちは多くのことを学ばなければならないと痛感しました。
 また美濃部(革新)都政下において、「民主的社会教育を発展させる都民の会」の運動を担ってこられた足跡も語られました。その「23年」の歩みが上記『大都市・東京の社会教育』に収録されています。
 東京社会教育史研究フォーラムは,ここ数年は年1回の開催となっています。齋藤事務局長のもと,地道に活動を進めていこう,と確認もいたしました。『大都市・東京の社会教育』編纂・執筆に関わられた皆様,引き続きお力をよろしくお願いいたします。
◆谷口郁子(Sat, 28 Dec 2019 14:52) *住民と自治、月刊社会教育(編集長)  
 <いつも頼りにしていた野々村さん>
 昨日(12月27日・高井戸)は、ありがとうございました。南の風「第44回東京社会教育史研究フォーラム、第268回TOAFAEC定例研究会・合同開催」で野々村惠子さんのことをお話しさせていただく機会をいただき、深く感謝申し上げます。小林先生が「婦人学級」「練馬三者方式」「全P研」などの話をしてくださり、「東京の社会教育」・練馬で野々村さんの果たされた功績を振り返ることができました。
 一九七〇年代の先生たちのお名前も懐かしく思い出されました。齋藤真哉さんがご用意くださった『シリーズ私の実践 ののむらけいこの社会教育史ー東京・練馬での三七年』を、帰りの電車の中で読み返し、あらためて野々村さんのお仕事の歩みを確認することができました。
 野々村さんをしのぶ会ということで、参加された青木玲子さん(国立女性教育会館)のお話も、いつも女性の問題に関心を持ち、解決に尽くされた野々村さんの姿が思い出されました。練馬の女性たちともつながりたいと思います。いつも頼りにしていた野々村さんを失った痛みは消せませんが、自分が女性問題にどう向き合い、どう生きるかを問う機会になり、研究会で場を設けていただき、重ねて御礼申し上げます。
◆小林ぶんじん(南の風4117号)
 今年最後の定例会は、久しぶりに東京社会教育史研究フォーラムと合同の開催(12月27日)。年末の寒い夜、参加者は少ない研究会でしたが、しみじみと「野々村恵子さんをしのぶ」ひとときとなりました。イーストビレッジでは、野々村さんの思い出話が相次いで時間を忘れるほど。終わりに山口真理子さんが、思いをこめて「涙そうそう」を歌いました。ぶんじんはその前座に(酔って)「海の子守歌」(海勢頭豊)を。調子はずれ、それでも何とか一節を。文字通り今年の歌い納めとなりました。
左・谷口郁子、右・斎藤真哉のお二人(高井戸、2019127)



268定例会・懇親会、斎藤さんは帰ったあと(、イーストビレッジ、20191227)



55、第43回・2018・12月(TOAFAEC定例、第257回)研究会ご案内 
          (石川 敬史、十文字学園女子大学)
 <TOAFAEC・第257回研究会のご案内>
 大変お久しぶりです。2018年も残すところわずかとなりました。月日が経つのは早いのですが,しかし同時に国内・国外の様々な社会状況もあまりに早く移り変わってしまうことで,じっくりと物事を考える時間を失ってしまうことに,危機感のようなものを感じております。
 さて,TOAFAEC・第257回研究会にて,東京社会教育史研究フォーラム事務局長の齋藤真哉さん(板橋区成増生涯学習センター所長)が「市民主体の社会教育運動をどう拡げるか〜板橋区の事例から〜」と題してご報告いたします。東京社会教育史研究フォーラムにも関わる内容にて,年末の時期となりますが,ご関心のあるみなさま,ぜひご参加ください!
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 <12月定例(TOAFAEC、第257回)研究会ご案内>
・テーマ:市民主体の社会教育運動をどう拡げるか〜板橋区の事例から〜
・報告者:齋藤真哉さん(板橋区成増生涯学習センター所長)
・日 時:2018年12月28日(金)19時00分〜21時00分〜(学習会と望年会)
・会 場:イーストビレッジ (杉並区高井戸東2丁目29-23-108、03-5346-2077)
  *京王井の頭線 高井戸駅下車。すぐ陸橋(環八・歩道橋)を渡り左にガードをくぐり、神田川
    を渡る。大きな茶色のマンションの裏1F。駅より徒歩3分。
・参加費:飲食代実費
・内容:
 2006年に教育基本法が改正されてから12年が経ちました。改正によりいろいろな問題がありますが、大きな問題の一つに教育委員会において、教育長の権限を増やすことにより住民の意思決定(レイマンコントロール)の原則を放棄したということがあります。それが今日の社会教育の現場にどのような影響を与えているのかという制度上の問題を最初に報告します。そういった状況の中で、教育行政と社会教育の乖離を呑み込んで前へ進もうとする市民の社会教育運動があり、そして、行政の論理で市民の社会教育の舵取りをしようとする教育行政と市民の社会教育運動との狭間で葛藤する社会教育職員がいます。
 それらの状況から、市民がどのように教育行政・機関・組織と向き合い、張り合い、付き合っていけば、市民の主体的な社会教育運動が効果的に展開されるのかを、板橋区生涯学習センターとNPOが共催して展開する「SDGs(持続可能な開発)いたばしの集い」の事例から報告します。今年最後の研究会は汗と涙なしには語れません。多くの皆さんのご参加をお待ちしています。
・当日連絡先:山口真理子(TOAFAEC事務局)090-1548-9595
 ※今回は会場の都合で、参加予定の方は事前にご連絡いただけると助かります。
  参加申し込み→ringox@nifty.com(江頭)
■報告 (石川 敬史、Sat, 29 Dec 2018 06:49)
・出席者(敬称略):井上恵子,上平泰博,江頭晃子,金亨善(東大・院),小林文人,高木久史(ワーカーズコープ、初参加),武田拡明,ハスゲレル(首都大学東京),真壁繁樹(立川市民大学),山口真理子,林忠賢(東大・院),石川敬史
・内容:2018年最後のTOAFAEC定例研究会(第257回)。そして久々の東京社会教育史研究フォーラム(第43回)。寒い寒い日でしたが,会場のイーストビレッジ内は熱気に包まれていました。ワンドリンクを片手に,まずは小林文人先生より23区の社会教育の歴史,他方で東京を牽引するまでに積み重ねられた板橋の社会教育の歩みなど,本日のテーマの意義をお話いただきました。
 そして,齋藤真哉さんからは,「市民主体の社会教育運動をどう拡げるか」というテーマで報告。ご自身の社会教育主事としての歩み,板橋区の財政の特徴(歳出:扶助費・民生費・義務的経費の割合がいずれも23区中1位),板橋区教育長による「板橋フィロソフィー」の作成・教職員の意識改革と「学び続ける」指針の明確化,「SDGsいたばしの集い」(2019年3月23日,18:30-21:00,板橋区立文化会館大ホール)への歩み,市民のSDGsに関わる運動に関与しない板橋区・教育委員会などなど,盛りだくさんの内容を熱く熱く語っていただきました。
 こうした背景には,町会加入率6割を超える板橋の特徴,板橋区の財政状況と区民との協働,国際ボランティア年(2001年)を契機に大原社会教育館がボランティアの拠点となった活動の積み重ねがあったとのこと。とりわけ,齋藤さんが「小文字」で語るボランティア団体や町会の方々,学校教育の現場への思いから,常に住民に寄り添い続け,学びを拡げ続け,ネットワーク化を持続する「芯」を感じることができました。
 続けて,佐治真由子さんより「市民主体の社会教育運動をどう拡げるのか」というテーマで報告。ご自身も運営委員会委員として関わる「ひろがれ!ピース・ミュージアムいたばし」の事例,さらには元板橋区大原社会教育館指導員のご経験も踏まえながら,住民の生活圏としての「ミクロな地域」とともに,特定の学習テーマを基盤に板橋区という行政域をこえた人のつながりの集積地という「マクロな地域」という、板橋の社会教育運動の位置と意義を指摘しました。特に,配布資料「平和の拠点づくりにつながる板橋区民による学習と活動の素地」は,1972年の「ともに活きるまちづくり協議会発足」から,2017年の「いたばしピース・ミュージアム構想」まで,板橋の学習活動の系譜を俯瞰できる貴重な資料でした。1980年代から1990年代は学びを軸としたネットワーク化の時代,しかし、2000年代以降は多彩な学習テーマを背景に横のつながりがわかります。
 その後,望年会・乾杯の後,参加者のみなさんから質問の時間となりました。司会の江頭さんの的確なご指名のもと,参加者全員が齋藤さん・佐治さんへ質問。時間を忘れ,気が付けば22時30分を過ぎていました。
 『南の風』(4014号)に,山本秀樹先生(帝京大)より情報提供のありました『公民館学会年報』14号(2017年)の齋藤さん・佐治さんの実践報告論文をご覧いただくと,板橋の社会教育の特徴,さらには社会教育主事の位置がみえてきます。
 なお,「SDGsいたばしの集い」は,2019年3月23日,18:30-21:00,板橋区立文化会館大ホールにて開催。チラシによると,区内のさまざまな団体が参加協力団体となり,板橋区医師会や町会連絡会も後援,多彩な方々により構成される「SDGsいたばしネットワーク準備会世話人」の企画運営により開催されるとのことです。
 くりかえしになりますが,久々の東京社会教育史研究フォーラム。『大都市・東京の社会教育:歴史と現在』(エイデル研究所,2016年9月)刊行から,2年あまり。毎月開催されていたあの時の編集委員会の熱気を思い出しながら帰路へ。本の刊行に続き,各誌に掲載された書評へどう応えるのか。そして板橋の動き。次なる東京社会教育史研究フォーラムの活動の方向性が拓かれた研究会となりました。


54、第42回・2018・5月定例(第250回)研究会ご案内 
     齋藤 真哉(Thu, 10 May 2018 09:34)
<5月定例(第250回)定例研究会ご案内>
日時:2018年5月25日(金)19時〜21時
会場:杉並区高井戸地域センター区民センター第3集会室
報告者:文部科学省障害者学習支援推進室(国立市公民館)井口 啓太郎さん
テーマ:文科省「障害者の生涯学習」と社会教育の施策動向を「内側」から見て
     〜韓国「障害者の平生教育」動向と東京研究との交流・発展に向けて〜
内容:
 4月から文部科学省に出向されている井口さん、所属している障害者学習支援推進室では、学習権保障の諸問題について、職員とは正面から議論できる環境のようです。省内でも夜間中学と同様、障害者の生涯学習推進施策への期待が大きいことが伝わってくるそうです。そこで、井口さんには、以下の視点からご報告をいただきます。
・公民館・社会教育職員の経験を踏まえて
・東京研究における議論の蓄積と今後の発展に向けて
・近年展開する「障害者の平生教育」も含め韓国研究との交流の視点から
 活発な意見交換をしたいと思います。テーマに関心のある方、井口さんの文部科学省での活躍に興味のある方のご参加をお待ちしております。はじめての方も歓迎です。
 会場(杉並区高井戸地域区民センター)は、京王井の頭線「高井戸」下車3分。環八を渡ってすぐ(〒168−0072杉並区高井戸東3−7−5 TEL 03−3331−7841)。なお終了後は恒例の懇親会を予定しています。〇「イーストビレッジ」03-5346-2077。当日の連絡先は、山口真理子さん(事務局長、09015489595)。
250回定例会・報告・井口啓太郎さん(右) 高井戸20180525


■報告
   松尾 有美,(Sat, 26 May 2018 13:42)
参加者(敬称略):井口啓太郎,江頭晃子、栗山究、小林文人,齋藤真哉,・(セン)
 山口真理子、山本直樹,林忠賢,松尾有美
内容:
 記念すべき第250回定例会では,今年度の4月から文科省の生涯学習推進課障害者学習支援推進室にいらっしゃる井口啓太郎さんを招き,現在国のレベルで進められようとしている「障害者の生涯学習」の施策動向についてお話しいただきました。
 これまで学校卒業後の障害者の学びの機会の保障は,国レベルでの施策ではなされなかったものの,1950年代から各自治体で多様な実践が展開されており,今日までその実践が蓄積されています(詳しくは『大都市・東京の社会教育:歴史と現在』第4章 井口啓太郎・橋田慈子@障害者の社会教育実践の展開)。
 近年の夜間中学をはじめとする基礎教育の保障という議論・施策の延長として,「誰も取り残さない」という視点で障害者の学びが今国レベルで注目されていると捉えることもできるが,なぜ今の時点で?に答える要因を分析することが今後の課題として提起されました。
 一方で韓国の障害者平生教育は,1990年代から始まる民間での実践から保護者団体が立ち上がり,2015年ごろから特別支援教育関係者と協力して,法体制から障害者の平生教育の権利を得ようと働きかけ,その結果として,2016年の平生教育法改正で「障害者平生教育条項」が入り法的根拠をもつようになりました。
 ここで議論となったのは,日本では各自治体の裁量に任されたある意味自由な体制下において,その間で格差が生じながらも多様な実践が展開されているのに対し,韓国では積極的に法改正を働きかけることによって,法律である程度実践の質の統一を図ろうとしているという点です。また障害者生涯学習職員の専門性の問題についても,これから議論を深めていける両国での共通課題の一つとして挙げられました。
 研究会の余韻に浸りながら懇親会へ。今回研究会初参加の帝京大学の山本先生,東京大学大学院博士課程の林さん,そして懇親会は初参加の・さんも交えて,楽しく美味しいひととき。酔いに任せて私も歌ってしまいましたが,真理子さんとの「トゥモロー」は懇親会の楽しみの一つでもあります。来月研究会は記念すべき小林先生の「じんぶんヒストリー」初回!楽しみにしています。

53、第41回・TOAFEAC定例(第242回)研究会のお知らせ
    齋藤 真哉、Wed, 13 Sep 2017
テーマ:東京都の社会教育の現在、これからの展望
報告者:東京都教育庁(社会教育)梶野光信氏
日 時:2017(平成29)年9月29日(金)19時から21時
会 場:杉並区高井戸地域センター第3集会室
*終了後、恒例の懇親交流会(イーストビレッジ)
内 容:
 昨年刊行されました東京社会教育史研究会編『大都市・東京の社会教育 歴史と現在』おいて、「東京都の社会教育行政史」をまとめられた梶野光信さんに東京都(小池都政下)の社会教育の現在、今後の課題・展望をお話しいただき、皆さまと意見交換をしたいと思います。
 梶野さんには「東京都の社会教育行政史」において、東京都の社会教育行政の変遷を描いていただきました。
 特別区は、東京都の社会教育行政の変化に対応して係わり方を変えてきました。1990年代までは、東京都の社会教育行政は、特別区にとってはパートナーであり、「青年の家」は先駆的な取り組みをする半歩先を行く先輩のような存在ではなかったかと思います。
 それ以降は、迷走するランナーのような存在となり、かつ、お互いを利用し利用される関係に変わっていったように思います。「さすが東京都だね」から、「なんだ東京都か」という感覚に変わっていきました。
 勿論、地方分権により、広域自治体と基礎自治体の関係が変わったことは承知の上にしても、かつての期待の裏返しのような感覚になったと思います。特別区から見て、東京都はなぜ変わったのかと同時に何を変えなかったのかとい
うことを梶野さんの文章から理解することができました。
 さて、今回は、東京都の社会教育行政の将来についても梶野さんに語っていただきましょう。
 次の10年は、東京都と特別区はどのような関係が創れるのかを楽しみにしています。そして、特別区だけでなく東京都の社会教育行政が三多摩の社会教育行政・公民館、市民活動との関係をどのように創っていけるのかについてもえあってみたいと思います。
 皆様のご参加をお待ちします。初めてのご参加・大歓迎です。

52第239回(5月定例)研究会 - 祝!新韓国本出版・東京研究からの発言
               (井口啓太郎、Tue, 16 May 2017 17:56)
 「風の部屋」で議論を重ねて作ってきた『大都市・東京の社会教育』の出版から早9か月ほどが経過しました。書評などでの紹介・評価もいくつか出てきている中、この間休止状態だった東京研究フォーラムの今後や東京研究の課題を見つめ直す時期を迎えているように思います。また同じく「風の部屋」で練り上げられてきた『躍動する韓国の平生教育』もエイデル研究所からいよいよ出版と伺っています。
 そこで、5月のTOAFAEC 定例研究会では、それぞれの出版を記念しつつ、編集実務を担ってきた東京研究フォーラムと韓国研究フォーラムの研究交流ができないかとの提案がありました。TOAFAEC 年報22号では、「東アジア・教育改革から20年」の特集も予定されているとのこと。日本・東京の社会教育・公民館はこの20年、極めて厳しい時代を迎えてきたなかで、例えば比較研究の視点から“躍動20年”を歩んできた韓国・都市平生教育などの動向に学び、共通性や展望を探れないだろうかとも。東京研究からは、「東京研究の課題とこれからに向けた視点」をやや大胆に提起しながら、そうした「対話」を始めていく一歩になればと期待もしています。
・日時:2017年5月26日(金)19:00〜21:00
・内容:東京研究と韓国研究、それぞれの到達点と研究交流に向けて
(1)「東京研究の課題とこれからに向けた視点―『大都市・東京の社会教育』を通して」
  斎藤真哉さん(東京フォーラム事務局長・板橋区)、井口啓太郎(国立市公民館)
(2)「韓国・教育改革20年の展開―『躍動する韓国の平生教育』」
               韓国研究フォーラム・李正連さん(東京大学)ほか
(3)東京・韓国二つの大著出版を担当して 山添路子さん(エイデル研究所)
・会場:杉並区高井戸地域区民センター第5集会室
・終了後(21:00〜)出版お祝い会:イーストビレッジ 03-5346-2077
  当日の連絡先:山口真理子(TOAFAEC 事務局)TEL090-1548-9595
*報告(南の風3840号 2017年5月28日) 橋田慈子(筑波大学・院)
参加者:13名(敬称略):小林文人、山口真理子、井上恵子、斎藤真哉、的野信一、上田孝典、李正連、井口啓太郎、山添路子、江頭晃子、呉世蓮、藤田美佳、遠藤輝喜(懇親会)、橋田慈子
テーマ:新『躍動する韓国の社会教育・生涯学習−市民・地域・学び』刊行記念!東京研究と韓国研究、それぞれの到達点と研究交流に向けて
内容:昨日(5月26日)は韓国フォーラム・東京フォーラムの同時開催という記念すべき会に参加させていただき、誠にありがとうございました。とても勉強になり、密度の濃い四時間でした。
 東京では、社会教育行政の貧困さがありながらも、それを支える市民や NPO、行政職員が草の根の運動を展開し、時には運動から制度を生み出してきました。東京フォーラムでは、現職の井口さん(国立市公民館)、斎藤さん(板橋区教育委員会)、的野さん(同)のお三方が『大都市・東京の社会教育』にある「10の提言」を踏まえつつ、これからの東京社会教育の展望を語ってくださいました。そこでは、社会教育に関わる職員が施設を出て市民あるいは市民運動とネットワークを結び、「誰も置き去りにしない」、排除しない地域をつくること、そこに学習という要素を取り入れていくことが求められているというお話しがありました。
 懇親会では、エイデル研究所の山添さんが、東京本・韓国本の編集過程を比較しつつ乾杯のご挨拶をしてくださいました。重量感あふれる二冊の刊行、本当にお疲れ様でした。この二つを、学びの糧にしていきたいと思います。
*報告2(南の風3840号 小林ぶんじん)
  5月26日(金)の研究会(239回)は新韓国本の出版を記念して、画期的?とも言える充実した論議となりました。研究会の時間が終わって、お祝いの乾杯の席(イーストビレッジ)でも熱気は続き、とくに板橋区のお二人(斉藤真哉、的野信一)がよくしゃべりました。あふれる思いを吐露するような、たまっている執念を吐き出すような・・・、打たれるものあり。二人の呼吸はぴったり、それぞれの話が合体してひとつのストーリーが紡ぎ出される、稀有の相棒。
 当日の私の興味は、韓国の李正連さんのお話「韓国・教育改革20年の展開」と東京の「この20年の社会教育の歩み」がどのようにクロスするかという点にありました。韓国の躍動と東京の停滞・解体の20年。それぞれの制度・行政の対照的な展開。しかし視野を拡げて、市民やNPOの学びや活動の展開を含めてみると、韓国・東京それぞれの鼓動が聞こえてくる。板橋のお二人の息の合った報告はその点で意義深いものがありました。
 あらためて、東アジアへの拡がりのなかで、多元的にとらえること、複眼的に考える視点の大事さを教えてくれた一夜でした。

51 第39回「大都市の社会教育・研究と交流のつどい
        井口啓太郎(Thu, 13 Oct 2016 15:34)
 TOAFAEC9月定例会・イーストヴィレッジでの出版お祝いの会(9月30日)の席で、少しご案内をいたしましたが、11月12日(土)に、国立市公民館にて「第39回大都市の社会教育・研究と交流のつどい」が開催されることになり、その初日の研究のつどいで『大都市・東京の社会教育―歴史と現在―』を取り上げていただけることになりました。
 「大都市研のつどい」については南の風にもご案内がありましたが(前号)、編集委員会からは梶野さんと井口が、本つどいに登壇させていただきたいと考えております。梶野さんは東京都の歴史に触れながら、大都市社会教育や都道府県社会教育の課題と役割について。井口は終章を中心に都市公民館の展望に触れながら、もうすぐ刊行される「月刊社会教育」座談会などでの議論を紹介したいと思います。
 その他、上田幸夫さん(日本体育大学) ,内田光俊さん(岡山市)らからコメントが寄せられることになっており、実質的に本書合評会といえる内容になっています。
 また、この集会は東京都公民館連絡協議会の研修にも位置づけ、多くの三多摩の関係者にもお越しいただこうと思っております。またエイデル山添さんらに本書販売体制も整えていただきました。ぜひ本書編集委員会のみなさんにもご参加いただきたく、よろしくお願い申し上げます。
■「第39回大都市の社会教育・研究と交流のつどい」
○研究のつどい 於:国立市公民館・地下ホール
 「大都市社会教育の未来を拓くために〜『大都市・東京の社会教育―歴史と現在―』から考える」
 東京都社会教育史編集委員会編『大都市・東京の社会教育―歴史と現在―』(エイデル研究所、
 2016年)を素材に、執筆者からの報告と、つどい関係者からのコメントを受けながら、これからの
 大都市社会教育について考える。
日時:11月12日(土)14:00〜16:30
司会進行:石井山竜平(東北大学) ※フォーラム形式で実施
登壇予定候補者:梶野光信(東京都教育庁)、井口啓太郎(国立市公民館)、上田幸夫(日体大) 、
            内田光俊(岡山市)、未定(大阪市)
○交流のつどい 於:国立駅近くのお店 ※当日案内予定(懇親会費5,000円)
※大都市研の研究集会は13日にも予定されています。

50、
『大都市・東京の社会教育―歴史と現在―』出版祝いの会(第38回研究会) 
     
井口啓太郎、(Fri, 9 Sep 2016 10:55)
 『大都市・東京の社会教育―歴史と現在―』の反響が【南の風】にも寄せられ、編集に関わった一人としては本が拡がっていく嬉しさもありますが、今後はさまざまな評価も寄せられることと思います。多くの課題を残しながらの出版でしたから、それはむしろ当然のこととして引き受けながら、次のステップへの足掛かりにしたいものです。
 実はすでに「月刊社会教育」11月号での『大都市・東京の社会教育―歴史と現在―』を取り上げた座談会企画が先日開催され、井口も参加させていただきました。これから編集作業なので内容報告は「月刊」発刊を待ちたいと思いますが、ここでもいくつかの課題が指摘されたところです。
 また、秋には「大都市の社会教育・研究と交流のつどい」でもこの東京本を取り上げていただけるとのお話も聴いています。それぞれ楽しみですが、その前に、ようやくまとめた本書、まずは奮闘した関係者の労苦をねぎらい出版を祝う場、さらに言えば編集委員会、出版社、執筆者だけでなく、読者を含めて一同が集まり、発刊までの想いを語り合い、手に取った読者からも最初の感想をうかがえるような、そんな場を持ちたいとの声も。
 8月末、全国集会「この指とまれ」の集いもありましたが、執筆者への案内が十分ではなく、編集委員会と全国集会参加者での内祝いのような雰囲気でしたので、仕切り直して今回はTOAFAEC第231回研究会との合同企画として、編集委員会事務局で以下企画しました。
 はじめはちゃんと会場を確保した研究会をと思いましたが、予約が取れなかったこともあり、最初から馴染みの「イーストヴィレッジ」を貸し切り乾杯しつつ、と思います。どうかみなさまにはご了解いただき、多くの方々にお集まりいただきたいと思います。また近刊『躍動する韓国の社会教育』編集中の韓国研究フォーラムの皆様にもご参加いただければ幸いです。
・日時:2016年9月30日(金)19:00〜21:00
・会場:高井戸「イーストビレッジ」(レストラン)
電話Tel 03-5346-2077  
 住所:杉並区高井戸東2-29-23-108 *井の頭線「高井戸」駅から徒歩2分。 駅改札(1ヶ所)を出て右へ。
     歩道橋で環八を渡り、降りて線路をくぐる。神田川傍のマンション(裏側)1階。

・内容:執筆者(梶野光信さん・東京都教育庁ほか)、
関係者、読者「一言スピーチ」など
・会費:3,000円前後(学割あり)
・当日の連絡先:山口真理子(TOAFAEC 事務局)TEL090-1548-9595



東京本・出版お祝いの会、撮影・江頭晃子さん(イーストビレッジ、160930)


★報告 橋田慈子(筑波大学大学院、Sun, 2 Oct 2016 13:16)
 <TOAFAEC 定例(第231回)研究会と合同>、
○『大都市・東京の社会教育―歴史と現在―』出版記念パーティ
参加者(順不同・敬称略):小林文人、野々村恵子、横山文夫、上平泰博、山口真理子、高井正、
 梶野光信、小田切督剛、山添路子、江頭晃子、井口啓太郎、石川敬史(司会)、栗山究、橋田慈子
内容:2016年9月30日が発売日となる本書の出版を記念して、高井戸のイースト ヴィレッジで出版記念のパーティが開催されました。ご参加くださいました皆様、遅くまでお付き合いくださいましてありがとうございました。韓国生涯学習研究フォーラム(同フォーラム編『躍動する韓国の社会教育・生涯学習』エイデル研究所より来年春・出版予定)から小田切督剛さんが出席してくださり、およそ4時間にもわたって本書を巡る熱い議論が交わされました。
 まずゲストスピーカーの梶野光信さん(東京都庁)からのお話がありました。梶野さんは「行政評価」が導入されて以来、たしかに東京の公的社会教育は縮小してきたものの、同時に豊かなNPO活動が生まれてきた点を指摘されました。
 上平泰博さんからは、本書のオリジナリティは民衆の立場から社会教育史を描いた点にあることを確認されましたが、NPO 活動をそのなかに十分に位置づけることができなかった点が課題として残されているという指摘。さまざまのご意見は興味深いものがありました。さらに、小林先生からは、戦前、行政の範囲外にあった民衆による豊かな社会教育実践(隣保館やセツルメント、労働組合や協同組合など)への「大都市」らしい展開が見られたが戦後史としては、その視点からの研究取り組みがなかった点が心残りというお話しがありました。課題は残されましたが、次へのステップとなることへの期待が大きい!
 さて、「月刊社会教育」11月号には早速、本書を巡る若手メンバーの対談が掲載される予定になっています。本書と合わせて、多くの皆様にご覧頂ければ幸いです。宴もたけなわとなって、山口真理子さん、山添路子さんなどから味わい深い歌がいくつも出され、思い出にのこる夜となりました。
10時過ぎ遅れて参加した栗山究さん(奥)を歓迎して何度目かの乾杯!(160930)



49.この指とまれ全国集会2日目−東京社会教育史を語る
              *井口啓太郎(Wed, 3 Aug 2016 15:56
 みなさま、蒸し暑い日が続くなかの校正作業、本当にお疲れ様です。社会教育研究全国集会(第56回、東京・明治大学)二日目8月28日(日)18〜20時に開催される自由交流会「この指とまれ」で、集会に合わせて出版される『大都市・東京の社会教育−歴史と現在』(エイデル研究所)刊行記念企画第1弾として以下の集いを企画しました。よろしくお願いします。
○この指とまれ「東京・社会教育史を学ぶ・交流するつどい」
    ―『大都市・東京の社会教育』刊行記念特別企画―
 本集会開催地・東京の戦後社会教育のあゆみをまとめた『大都市・東京の社会教育―歴史と現在―』(エイデル研究所、定価4,500円、特価3,500円)が今夏(全国集会に合わせて)刊行されます。大都市ゆえにさまざまな課題を抱え、他方で多様な実践の蓄積がある東京の戦後70年の変遷、トピックを収めた本書のエッセンス(裏話?)を、編集代表・小林文人さんが語ります。本書のメッセージ「社会教育の“復権”」に向けて、参加されるみなさんと自由に議論・交流できればと思います。どなたのご参加も大歓迎です!
日時:全国集会2日目・8月28日(日)18〜20時
会場:全国集会=明治大学駿河台キャンパス・リバテイタワー校舎内
ゲスト:小林文人(同書編集代表、東京学芸大学名誉教授)
呼びかけ:井口啓太郎、石川敬史、江頭晃子、齋藤真哉、野々村恵子
     (同書編集委員会事務局) 連絡先:090-4620-4643(井口携帯)


★報告 石川 敬史(Tue, 30 Aug 2016 01:43)
・参加者(敬称略):井口啓太郎、石川敬史、江頭晃子、大園早紀、川口博敏、小林文人、齋藤真哉、
 関本保孝、高井正、野々村恵子、橋田慈子、平島幹子、山添路子、横山文夫
・内容 全573 ページ,ずっしりと重みのある『大都市・東京の社会教育−歴史と現在−』(エイデル研究所)が刊行されました(書店流通は9月末から)。東京で開催された社会教育研究全国集会(第56回)にあわせた刊行。全国集会の2日目の夜,刊行記念特別企画として「この指とまれ『東京・社会教育史を学ぶ・交流するつどい』」を開催しました。
 事務局長の齋藤真哉さん進行のもと、自己紹介に続き、編集委員会委員長の小林文人先生より、本書が刊行されたことによって見えたこと,意義と展望等について熱くお話いただきました。
 第一に,通史編の意義について,東京都の行政史・施設史という歴史と同時に,多摩を中心とした市民活動史・実践史の大きな流れを描いた点です。国の生涯学習施策から社会教育停滞の理由と背景、その東京の経過を歴史的に描き出したこと,だからこそ,社会教育への復権・方向づけをともに考える必要性を指摘されました。
 第二に,本書の厚さにみられるように社会教育の多様性と,そこに貫かれたものの重要性です。本書は数多くの当事者が執筆しつつも,東京社会教育の資料が散在してしまい,十分な資料を収集・保存できなかった点にも触れられながら,社会教育行政の狭さの一方で,児童館や識字・夜間中学そして文化活動などを含めた幅広い地域の学びと市民の豊かな活動を描いている点です。
 第三に,その一方で,残された課題として,職業教育や労働者教育について,本書ではほとんど触れられていない点です。職業訓練関係や労働組合や組合の文化活動も含め,以前より小林先生は研究会にてこの点の重要性を指摘されていました。これからの課題です。
 第四に世代論についてです。本書は単なる思い出話しとして歴史が回想されるだけでなく、市民「記憶」の「記録」化、資料と史実をもとに「記録」される意義を強調されました。戦後70年を経過した今,日本の社会教育は世代論が弱いという指摘です。本書の最終章「東京社会教育10の提言」は次の世代へのステップとして大きな意味があることを説かれました。
 この指とまれには,本書執筆者(識字・日本語教育)の横山文夫さん(NPOアイネット・エデュケーションズ),夜間中学の関本保孝さんだけでなく、東京の社会教育・青年活動に関わってこられた川口博敏さん(東京都青年団体連合・会長)や平島幹子さん(君津市八重原公民館),そして山添路子さん(エイデル研究所)、そのもとで本書の刊行にご尽力いただいた大園早紀さん(エイデル研究所)にもお集まりいただきました。小林先生のお話の後,お一人ずつ本書への思いや感想などを自由に語り合い,あっという間に20時をむかえてしまいました。(終了後の「放心亭」での懇親会は,【南の風】3717号→■に小林先生よりご報告いただきました!)
 本書が刊行され今後はどのように読まれていくのか,さらに次なる課題とは何かを検討する必要があります。次回のTOAFAECの9月定例研究会(9月30日・金曜日)は,改めて本書刊行記念の集いを予定しています。
 最後に,本書刊行にあたり,エイデル研究所の山添路子さんには,多大なるご尽力をいただきました。ありがとうございました。【南の風】3714号にも山添さんより連絡があります通り,現在は特価扱い(本体価格4500円税別→税込3500円)にて販売しています。この機会にぜひご購入ください。よろしくお願いいたします。
全国集会・この指「沖縄を囲む」「東京社会教育史」合同の懇親会、江頭晃子さん撮影(神田放心亭、160828)


48.校正会議A(第36回)ご案内  井口啓太郎(Mon, 25 Jul 2016 13:32)
 <『大都市・東京の社会教育−歴史と現在』校正会議A ご案内>
 いよいよ標記『大都市・東京の社会教育−歴史と現在』の出版に向けて、大詰めを迎え、あわただしく校正作業が進行しています。編集委員会は、下記の日時で編集委員会による再校正の作業(全原稿のゲラ読み)と、索引等協議事項の検討会議を行う予定です。
 編集委員、執筆者のみなさま、ご多忙の折に誠に恐縮ですが、御出席のほど何卒よろしくお願い申し上げます。会場はエイデル研究所の会議室にて、お間違いのないように、お願い申し上げます。
○日時:7月31日(日)13時〜順次再校正作業、18時〜協議事項の検討会議 (20時頃終了予定)
 会場:潟Gイデル研究所(〒102-0073 東京都千代田区九段北4-1-9)
 TEL:03-3234-4641)※地図は以下URLからご参照ください。
 http://www.eidell.co.jp/web/images06/map_eidell.PDF
★校正会議Aご報告
(井口啓太郎、Mon, 01 Aug 2016 10:11)
 7月31日)はお疲れさまでした。取り急ぎ以下の通り、報告を書きました。
○『大都市・東京の社会教育―歴史と現在―』校正会議A
日時:7月31日(日)13時〜22時
会場:エイデル研究所会議室
参加者:井口啓太郎、石川敬史、江頭晃子、大山宏、栗山究、小林文人、齋藤真哉、高井正、
     野々村恵子、橋田慈子、山添路子
 昨日、時間にすると9時間(!)にわたる『大都市・東京の社会教育―歴史と現在』再校作業及び検討会議、ご出席いただいたみなさま本当にお疲れさまでした。
 予想はしていたものの、500頁を超える大著のゲラ読み・校正は大変な作業。いつもの事務局メンバーに加えて、編集委員、応援部隊も加わっていただきましたが、到底最後まで読み切ることはできませんでした。18時30分からは、目次表記、終章・提言の初校確認、索引キーワード検討作業など、これも22時まで集中的な議論を続けました。ほとんど休むことなく、食事も取らず(都知事選結果に目もくれず)、ぶっ通しの作業でしたので、みなさんお疲れのことと思います。私も夜食も取らずにばたっと寝るほど集中した、切羽詰まった作業でもありました。恐らくエイデル・山添さんは、今後も寸暇を惜しむ追われる作業の日々、編集委員会ももうひとふんばりしなくてはいけません。
 校正会議B 明日(8月2日)も事務局の一部メンバーはエイデルで再校の集約作業をします。また、今度こそ最後の最終校正を8月8日(月)18時30分から行います。しかし、井口はどうしても8日夜は都合がつかなくなってしまいました。前後(9日午前?)に時間を作って、校正作業は反映できるようにいたします。みなさま、引き続きどうぞご協力のほど、よろしくお願い申し上げます。

47.第35回研究会・『大都市・東京の社会教育−歴史と現在』校正会議@案内
       *井口 啓太郎(Thu, 7 Jul 2016 23:50)
 みなさま、校正作業を各執筆者進められていることと思います。さて、編集委員会では、すでにご案内をしております、7月10日(日)の校正会議@について、本日山添さんと詳細をご相談し、以下のように実施したいと思いますが、いかがでしょうか。
 今回は執筆者校正中のため、すべての原稿を読んでいく作業ではなく、目次、はじめに、おわりに、編集委員会構成、全国集会・この指とまれの企画等の検討など主に協議中心になる見込みから、会議2時間とさせていただきたいと思います。
○『大都市・東京の社会教育−歴史と現在』校正会議@( Fri, 8 Jul 2016)
日時:7月10日(日)15時〜17時
会場:潟Gイデル研究所
102-0073 東京都千代田区九段北4丁目1番9号 市ヶ谷MSビル4階
    TEL:03-3234-4641 FAX:03-3234-4644
    http://www.eidell.co.jp/web/images06/map_eidell.PDF
JR・地下鉄有楽町線「市ヶ谷駅」より徒歩5分 都営新宿線「市ヶ谷駅」より徒歩2分
※靖国通り沿い。麹町郵便局斜向かい。市ヶ谷MSビル4階(1階は「増辰海苔店」という店舗)。
 当日、もし迷われた場合は、山添さんの携帯(090-4172-3026)にご連絡下さい。当日は重要な参院選投票日ということもあり、みなさまご多忙と存じますが、この時間は万障お繰り合わせのうえご出席お願い申し上げます。
校正作業1(いエイデル研究所、160510)


46.第34回東京社会教育史研究フォーラム・ご案内
                 *石川敬史(Wed, 1 Jun 2016 15:26)
 東京社会教育史研究フォーラムは,3月頃から編集の最終局面をむかえ,事務局メンバーも一段と身が引き締まりつつ,これまでに長時間にわたる議論と検討を重ねました。現在は,エイデル研究所・山添さんのイニシアティブのもと,執筆・最終編集のメールのやりとりが続いています。
 次回(第34回)の研究フォーラムでは,前回残された課題として以下の点を検討します。
・「最終章」を含めた原稿の一覧,目次構成,論文タイトルの確認
・写真の掲載依頼状況の確認
・年表,資料編の確認
・「はじめに」,「おわりに」の原稿
 さらに,これらの課題とともに,校正など本書の今後のスケジュールについて山添さんよりお示しいただく予定です。細かい作業や確認が続きますが,最終局面の段階で,改めて執筆者の皆様の思いが込められた東京社会教育史を編む作業の重要性に気がつきます。ご関心のある皆様のご参加をお待ちしております。
・日時:2016年6月9日(木)19:00から
・場所:風の部屋(杉並・西永福)
 *京王井の頭線・永福町駅下車、徒歩6分。駅前・井の頭道路を左(「西永福」駅方向)へ。
   三つ目の信号・永福体育館前の角、中村設計制作ビル3階303号室。
   連絡先→090-7700-7756(小林)

◆報告 井口啓太郎(Tue, 14 Jun 2016 10:23)
・出席者(敬称略):井口啓太郎、大山宏、栗山究、小林文人、野々村恵子、山添路子
 6月9日の編集会議はお疲れ様でした。9日は冒頭、編集委員から寄せられた意見をもとに、「終章・10の提言」の練り直しを行い、一部のリライトと修正を行うことになりました。これが終われば、原稿の入稿は「まえがき」「あとがき」を残すだけ。もう少し。
 すでに山添さんからは、ご連絡がありました通り、出版までのスケジュールは非常にタイトです。これ以上、繰り延べることはできません。編集委員会としては、残りの最終章(提言)の最終調整、年表・統計など資料編の作成・入稿、執筆者住所録作成などの作業を20日(月)を目途に進めていくこととなりました。
 また、入稿後は初校および再校のゲラ校正を編集委員会として行い、索引作りなどを進めるため、以下の日程案を調整しました。
・初校ゲラの編集委員会校正:7月10日(日)10時から16時ごろまで→執筆者校正が済んだゲラ確認
・再校ゲラの編集委員会校正;7月31日(日)10時から16時ごろまで
 会場は、エイデル研究所で集中してやろうとの話も出ましたが、文人先生は介護等のご都合もありますでしょうか。「風の部屋」での校正作業も?
 まず欠席だった齋藤さん、石川さんら事務局陣のご予定はいかがでしょうか。正直みんなが揃って作業ができるのはここしかない、という日程です。本書は東京社会教育の現代史を扱った歴史本。ミスがあってはなりません。校正・校閲作業を編集委員会を挙げて集中的に行いたいものです。
 厳しい日程での大変な作業が続きますが、不思議と楽しい時間でもあるはず。みなさん、ご予定いただき、どうかご協力のほどお願い申し上げます。

45.
第33回東京社会教育史研究フォーラム
・日時:2016年5月15日(日)16:00から
・場所:風の部屋(杉並・西永福)
 *京王井の頭線・永福町駅下車、徒歩6分。駅前・井の頭道路を左(「西永福」駅方向)へ。
  三つ目の信号・永福体育館前の角、中村設計制作ビル3階303号室。
  連絡先→090-7700-7756(小林)
左より小林、山添路子、石川敬史、斉藤真哉、野々村恵子の皆さん、撮影・井口啓太郎さん (風の部屋、160515)


◆報告 石川敬史(Mon, 16 May 2016 16:12)
 出席者(敬称略):井口啓太郎,小林文人,齋藤真哉,野々村恵子,山添路子,石川敬史
 今回の研究フォーラムは,前回(第32回)の1週間後に開催。今回は,各自宿題を持ち寄り,大変密度の濃い編集会議となりました。4月から引き続きの検討が続いていますが,今回の研究フォーラムはまさに最終段階。
 終章「展望」について最終確認,章立ての再構築(目次構成の再検討),そして各タイトルをじっくりと検討。さらには,年表と資料編(統計)の課題を共有したうえで,最後に本のタイトルを議論。前回寄せられたキーワードをもとに,メンバー内で再び議論し,本書タイトルが固まりました。
 章立ての再構築,書名の検討を終えたところで,残す課題は以下の点となりました。→ はじめに(小林)、おわりに(石川,井口)、年表(石川,野々村)、統計(井口,大山)。
 研究フォーラムは,21:00頃終了。なんと5時間近くの集中作業でした。野々村さんより夕飯の差し入れもあり時間を忘れて議論が深まりました。21:00以降は,小林先生,山添さん(エイデル研究所),石川でワインを楽しみ,22時をこえたところで、お開きとなりました。
 次回は,6月9日(木)19:00 から(風の部屋)を予定しています。


44.第32回東京社会教育史研究フォーラムのご案内
                石川敬史(Mon, 2 May 2016 09:31)
 新年度,4月をむかえ心機一転と思いつつも,あっという間に4月が過ぎ去り,連休に入りました。月日の経過が大変早く感じる日々,物事を批判的に,そしてじっくり考える時間の必要性を痛感しております。
 東京社会教育史研究フォーラムでは,皆様からお寄せいただきました玉稿を,野々村恵子さん中心に編集委員会にて鋭意検討させていただき,社会教育研究全国集会(第56回、東京:8/27-8/29)への刊行を目指して最終確認を積み重ねて参りました。今回も開催のご案内が遅くなってしまいましたが,第32回の研究フォーラムでは,エイデル研究所へ入稿する原稿の確認など,以下の最終検討ををいたします。
・原稿の最終確認→入稿へ    ・最終章「展望」最終確認→入稿へ
・署名の検討(前回の宿題)    ・資料編の確認(年表,統計など)
・今後のスケジュールの確認
 まさに今回(第32回)が最終の確認。締切・スケジュールの都合もございますが…,時間をかけて皆様とじっくりと最終検討するため,土曜日の開催とさせていただきました。皆様のご参加をお待ちしています。
・日時:2016年5月7日(土)18:00から
・場所:風の部屋(杉並・西永福)  *京王井の頭線・永福町駅下車、徒歩6分。
◆報告 (石川 敬史、Sun, 8 May 2016 17:04)
・出席者(敬称略):井口啓太郎,江頭晃子,大山宏,栗山究,小林文人,齋藤真哉,佐治真由子,
             山添路子,石川敬史
 最終編集会議の場となった第32回東京社会教育史研究フォーラム。事務局メンバーはじめ多くの方より駆けつけていただきました。開始当初はアルコールを飲まず,終章原稿の最終確認の後,残された課題―以下の点について真剣にじっくりと検討。次回までの取り組みを明確にしました。
・各原稿のタイトルの確認・修正,目次構成・順序の再検討(井口)
・はじめに(小林),おわりに(井口・石川)の原稿着手
・写真の掲載依頼(執筆者へ事務局各担当より)
・最終章「展望」の検討,最終調整(井口)
・年表の最終調整(石川)
・資料編としての統計類(大山)
・書名の確定へ(各自宿題)
 編集会議の中盤からアルコールが入り,さらに議論が深まりました。山添さん(エイデル研究所)より今後のスケジュールの話が出つつも,メンバー一同より良い本にしたいという想いもあり,ギリギリまで検討を積み重ねています。
 次回(第33回)は,1週間後の5月15日の16:00から。前回検討課題(宿題)となった内容を最終確認して,入稿へと進めていきます。
第32回東京史研究フォーラム(160507、風の部屋・西永福) 石川敬史撮影



43.第31回(4月)研究フォーラムご案内  石川 敬史(Wed, 6 Apr 2016 16:26)
 関東の満開の桜も少しずつ散りはじめました。今年は,桜の満開の時期にはっきりとしない天気が多かったような気がいたします。大学には新入生が入学し,学生の活気が戻りました。
 さて,これまでに積み重ねて参りました東京社会教育史研究フォーラムは,大詰めを迎えました。前回の研究会(30回)は,多くの方々にご参加いただき,にぎやかに多くのことを検討することができました。ありがとうございました。
 今回,第31回の研究会では,前回に時間切れとなりました最終章「展望」の最終確認,資料編(年表)の確認,さらには本のタイトルへの議論が残されています。まさに本書全体の原稿提出まで,最終局面です。ゴールがそこまで見えてきています。
 年度始めのお忙しいところとなりますが,最後の力を振り絞り,東京社会教育史研究フォーラムの結成時の志を忘れず,メンバーとともに前に進んていきたいと思います。皆様のご参加をお待ちしております。
・日時:2016年4月15日(金)19:00から
・場所:風の部屋(杉並・西永福)
◆記録 石川敬史、(Thu, Mon, 18 Apr 2016 16:13)
・日時:2016年4月15日(金)19:00〜22:00
・場所:風の部屋(杉並・西永福)
・出席者(敬称略):井口啓太郎,大山宏,小林文人,齋藤真哉,野々村恵子,石川敬史
 熊本地震にて被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。熊本には,大学院時代の一つ上の学年の先輩や,私が図書館員時代に親しくしていた什器関係の企業関係者がおります。Webには図書館の被害状況をまとめるサイトなども出てきております。大変心配です。
 さて,4月15日(金)に第31回東京社会教育史研究フォーラムを開催いたしました。まさに最終局面の研究会。最終作業となりました。
 野々村さんのお力により,ほぼ全て揃った原稿の再々確認,さらには最終章「展望」について執筆内容の最終確認・議論(井口さんの整理),年表の確認,資料編の進捗状況,本書タイトルへの議論など数多くの課題について,ワインを口にしながら検討しました。
 野々村さんよりお持ちいただいた「たけのこご飯」により,(参加のみなさんが空腹でしたので)議論への活力になりました! ありがとうございました。
 約3年半にわたる本書への数々の議論。私自身は,図書館関係者という立場ではございましたが,東京社会教育を牽引された方々のエネルギーを大いに感じることができました。
 次回は,本論原稿以外の年表,資料編や本書タイトルの最終確認となります。現在のところ,5月7日(土)18:00から「風の部屋」を予定しています。次回は必ず写真撮影を,と思っています。


42.
第30回(3月)研究会ご案内 
(石川敬史、Sun, 6 Mar 2016 14:39)
 暖かい季節がやって参りました。東京社会教育研究フォーラムも30回目の研究会をむかえることとなりました。皆様からのお力をいただきながら,事務局メンバーも多忙の中,なんとかコツコツと積み重ねてきた研究会。多くの方々に原稿をご執筆,さらには研究会にご参加いただき,改めて感謝申し上げます。
 この間は、とくに野々村恵子さんにもご尽力いただきながら、最終章の原稿確認と,執筆者の皆様による原稿の再確認を鋭意行いました。2月の研究フォーラムにて,本書の編集に対して,さらに気を引き締めることを事務局一同痛感いたしました。
 さて,3月は大変重要な研究フォーラムとなります。本書の刊行まで時間が迫って参りました。大切な時間を有意義に活かしていきたいと考えております。
 第30回の内容は以下の通りになります。
・文章化された終章の原稿確認と再検討
・前回積み残した原稿の再確認
・資料編(年表を含む)の作業スケジュール
・書名の検討 など
 具体的な話を進め,検討内容も最終局面をむかえつつあります。ぜひとも皆様のご参加をお待ちしております。
・日時:2016年3月9日(水)19:00から
・場所:風の部屋(杉並・西永福)
                                  *石川敬史・撮影


◆記録 石川敬史、(Thu, 10 Mar 2016 15:56)
出席者(敬称略):井口啓太郎,石橋豊之,江頭晃子,大山宏,栗山究,小林文人,齋藤真哉,
            野々村恵子,山添路子,石川敬史
内容:原稿の再確認,最終章「展望」の最終論議、資料編の検討
 第30回の東京社会教育史研究フォーラムは大変にぎやかな会となりました。若い方々も参加。時間を忘れました。石橋豊之さんは,現在は筑波大・院,4月からは稚内北星学園大へ着任予定。研究会開始早々からお祝いの乾杯。大変話が弾みました。加えて大山宏さん(東京大・院)、そして栗山究さんも参加。
 研究会では,まず本書の原稿(各章・節)の再確認の後,資料編について検討しました。年表につきましては,野々村さん,石川(図書館に比重)がそれぞれ作成中の年表をもとに,全体を「世界・日本」と「東京」の2区分程度とし,4-〜5頁程度にまとめることになりました。これに社会教育・公民館部分と博物館部分を詰めて加えていくこととなりました。
 続いて,最終章「展望」の原稿の検討に入りました。前回検討できなかった齋藤さん担当の各項目をじっくりと論議。現状を追認するのではなく,もっと夢を語ること,歴史の積み重ねをしっかりと踏まえながら展望を書くこと,10項目の流れを再確認し、各項目15行程度に収めること、など話し合いました。
 そして最後に,本書のタイトルの検討。「東京社会教育」という言葉を軸にどのような表現の書名にするか、最終決定まで楽しみが残ることに。ここて時間切れとなりました。
 今回の研究会は,盛りだくさんの内容でした。次回は,4月15日(金)19:00から「風の部屋」となります。提出された原稿の総確認、書名の決定、資料編の確定など最終段階の作業に取り組みます。本書刊行まで残りわずか。まだまだ課題を残していますが、詰めの作業を頑張りたいと思います。まさしく最終局面、残された時間を大切に,皆様のお力をいただきながら,進めて参ります。


41,第28回(1月)・第29回(2月)−東京社会教育史研究フォーラムご案内
                 石川 敬史(Mon, 25 Jan 2016 06:45) 十文字学園女子大学
 日本列島大寒波にて,朝晩,肌が痛くなるような寒さとなっています。2016年をむかえましたが,あっという間に1月の下旬となってしまいました。
 さて,2016年初回の東京社会教育史研究フォーラムのご案内です。2012年9月の第1回から数え,今回で第28回目をむかえます。皆様のお力をいただきながら,少しずつ積み重ねて参りました研究フォーラムも2016年を迎え、これまで以上に事務局メンバーの力が求められる時期となりました。事務局長・齋藤さんを中心に,身を引き締めて鋭意進めて参ります。本年もよろしくお願い申し上げます。
 前回研究会(第27回、12月22日)では,最終章「展望」の執筆担当者の原稿を検討いたしました。今回(第28回)は,前回検討を踏まえ,修正した「展望」原稿を執筆担当者から再び報告していただく予定です。
 当初の予定では,第28回を1月27日の16:00から開始とし,最終章「展望」部分の検討とともに,本書全体の原稿の確認(編集会議)などを行う予定でしたが,事務局メンバーの都合によりまして,以下の2回に分けて設定させていただきました。第28回,第29回の続けてのご案内となりますが,皆様のご参加をお待ちしております。
○第28回 最終章の検討
・日時:2016年1月27日(水)19:00〜21:00
・内容:最終章「展望」の原稿確認・検討
・場所:風の部屋(杉並区永福 3-50-11-303)
○第29回 編集会議
・日時:2016年2月6日(土)18:30〜21:00
・場所:風の部屋(杉並区永福 3-50-11-303)
・内容:原稿全体を踏まえたリライト原稿の検討
◆記録1・第28回 石川 敬史(Sun, 31 Jan 2016 05:22)
出席者(敬称略):井口啓太郎,栗山究,小林文人,齋藤真哉,佐治真由子,野々村恵子,
            山添路子,石川敬史
内容:最終章「展望」原稿の検討・確認
 今回(第28回)の研究フォーラムは,前回(第27回),さらには前々回(第26回)と検討を積み重ねてきました最終章「展望」部分の原稿を検討しました。
 これまでと同様に,執筆分担者である小林先生,野々村さん,齋藤さん,井口さん,石川がそれぞれ報告しました。アルコールが入りながら,単なる各自の報告には留まらない活発な意見交換。細かい表現,用語の使い方・意味をはじめ,まとめる方向性,事例に対する捉え方や展望など,今回もメンバー内にて忌憚のない意見交換ができました。頭の中だけで作文する提言・展望ではなく,東京の社会教育の歩み、歴史を掘る作業の中から「未来」を語る提言・展望を試みたいこと,理念だけでなく歴史という事実から出発することを改めて再確認いたしました。
 前回に引き続き今回の研究フォーラムも,山添さん(エイデル研究所)にお越しいただき,さらに,佐治さん,栗山さんにも駆けつけていただき,活発な意見交換に加わっていただきました。ありがとうございました。
 みなさんのお力により,最終章「展望」の方向性が定まりました。今後は,「展望」のさらなる推敲(前文や最後の文章)とともに,資料編や年表を確実に積み上げる必要があります。
 次回(第29回)は,先にご案内申し上げました通り,2月6日(土)に開催いたします。場所は「風の部屋」となりますが,若干時間の変更がございます。以下の通り,2部の構成とさせていただきました。
★2月6日(土)15:30から−最終章「展望」の検討  
         18:30から−編集会議(原稿全体の確認),資料編の検討
 今回,研究フォーラム終盤にて,エイデル研究所・山添さんより今後のスケジュールをお聞きしまして,一同,アルコールの酔いから一気にさめました。2月以降,さらに気を引き締めなければならないと痛感いたしました。今後とも引き続きよろしくお願い申し上げます。

◆記録2・第29回 石川敬史(Tue, 9 Feb 2016 07:16)
日時:2016年2月6日(土)15:30〜21:00  場所:風の部屋
出席者(敬称略):井口啓太郎,小林文人,野々村恵子,石川敬史
内容:提出原稿の再確認  前回(第29回)は,山添路子さん(エイデル研究所)より今後のスケジュールが示され,改めて本研究フォーラムも終盤を迎えたことを痛感しました。しかし,まだまだ詰めていく作業があります。今回の研究会は,事務局長・齋藤真哉さんが欠席にて,最終章「展望」の確認まではできませんでしたが,少人数で長時間じっくりとひとつひとつ,皆様からお寄せいただいた原稿の再確認を行いました。
 各メンバーが事前に原稿を再確認した内容を踏まえ,今回は『月刊社会教育』にて編集のご経験のある野々村恵子さん中心に進めました。各原稿について取り上げられた項目,内容,題目(章・節のタイトル),表現方法,そして細かい字句まで,ひとつひとつ議論しました。同時に,本書全体の構成(目次構成・流れ)についても検討しました。
 次回(第30回)は,3月9日(水)19:00〜にて調整中です。場所は「風の部屋」。最終章「展望」の確認,資料編(資料,年表)についての確認を行う予定です。詳細につきましては,改めてご案内いたします。今回は少人数となってしまいました。引き続き,皆様のお力をよろしくお願い申し上げます。





拡大編集会議−2014年1月13日(東京社会教育史研究フォーラム・第11回研究会)−詳細■




*第27回までの旧ページ記録

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