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部門間連携を促進させるポイント
(株)ジェイック 取締役 教育事業部長 近藤浩充 ■重要性増す部門間連携と現実の課題
近年,組織のシナジー創出やイノベーションの加速を促す人事戦略の一環として,「管理職層の部門間連携力」を強化したいというニーズが,特にエンタープライズ企業などで高まっています。外部環境や顧客ニーズの多様化が進み,多くの日本企業で主流だった「部門ごとの役割を明確に定めた組織体制のもとで業務を遂行し,組織全体を成長させるスタイル」から,部門を超えて情報が流通し,現場主体でイノベーションを生み出せる組織への変化が求められています。その成否を左右するのが管理職層です。管理職層が連携を深めれば,部門をまたいだ生産性の向上や新規事業などの推進を加速させられます。しかし,長年築かれた縦割り組織の風土は,トップが重要性を説くだけでは変わりません。連携の重要性は理解されても,「どう行動すればよいのか」が不明瞭で,実践に移すのが難しいのです。 ■組織の土壌づくりは管理職の行動変革から
1つ目は,コミュニケーションの「青信号思考」と「赤信号思考」の切り替えです。「青信号思考」とは,思いついたアイデアを制約なく発言するスタイル,「赤信号思考」とは,発言の正しさや実現可能性を判断しながら話すスタイルを指します。多くの企業では,管理職層が慎重に発言する傾向が強く,特に部門間の会議では「赤信号思考」に偏りがちです。しかし,これでは自由な発想や新たなアイデアが生まれにくく,部門間の関係性も硬直化してしまいます。そこでまず大切なのは,管理職層が安心してアイデアや意見を発信できる場づくりです。例えば,部門横断の会議では「批判なしのブレインストーミング」をルール化するなど,青信号思考を促す設計にすることで,発言のハードルが下がります。自由に話せるという体験が,管理職層の思考と行動の幅を広げる第一歩となります。
(月刊 人事マネジメント 2025年6月号 HR Short Message より)
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![]() 大学卒業後、情報システム系の会社を経て入社。IT戦略事業、全社経営戦略、教育事業、採用・就職支援事業の責任者を経て現職。企業の採用・育成課題を知る立場から、当社の企業向け教育研修を監修するほか、一般企業、金融機関、経営者クラブなどで、若手から管理職層までの社員育成の手法やキャリア形成等についての講演を行っている。デール・カーネギー・コース認定トレーナー。昨今では管理職のリーダーシップやコミュニケーションスキルをテーマに、雑誌『プレジデント』(2023年)、J-CASTニュース(2024年)、ほか人事メディアからの取材も多数実績あり。 >> (株)ジェイック https://www.jaic-g.com/ ![]() ![]() ![]() ![]() |