【新連載】ITアーキテクトのひとりごと
第18回 「クラウドサービスにデータを預ける」

急激な円高が進んでいる。十数年前に起こった円高で某自社製品の輸出の採算が取れなくなり撤退したことを思い出す。世の中は円高のメリット、デメリットで悲喜交々(ひきこもごも)だが、私も、しばらく買おうか買うまいかと考えていたソフトウエアを、この円高基調にプッシュされてアメリカのインターネットストアで購入してしまった。円高なのでクレジットの決済期日の問題があったとしても随分と安く買えて嬉しい。何しろ日本では1ドル140円換算でそのソフトは売られているのだから。そう思いながら、この原稿を書いている最中にちょっとそのインターネットストアをチェックしてみると、まあ、運が良いのか悪いのか、そのソフトが「XXXX Red Tag Sale- Save 30% Instantly」とあるではないか。しかも、そのセールはアメリカ時間の今日でお終い、「急げ」とある。見なきゃ良かった、得した気分が損した気分になってしまったぞ(ちなみに日本のサイトではセールはしていなかった)。

円高だ、円安だ、株価が上がった、下がったなんて、いつも気にしていると精神的に良くないことを実証しているような話だ。どんな根拠で、今、赤札セールをやっているのか理由はわからないが、PCサーバを販売している某社のWebストアも値段がしょっちゅう変わる。優秀なサプライチェーンを持っていることで知られる某社は、値段を変動させて購買を誘いながら利益を最大化させている。頻繁に値段が変わることを知っている、かくいう私も頻繁にそのWebサイトをチェックしているわけだ。スーパーのチラシをチェックしている主婦とやっていることは変わらないが、Webサイトを使うと、その気になれば数時間おきに値段を変更することも可能になるので、こちらも、いつも気になってしょうがない。時間の無駄だ、しばらく忘れないと。

さて、話のネタ探しにPCのフォルダをめくっていると「ここを見たか!.xls」ファイルを発見。"システム基盤構築に関わるTipsを "他人のふんどし" を借りて解説するTips集"という企画でぼちぼちと作っていたことをすっかり忘れていた。人の記憶なんて移ろいやすいので何か形にしておかないと確実に無くなる。だから、少しでも形にしておこうと思ってはいたのだが。。。。。う〜ん、ちょっとまとめきれない。技術情報も永続性のあるものはどんどん貯めているが、最近はカバーしないといけない技術の範囲が広がっているので、ズンズンと技術資料が増える増える。「後から見る」フォルダには読まないといけない資料へのリンクが積ん読状態でこれまたズンズン増えるので、時々まとめて時間を取って消化しないといけない。

最近はデータ数が増えすぎたのか、データバックアップに使っているデータ同期ソフトのチェック時間が長くなってきた。そのソフトの限界か、なんとなく、そのうち破綻する臭いがしてきた。まずい。そのソフトはしばらくバージョンアップが無い、多分、もう永久に無いので、代替策を考えないといけない。

最近はデータを預かる有償、無償のクラウドサービスが沢山登場しているのでバックアップにも使えそうかチェックしてみる。いま使っているマイクロソフトの SkyDriveは、写真のようなデータを貯めておくだけなら十分だが、バックアップのようなデータの同期まで考えると使えない。

各社いろいろと特長はあるが、以前から気になっていたサービスがやっぱり一番よさそうだ。悪くない、信頼もできそうな雰囲気はするが、まだまだクラウド側に100%データを預けてしまうほどは信用していないので、次善の策はしっかりと考えておく。こっちも専門家だから抜かりはない(はずだ)と思っていても、ヒューマンエラーだけは防げないことがあるので油断は禁物だ。最悪の悲劇だけは避けないと。

JDSF データ・マネジメント・ソリューション部会
株式会社エクサ 恋塚 正隆
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