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共同研究会のお知らせ

9月27日の報告と10月18日のお知らせ
2009年10月6日

秋学期が始まり、大変お忙しい日をお過ごしのことと拝察いたしております。
この欄は、毎月更新し、報告と次回のお知らせなどいたします。
さて、9月27日は15人の方がお集まりになり、熱心に演習をし、和やかな雰囲気の中で発表をしました。 また、堀口先生と中岡先生の実践報告を伺いました。 ご希望の方には、9月27日のセミナーで、用いた教材は実費にてお分けします。
次回、10月18日は、9月27日の演習を踏まえて、実際に学校現場で実践してみた事を発表し、 語り合います。また、コミュニケーション・トレーニングの演習をおこないます。


9月27日のご報告

―午前中―

担当:

大熊雅士先生

内容:

1.

セルフ・カウンセリングによるリーディングレッスンの実践報告
2年生の国語科の詩の授業で、子どもたちは、自分たちが育てた「さつまいも」の葉っぱを見て触って、 匂いをかいで、味わって、音を聞いて、思って、と六つの感覚をはたらかせ、発見をした事を書きました。 その発見をもとに詩をつくりました。
さらに、まどみちおの「虹」の詩を読んで、後半5文に対して、自分の気持ちを心のセリフという、 かたちで書きました。
子どもたちの「さつまいも」の観察後の詩、また、「虹」の詩についての感想はいずれも、 従来よりずっと豊なものになりました。(子ども達の作品を見せて頂きました。)

2.

リーディングレッスンの演習
当日の参加者の方には、説明文「まど」という短い文を用いて、 「自分の気持ちを心のセリフ」として書きあらわして頂きました。 その上で、小グループに分かれて、全員の方に心のセリフと自分が気づいたことを読んで頂きました。

―午 後―

担当:

生井修先生

内容:

1.

セルフ・カウンセリングによるコミュニケーション・トレーニングの演習
コミュニケーションは、言葉のやり取りですが、言葉の奥には、実は気持ちが潜んでいます。 言葉のやり取りをしながら、実は、気持ちのやり取りをしているのです。 気持ちとは感情や欲求です。まず、欲求の表現について学びました。

2.

先生たちは、子供のやる気を引き出すコミュニケーション・トレーニングのワークシートに取り組んで頂きました。 ワーク・シートに示されている場面状況に対して、 自分が生徒に対して思うだろうことや言うだろうことを書いて頂きました。
次に、生徒の立場に立って、生徒が思うだろうことや、 言うだろうことを書いて頂き、生徒の気持ちを受けとめて頂きました。
そこで、気づいたことをお互いに読みあって頂きました。

担当

渡辺康麿先生

内容

皆さんの質問に答えて

Q.

心のセリフを書くことができない子供の導き方を教えてほしい。

A.

緘黙児といわれている子どもに対するときと同じです。 まず、一対一になって関わる場面をつくります。 できるだけ、子どもが応えやすいように具体的に問い、子どもに答えてもらいます。 子どもが応えたままを書きとめてゆき、それを子どもに読み聞かせます。 「これでいいかな?」と聞き、子どもが「それでいいよ。そのとおりだよ」と言うまで、 繰り返します。子どもは、先生に自分が言ったままを、大事に書いてもらえるので、 自分の気持ちをありのままに先生に受け止められていると感じ先生に話したくなります。 また、先生に読み返してもらうと、子どもはもう少し言葉を付け足したくなります。 子どもが付け足した言葉を、また先生は書きとめてゆきます。 この方法をセルフ・カウンセリング用紙による「書き写し、読み聞かせ」法と呼んでいます。
セルフ・カウンセリングをいかしてこのようにすすめてゆくことで、 教師も落ち着いて、子どもの気持ちを受けとめることが出来ます。

先生方の感想文の抜粋

「今日一日の中で,何回か、書いた後にグループ内で発表し、拍手をした。 自分の話をきちんと聞いてもらえて、とても心地よかった。 教室の子どもたちにも、日常活動として経験させたい。
クラスの中の揉め事の大半は、相手の気持ちを思いやることの欠如が原因になっていることが多い。 つい「相手の気持ちを考えて見なさい」などと説教してしまっている。 シートに自分や相手の気持ちを書くという具体的な方法を知らせる必要を感じた。」
「〜の気持ちを考えるという時、口頭で発表させることはよくあったが、 セルフ・カウンセリングの用紙にしっかりと記述させ、振り返らせるということは、 あまりしてこなかった。しっかり、記述させることで、 気持ちという目に見えないものを自分自身で認識することが出来るようになることがわかった。 感情や欲求を言語化するためには、語彙量も必要である。言語活動の充実が大切なのだと思った。」
「8月5日の、夏期研修以降、自分の授業での、子どもとのやりとりをテーマとしてとりあげ、 セルフ・カウンセリングをしてみた。自分の、子どもに対する見方が180度変わったことに驚きました。 今日は、このセルフ・カウンセリングを授業の中でどう使うかなどを聞きに来ました。 色々な事例を挙げて頂き、助かりました。グループ・エンカウンターのエクササイズもやってきましたが、 今ひとつ、その効果もどうかな、と思っていたところなので、セルフ・カウンセリングのよさを実感しました。」
「生井先生のコミュニケーション・トレーニングのお話をお聞きして、 ソシャルスキル教育の一方法として活用できると思いました。ぜひ、実践を試みたいです。
要望ですが、子どもたちや実習生に、 セルフ・カウンセリングやコミュニケーション・トレーニングをやってもらった時、 効果的なコメントも、記入したり、助言したり出来るようになりたいと思います。ぜひ、ご教授ください。」
「大熊先生の講義を受けて、セルフ・カウンセリングを作文指導の中でどのように取り入れていったらよいか、 というヒントを得ることができました。自分が体験したことから、フォーマットにそって記述させ、 それをもとに詩作りに発展させることで、一人一人の子どもの思いが、ありのままに表現された、 すてきな詩作りができることがわかりました。
また、「詩」を読み取る実践も紹介されましたが、詩は短いので、 セルフ・カウンセリングを読解の中に取り入れる第1歩として有効だと思います」。


次回のご案内

日  時:

2009年10月18日(日曜日)10:30〜16:30

場  所:

東京学芸大学附属世田谷小学校【詳細】
(東京都世田谷区深沢4-3-1)

会  費:

2,000円

持参す:
るもの

筆記用具、自分で子どもに実践してみた教材やセルフ・カウンセリングに取り組んだ記録などです、 なお、お弁当もご持参下さい。(さまざまな学校の方と談笑しながらのランチタイムも楽しいです。)

参  加:
資  格

教職員及び教育実習生、はじめての方もどうぞ
お申込みなくても、参加できますが、教材の用意をしますので、できたら予めお知らせ下さい。


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