【新連載】ITアーキテクトのひとりごと
第9回 「クリアデスクを実現するイメージング技術」

机の周りに貯まった本、雑誌、セミナー資料、そして、お客様の資料の山は、座席の引っ越しのたびに確実に減っていく。セキュリティポリシーの遵守チェックがあるので、お客様の資料を机に置いておくこともできない。もっとも、お客様資料を置きっぱなしにするという習慣は、この10年間くらいの間にすっかり無くなってしまった。これは、セキュリティに関するリテラシーが浸透したという理由よりも、そもそも置いておく場所が無い、という切実な理由による。とにかく紙は重い。場所も取る。一番の問題は整理が難しい、検索するのが大変だからだ。

私の周りには本が沢山ある。本という形に仕上がったコンテンツはテーマが明快だ。本の題名だけでコンテンツの内容はおおよそ察しが付き、探し出すのに困ることはあまりない。凄い。本を創り出す著者や編集者の努力に感謝しないといけない。

技術雑誌は、その中にたくさんのテーマを持っているので、役に立つ部分は少ない。それでも読むのは、広いテーマの中に何か自分の知らないことを見つけ出す楽しみやヒントがあるからだ。でも、最近は雑誌を買うことが激減した。年を取って好奇心が減ってきたから?それとも、知識だけは溢れてきたから?...技術雑誌を買うのは、たまたま、今追いかけているテーマと一致した特集が組まれている時だけだ。雑誌を定期購読しなくても、出版社の有償の検索、文書サービスを利用しているので、後から検索してコンテンツを取り込むのは簡単だ。このような電子化された有償、無償のコンテンツサービスが提供されないものは、ほとんどが抜け落ちていく。

技術雑誌を定期購読するというモチベーションが薄れたのは、インターネットの検索サービスのせいもある。広いテーマの中からヒントを探るのも、今やインターネットの技術情報サイトを歩き回れば十分だ。

セミナー資料も、思いの外、山のようにある。最近のセミナーは開催後にソフトコピーでその資料が公開されることが多いので役に立ちそうなものは必ず即座に取り込むのを忘れない。セミナーの資料も、最近は、速やかに裁断して必要な部分だけをデータ化、つまりスキャンしてPDFにしてしまう。

さて、自分の机の周りをもっともっと綺麗にしよう、ということで電子化プロジェクトを個人的に進行中だ。まずセミナー資料は真っ先のターゲットだが、立派に製本された本も例外ではない。会社には背表紙をズバッと綺麗に裁断するのにピッタリの事務機があるので、それを利用して資料を裁断、スキャンして電子化、さらにOCR機能を使ってインデックスを付ける。こうすればデスクトップサーチで資料を探し出したり、キーワードを追いかけて資料を短時間で読み飛ばすことも可能になる。

こうして紙がドンドン減ってきた。今あるものが半減するのも時間の問題だ。今必要な三種の神器はスキャナ、AdobeAcrobat、ディスクだ。一番高価なツールはAdobeAcrobatだが手放せなくなってしまった。 本当は、立派に製本された本を裁断するのは忍びない。でも置いておくことが出来ない。いつでもどこでも利用するには本は重すぎる。そのうち、買った本を即座に電子化するようになるのも時間の問題だ。 ディスクの容量は全く心配する必要が無い。次はファイルサーバとコンテンツ管理ソフトを手に入れて、プライベートな『コンテンツサーバ』が目標だ。

JDSF データ・マネジメント・ソリューション部会
株式会社エクサ 恋塚 正隆
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