九月九日(火)に第一回の自己発見学校づくり説明会を開催しました。
その時、私は、戦後日本の家庭教育や学校教育の問題性について、お話ししました。
子どもたちが、年々、人格的対話力を失い、反社会化あるいは、非社会化し、人格的対話による自己形成ができなくなってきています、そういう子どもたちの現実を変えようと、文部省は、十年ごとに学習指導要領を改訂して、次から次へと対応策を打ち出してきました。まずは、道徳教育の時間を設定し、つづいて、特別活動の時間枠を増やしました。さらに、子どもたちが忙しすぎるという反省にもとづいて、ゆとりの時間を設定しました。そして、小学校1、2年生に対して、生活科をあらたに導入し、小学校、中学校、高校にいたるまで、総合学習という教科を導入しました。
しかし、どの対策も、問題を解決することには、つながりませんでした。それは、子どもが変わってしまった本当の原因に気づかないまま、対応してきたからなのです。
では、いったい、どうすれば、よいのでしょうか? 子どもたちが人格的自己形成の根本原理に立ち返る必要があります。親や先生から認められるために学ぶのでもなく、また、友達と、同じでありたいために、学ぶのでもなく、さらに友だちより優れたいために、学ぶのでもなく、学ぶことそのこと自体に深い喜びを経験する必要がありまです。本当の学習意欲が生まれてくると、ひとりでに学力がつき、学業成績もあがってゆきます。
セルフ・カウンセリング・マインドが身につくと、困ったときでも、すぐに人に頼らないで、自分の中の問題を持ちつづけてゆく力がついてゆきます。
自分の内と外の、現実をしっかりと受けとめ、自分の中で自問自答してゆく力がつきます。この人格的な自己対話力が、すべての教科学習の基盤になるのです。
私の考えでは、人格形成と学力形成は、切り離すことができません。知育と体育と徳育を切り離すことはできないのです。
子どもたちが、自分の存在の意味を実感できれば、自分やまわりの人を大切にしたい、もっともっと学びたいという気持ちは、自然に生まれてきます。
そのためには、大人たちが子どもたちにセルフ・カウンセリングを手ほどきすることによって、子どもたちが自分を受けとめ、友だちを受けとめ、先生が友だちと対話できるようになることが、何よりも大切です。セルフ・カウンセリングによる自己との対話能力が他者との対話能力をつけ、学習意欲を引き出し、学力をのばしてゆくのです。
「やすまろ先生の話を聞いて、先生がいかに子どもの教育への情熱を持っているかが、ひしひしと伝わってきました」というご感想を数多くいただきました。
続いて、生井校長先生が、ご自身のセルフ・カウンセリングとの出会いや、息子さんにセルフ・カウンセリングを手ほどきした体験をお話くださいました。「ぼくは、別にいいよ」「どうせ、ぼくなんか」が口ぐせだった息子さんが、セルフ・カウンセリングをとおして、自分の本当の気持ちと出会い、生きる意欲を取り戻していったお話をなさいました。付け焼刃の学習なら、だんだん効果が薄れます。しかし、セルフ・カウンセリングでしっかりとした自己対話力の基盤を築いた息子さんは、年々、学習意欲が深まり、学力が上がり続けてゆきました。それだけではありません。何よりも、人との心の交流を大事にする青年に成長して行ったのです。
現在大学生になっている息子さんは、小学生の時のセルフ・カウンセリング経験が、自分の自己形成にとって、どんな意味をもっていたかについて、生井先生あてに手紙を書いてくれました。その手紙からは、息子さんが、部活の部長になって、部員一人ひとりの気持ちを汲みとりながら、みんなをまとめてゆくことができるリーダーになっていることがよく伝わってきました。小学生のときにセルフ・カウンセリングを体験し、大学生になった今を支えているということに、参加者から、驚きと感動の声があがりました。
「来てよかった」「もっと聞きたい」という感想もたくさん寄せられました。
十月二日(木)には第二回目の自己発見学校づくり説明会が開かれました。まず私が、自己発見学校づくりの趣旨を、説明しました。そして、そこから、さらに一歩踏み込んで、子どもたちの自己発見学習のために必要な条件(適切な教材や環境)についても、お話ししました。
次に、樫村先生がセルフ・カウンセリングを小学校で子どもたちに手ほどきした体験をお話くださいました。樫村先生は学会を設立する段階から深く関わってくださっている、現職の小学校の先生です。
十一月十三日(木)には第三回目の自己発見学校説明会が開かれる予定です。第一回目と第二回目の説明会では、指導会員だけが参加しました。しかし、第三回目の説明会には、学会員であれば、誰でも参加できます。午前中は私の自己発見学習法の講義、午後は実習です。セルフ・カウンセリングにもとづく、学校の教科書を用いた読み取りと作文について、実習し、話し合いたいと思っています。
午前、午後、どちらかのご参加でもかまいません。
費用は、教材費込みで千円とさせていただきます。
第三回の申込締切は、11月10日ですが、人数に制限があります。
先着順に受け付けておりますので、参加を希望される方は、お葉書、お電話、ファックス、メールなどでお早めにお知らせください。
お目にかかれますことを楽しみにしています。
場 所: | 東京都・代々木/国立オリンピック記念青少年総合センター
(小田急線 参宮橋駅より 徒歩7分)
会場は当日掲示板でご確認ください。 |
日 程: | 2003年11月13日(木)10:30〜16:30
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問合せ:
申込み | 下記、生涯学習セルフ・カウンセリング学会事務局(自己発見学校づくり事務局)まで、お問い合わせください。
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●この件に関するお問い合せ先
生涯学習セルフ・カウンセリング学会 事務局
〒215-0003
神奈川県川崎市麻生区高石4-23-15
TEL.044-966-0485(平日10時〜17時)
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