ITアーキテクトのひとりごと
第55回 「お気に入りを見つけ出す方法」

 

検索サイトやSNSが発達したことで、自分のお気に入り商品、サービスに巡り会う機会が増えた。今まで知らなかったものを見つけた時の感動が忘れられない。こんな危険な"出会い"を探してインターネットの虜になり、財布が空にならないように気をつけないといけない。

商品やサービスをお客さまに分かりやすく見せるのも難しい。これでしょ、ね。なんて図々しく言われると、むかついて買いたくなくなる。そんなに簡単に見透かされるほど私は単純じゃありませんよ。

ごちゃごちゃと乱雑な展示を見せられてもいらだつ。Webで見ているんだから、いろいろな切り口で見せる方法はいくらでもあるだろう。センスの無いサイトはよっぽどのことが無い限り、2度と立ち寄らないが、何やら勝手に行動記録をして、ブラウザに「これでしょ、これ。どう?」としつこく勧誘されると、もっとむかつく。キャッチセールスを振り切るのに失敗したようでいやな気持ちだ。

押しつけがましくない上品さを感じるのはアマゾンとグーグルだ。 気に入ったお店でお気に入りの店員さんを見つけ、自分の好き嫌いを分かっているお気に入りの店員さんにアドバイスをもらう。こんなリアルなやり取りを何となく感じるのは、ちょっと褒めすぎだろうか。

リコメンドもほどほどにしないと、足が遠ざかる原因にもなるが、腕利きの店員さんはその辺の空気の読み方も上手だ。

Webの良いところは、こんな物があったら、という欲求を検索ツールに巧くぶつけると、おっ、こんなものが世の中にはあるのか、という感動があることだ。 店頭には置けない商品もWebなら大量において、気の利いた検索ツールで探し出すことも簡単になる。

2,3週間前にも、ニュージーランド製のシャンプーを覚えていたロゴマークで簡単に見つけ出すことができた。こんなことができるのも画像検索機能のおかげだ。ちょっとしたヒントさえあれば、どんなものもすぐに見つけ出す。グーグルが広告宣伝で儲けているのも頷ける。今や世界中のどんな商品も見つけ出せる。

決済もPayPalのクレジット決済にリンクされ、日本からのアクセスを自動検出したらしく、出てきた日本語ガイドに従って決済完了だ。普段使い慣れていない決済用語が英語で出てくるという恐怖に直面して購入を諦めてしまう、ということもない。

検索ツール、決済システム、物流システム、そして取引機能を備えたWebサイトを簡単に作れるようになったお陰で、地球上のどんなところからでもモノを安心して購入できる時代。特徴を備えた商品、サービスこそが唯一の差別化になるという大変な時代に、置き換えのできない、地球という距離を乗り越えるのが難しい商品、サービスは何だろうか。

どちらの側の商品、サービスに仕事で従事したいのか。人生の重大な決断が迫られる。

JDSF データ・マネジメント・ソリューション部会
株式会社エクサ 恋塚 正隆
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