第1回

Storage Class Memory(以後 SCM)が商用化されたことで、ストレージはまた一歩高速化へと向かいました。SSDフィーバー以降では、I/O高速化の分野で久しぶりに話題性のあるデバイスとなるはずです。コンピュータのメモリはCPUのSRAM、メインメモリのDRAMが圧倒的な高速デバイスなのですが、これらには二つの致命的な欠点があります。それは高価であることと、通電時しかデータを保持できないというものです。

NANDフラッシュとSSDが歓迎されたのは、SRAMやDRAMのように「速い」「高い」「消える」ではなく、「速い」「安い」「消えない」を実現したからでした。SCMは「速い」の領域をさらに進化させたものです。今はオールフラッシュストレージで市場が沸いていますが、今後はSCMを商用化した製品が相次いでリリースされることで注目を浴びるでしょう。SSDがそうだったように、当初は価格の問題によりキャッシュ用途で搭載することになりますが、次第に記憶領域にまで拡大していくと予想されます。

NGS部会ではストレージを刷新していく技術を今後も注目していきます。

NGS部会 伊藤忠テクノソリューションズ株式会社 菅 博