【新連載】ITアーキテクトのひとりごと
第26回 「ファイルサーバの『見える化』 〜プロローグ〜」

『見える化』というとERPパッケージやBIツールの類の分析ツールが思い浮かぶ。この手のツールはDB、ERPパッケージの付属品だったり、SaaSでも提供されてポピュラーになってきたが、インフォメーション・ワーカである自分のPCにどんなデータが置いてあるのかも"見える化"しておきたい。

 

この話題は、過去、手を替え品を替えて、このメルマガで話題にしてきたが、永遠の課題だ。今日もまた、技術資料を探して Dドライブの中を探し回る。ようやく見つけたからといって安心してはいけない。次は直ぐに見つかりますように、と祈りながらフォルダ名を変更、配置場所も変更、さらにショートカットを作成して、そのショートカットをそこかしこのフォルダに配置する。ショートカットの"名前"は変更できるので、見つかりやすいような名前に変える努力も惜しまないが、それでも見失うときは見失う。

 

最後の頼みの綱はデスクトップサーチだが、検索キーワードが一般的だと山のように候補が出てきて役に立たない。検索キーワードの組み合わせを考えても、PCの中には似たようなキーワードを含むファイルがたくさんあるので努力も空しい。仕事関連で集めているデータに含まれているキーワードが似通うのは当たり前だ。でも、微妙な、ちょっとしたキーワードの違いがあるファイルがターゲットなので探し方も微妙だ。

 

時間が経ち、仕事の質が微妙に変わると、自分の視点も微妙に変化してくる。この変化がターゲットを探すときのキーワードにも微妙な変化をもたらすので、なかなか思ったような検索ができないようだ。

 

検索のヒット率をどうすれば高くできるか。テキストマイニング、という言葉もあるが、適材適所で使い分けないといけないようだ。ツール自身に学習能力があると良いが、個人の仕事、趣味のように目的が絞られていないケースではうまく機能しないだろう。キーワード(タグ)のランキングが視覚的に表現されているようなWebサイトがあるが、自分の持っているデータは、たかだか数十Gバイトなので、このデータを分析してキーワードのイメージ空間を三次元的に表現できれば、データの棚卸に役立ちそうだ。

 

自分のデータを置いているクラウドストレージ・サービスのオプションサービスとして、個人のデータを分析するツールが登場するようになるのも時間の問題かもしれない。でも一方で、クラウドのセキュリティ・リスクがアウトソーシング・サービスとしての大きな課題の一つであると言われているように、個人のデータを特定される、さらに、そこに入っているデータの性質、属性が識別されて、第三者に盗み見られる可能性がある、というのは非常に気味の悪い事態を招くので注意しないといけない。

 

ちょっとした暗号化ファイルなんて盗まれてしまえば、クラウドのパワーを使って誰でも小さなコストで、あっという間に解読することが出来るので、大事なデータをどこにどうやって隠そうか、なんて事に苦労することにもなりそうだ。

 

さて、今回のメルマガは、次回メルマガのちょっと長めの前振りだ。次回メルマガから2,3回、"ファイルサーバ統合"なんていう大げさなテーマをかみ砕いて、メルマガ流に"本当はどうしたいの"というテーマで"行きます"。




JDSF データ・マネジメント・ソリューション部会
株式会社エクサ 恋塚 正隆
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