2018年のホットなストレージ(前編)

 

恒例の、新しい年に注目すべき5つのトレンドとくとご覧あれ。

Storage Magazine 2017年12月号より
ストレージメディア編集部

 

2017年が暮れ、明けて2018年が始まると、またこの時期がやってくる。新しい年、最も光り輝き最もデータセンターに影響を与えるだろうと我々が考える、データストレージの技術とトレンドを紹介する時が来た。2018年ホットなストレージ技術のはじまりだ。

この15年間というもの、あまりにも未来的なもの、非実用的なものは我々のリストから外してきた。我々はその代りに、有用性と実用性が証明された新規のストレージ技術に対象を絞ってきた。リストに載っているのは、購入とデプロイメントが可能なものばかりだ。

さあ、最前列に座ってくつろいで頂きたい。これから始まる年、ストレージの現場、そしてそこでストレージを動かすプロフェッショナルに最も大きな影響を与えると思われるデータストレージ技術のトレンドを一緒に見て行こう。

 

ストレージ予測分析

ストレージの予測分析は、特化された機能から流行の最先端を行くストレージ技術へと変貌した。この盛り上がりに勢いを与えているのは、オールフラッシュ・アレイの興隆とストレージ容量・パフォーマンスに関するリアルタイム情報(インテリジェンス)への需要の増大だ。

ストレージ予測分析は、従来の階層型ストレージ管理やリソース監視の枠を超えたものだ。
それが目指すのは、大量のデータを運用解析に活用して戦略的意思決定の手助けとすることだ。
Tanejaグループのシニア・アナリストMike Matchettはこう語る。
「ハイブリッドおよびハイパーコンバージド基盤が増大するにつれて、ストレージはもはやそれだけを切り出すことはできない。ストレージは、インテリジェントに管理したり分析したりできるデータセンターのテクノロジースタックから切り離された一要素ではなくなっている。テクノロジースタックをより大きな切り口で検討するためには、より洗練された分析的アプローチが必要だ。」
彼は、元々バッチ中心の処理だったコールホームがいかに進化して、常時リモートの解析と測定を行うツールになったのか、に着目する。
「コールホーム・サポートはクラウドおよびオンプレミスストレージを含むハイブリッドの複雑な構成を扱う能力を持ち、さらに予測用のインテリジェンス・アルゴリズムを適用した順向的自動化へと向かっている。」とMatchettは言う。

予測分析の登場によって、ストレージおよびネットワーク監視ベンダーは、クラウド内にデプロイされた顧客のストレージアレイから何百万もの測定データを常時キャプチャーすることになった。この分析では、ストレージの測定基準を相互に関連付けて物理ターゲット上で稼働している仮想ストレージの振る舞いを監視する。

Nimble Storageは、自社のオールフラッシュ・アレイ上のネイティブサービスとしてクラウドベースの解析ソフトInfoSightをリリースしたことにより、予測分析のパイオニアとして広く認知されている。InfoSightソフトウェアは、2017年の初めにHPEが12億ドルを払ってNimble Storageを買収した際の主要な推進力となった。

他のストレージベンダーも予測解析の市場に参入してきた。彼らが、容量、データ保護、パフォーマンス、システムの健全性を追跡するために遠隔測定機能を追加したことで、予測解析は2018年データストレージの注目すべきトレンドの一つとなった。

予測分析は通常、ケーブル、ディスク、ネットワークカードの不良などの潜在的な問題を特定できる。ハードウェアの問題が検出された場合、ソフトウェアはアラートを送信しトラブルシューティングを行うことを勧める。ユーザーは、コンソールを一瞥するだけで複数の基盤の状況を統合的に把握し、クリックを一回するだけで推奨された対策を適用できる。

アレイベースの解析ツールは、事前に選択されたポリシーに基づいて、ハードウェアの監視以外にも、キャッシュ、CPU、ストレージのサイジングを推奨するまでに成熟してきた。

ストレージ予測分析の重要度が低くなることは、近々にはないだろう。企業におけるビッグデータの展開はもはや好奇心のレベルを超えており、ほぼあらゆる業種の企業がDevOpsモデルをデプロイできるまでに成熟してきた。ネットワークエッジに置かれた大量のデータセットを高速に計算する能力によって、企業はフラッシュストレージ基盤から更なる価値を絞りだせるようになった。

「ストレージベンダーが、自社の顧客ベースの膨大な量のビッグデータを分析できるようになったため、彼らは自社の人工知能と機械学習を利用して、一時間ごとのストレージ需要を予測できる機能を、個々のユーザー企業に提供している。」とMatchettは言う。

Non-Volatile Memory Express (NVMe) SSDやパーシステント(永続的)ストレージクラス・メモリを含むサーバーサイド・フラッシュも、予測分析に影響を与えるだろう。

「将来は、プログラム可能な基盤(伸縮自在なストレージサービスを提供する)として、インテリジェントな管理が必要な、分散・ハイブリッドネットワーク全体に広がる、複数のクラスのメモリーとストレージの大規模なプールが普及するでしょう。これら全てのストレージには、以下のことを実現するために進化した分析機能が必要です。すなわち、ストレージの構成、プロビジョニング、オーケストレーション、パフォーマンスの動的最適化、問題の特定と修正、高価なリソースからほぼすべてを絞り出すこと、です。」Matchettはこう語った。

 

 

 

ランサムウェア対策

ランサムウェアはここ数年大きなニュースになってきた。5月のWannaCryや6月のPetyaやNotPetyaなどの、世界を襲ったこれらのランサムウェアがマスコミの話題を独占する一方で、小規模なランサムウェアはせっせと犠牲者の数を増やしてきた。多くの企業は身代金を払っていないが、ダウンタイムによる被害は身代金を上回ることもある。幸いなことに、バックアップ&リカバリ・ベンダーによるランサムウェア対策は、今まさにホットな技術になっており、2018年注目すべきデータストレージのトレンドのひとつである。

ランサムウェアはデータを暗号化し、暗号解読キーの代金を要求するマルウェアだ。多くの場合、emailの添付ファイルやWebサイトを経由してシステムに侵入してくる。統計によると支払金額には劇的なまでに幅があるが、多いのは数百ドルというケースだ。攻撃者は中小企業から大企業まで、あらゆる規模の会社を狙ってくる。その結果、あらゆる企業がランサムウェア対策と攻撃を受けた場合の復旧について考えざるを得なくなっている。

対策の強度と範囲は様々だ。統合的バックアップはランサムウェアと戦う方法の一つだ。Enterprise Strategy Group主席アナリストのJason Buffingtonはこう語る。「企業はマルウェア検知機能を組み込んだ製品を提供しているデータ保護ベンダーも検討した方がよいでしょう。山火事やサーバー障害からデータを復旧するように、バックアップ製品だけでランサムウェア感染からデータを復旧できる、とベンダーが言うのであれば、ランサムウェアの感染を何らかの形で知らせてくれる機能が付いているのが望ましいです。*訳註」

昨年、バックアップ&リカバリ・ベンダー数社がランサムウェア対策機能つきの製品をリリースした。以下はその中の数例である。

 

Acronisソフトウェアはランサムウェア・ウィルスによる破壊からデータを守るために、機械学習を用いている。同ソフトは、ファイルが破損する前に、アプリケーションの疑わしい振る舞いの検知を試みる。

Druvaは、ランサムウェア監視・検知ツールを同社のエンドポイント・データ保護ソフトウェアInSyncに組み込んだ。

ランサムウェア攻撃からの復旧専用に設計されたアプライアンス、Quorum OnQ Ransomware Editionは、サーバーのスナップショットを取り、サーバーを対象とした復旧を提供する。

Unitrendの物理および仮想アプライアンスは、サーバー、ワークステーション、デスクトップでランサムウェアが活動している可能性を、予測分析を使って判断する。ランサムウェアを検知した場合、ベンダーはユーザーにアラートを送る。その結果、ユーザーは最後の健全なリカバリポイントから即座に復旧ができる。

 

さらに、テープバックアップはそれ自身特にホットな技術ではないかも知れないが、オフラインデータには感染しないという理由から、ランサムウェアからデータを守る安全な方法である。

教育もまた、ランサムウェア対策として重要な要素である。バックアップ&リカバリ・ベンダーはこのアプローチも対策の一つとして取り上げてきた。

 

Arcserveが主催するRansomware WatchとCarboniteのFight Ransomwareは、ランサムウェアに関するニュースとアドバイスを集めたWebサイトだ。

ランサムウェア対策プログラムの一環として、Infrascaleはオンラインのリスク分析クイズを特集して、企業による自らの脆弱性の理解を促進している。

 

ランサムウェアの検知と対策は、まだそれらの機能を提供していない多くのバックアップ&リカバリ・ベンダーにとって、最優先の課題だろう。数ヵ月後には、我々はより多くのランサムウェア対策機能がバックアップ製品に追加されるだろうと予想する。

(後編につづく)

 

 

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