1920年代のトリビア
スナップオンの一番最初のロゴはいつから使われた?
ラチェットの原型となったアダプター No.6
ユニバーサルジョイントの始まり
差込口にボールが3つ?
当時の錬金術は?
最初のドライバーは食いつきがいい??
最初の板ラチェットNo.7
MILWAUKEE?それともKENOSHA?
スナップオンの一番最初のロゴはいつから使われた?
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←このロゴが一番最初に登記されたスナップオンのロゴです。
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一番最初にこのロゴが使われたのが、1920年2月2日です。
そしてパテント登録手続きがされたのが1921年3月14日、登録受理されたのが1921年10月18日です。
詳しくはこちらのU.S.
Patent Officeの第291巻をご参照下さい。(外部サイト)
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ちなみにブルーポイントの一番最初のロゴは2つの矢印とBLUEPOINTSと書かれた左写真のロゴでした。
このロゴは1923年9月15日に最初に使われ、1929年12月7日にパテントの登録手続きがされ、登録が受理されたのは1930年5月6日です。
その後、会社名変更(Blue Point Tool Company, Chicago.)に伴い、 が1950年の5月6日に再登録されています。 |
ラチェットの原型となったアダプター No.6
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スナップオンから一番最初に出た「ラチェットアダプター」はこのNo.6です。
正確には「クラッチアダプター」らしいですが、一番最初の「ラチェット構造」を備えた工具です。
(なぜ「クラッチアダプター」と呼ぶかというとギアをかみ合わせた状態で両方向に回転させることができるからです。)
1/2インチドライブでギアの歯数は9、全長は約3.4インチ(約85mm)、直径は約35mmです。
1920年から1923年の間製造されていました。
ボディーの中にスプリングが入っていて、トルクをかけたいときにギアをかみ合わせる様に押し込み、そのまま回転させて使います。
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このラチェットアダプターにあるパテントの表記は「Pat. Pend.」で、1920年7月1日にジョー(Joseph
Johnson:スナップオンの生みの親)がスナップオン創設直後にパテント登録手続きをしました。
そして登録受理されたのが、1923年1月30日であることから、この「Pat. Pend.」表記の物は1920年から1923年までの間の物となります。
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次にギアの歯数が15になり、全長も約78mmと微妙に短くなりました。
ラチェットに記載のパテントは上の物と一緒の「Pat. Pend.」ですので、こちらも1923年以前の物となります。
基本的な構造は上の物と全く同じです。
この2つがNo.6の前期バージョンといったところでしょうか。
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1923年以降のNo.6は取り回しを良くする為に、全長約60mm、直径約32mmと全体的に小さくなりました。
ギアの歯数は15です。
パテントはP. 1-30-23で上に記載した1923年1月30日の物となります。
こちらのモデルはその後、何年間も同じ形で生産されることになります。
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ユニバーサルジョイントの始まり
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スナップオンから最初に出たユニバーサルジョイントはこのNo.8です。
1923年から1926年の間に製造されていました。
最初のユニバーサルジョイントは1/2インチドライブのみで、9/32インチのMU−8、3/8インチのF−8が出てきたのは1933年以降となります。
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3/8インチのF−8
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写真には写っていませんが、1934年のイヤーマークありです
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差込口にボールが3つ?
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創設当時の工具の中には差込口のボールが3個あるものがあります。
一番下の大きなボールはソケットを固定するボール、その若干上にある2個のボールはソケットがそれ以上入らないように止めるためのボールです。
(大きなボールを挟むように写真に写っている小さなボールの反対面にも同じように小さいボールが付いています。)
この構造の物は1920年から1923年の間のみにしか存在しません。
もし3つボールの工具を見かけたならそれは本当にスナップオン創設当初の大変貴重な工具ということになります。
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当時の錬金術は?
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創設当時のスナップオンの錬金術あまりよくありませんでした。
左の写真は1920年代のエクステンションですが、現存している物の殆どがねじれていたり、曲がってしまっていたりする物が殆どです。
写真の物は比較的状態の良い物です。
余談ですが、最初のエクステンションはシャンク部分は四角でした。
1/2インチドライブ、5/8インチドライブ、7/8インチドライブの物が存在します。
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最初のドライバーは食いつきがいい??
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左図は1923年のカタログに掲載されているドライバーです。
なんと、ビット先端部が割れていて、ねじの溝に食い込む作りになっています。
今までカタログ以外では当方も見たことがありませんが、恐らく使用中に破損した物が殆どで現存している物はごくごく少ないのではないでしょうか。
確かに、ねじは落ちないでしょうけど・・・
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最初の板ラチェットNo.7
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スナップオンの一番最初のラチェットらしいラチェットと言えばこのNo.7です。
構造は大変シンプルで1方向にしか回転しません。
差込部分はスライド式、もしくはビット式になっていて、ON/OFFスイッチは無く、表面がON、裏面がOFF表示になっています。
(左の写真の物はスライド式)
ヘッド部分は開けることができないので、ギアの交換は無理ですが、下の写真の赤い矢印のところはギア部分に通じる穴が開いていて、オイルを注入することが出来ます。
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1930年または1931年製
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同じNo.7でも初期、後期タイプがあります。
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これは同じNo.7ですが、その表記がラチェットにありません。
これは1925年〜1927年辺りの頃の物で、モデル#の表記のある物より古く、比較的珍しいものです。
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MILWAUKEE?それともKENOSHA?
20年代のスナップオン工具に記載の生産地には2種類あります。
MILWAUKEE.
U.S.A.
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KENOSHA
WIS.
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それでは正確にはいつからMILWAUKEE表記で、いつからKENOSHA表記なのでしょうか?
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1920年から1928年がMILWAUKEE
U.S.A.
1929年以降からKENOSHA
WIS. 表記が混じります。
詳しくは1920年代の沿革もご参照ください。
←1940年代に入ると生産地はU.S.A表記のみになります。
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1920年代のカタログ
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沿革
1920年代
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1940年代
1950年代
1960年代
1970年代
オールド・スナップオン資料館入り口
ヤフーオークション
2006年よりヤフーオークションに旧ロゴのビンテージ・スナップオンを出品しております。 お取引件数はおかげさまで900件を超えました。
ヤフーオークションID:gonzius177
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