「基礎教育(仮称)学会」構想、設立準備会など記録
             
  −「南の風」記事(2013〜2014〜2016年)ほか−

                         *識字調査・夜間中学研究(小林)→■




目次T、基礎教育学会(仮称)構想・懇話会の記録(2014年〜) 経過メモ

(1) 「基礎教育学会」(仮称)構想・懇話会(第1回  6月8日)  (2014年5月12日)
(2) 第1回−6月8日@横浜−記録 (2014年6月9日)
(3) 世話人会議(7月15日)報告   (2014年7月15日
(4) 「基礎教育学会」(仮)構想・懇話会(第2回、9月21日)記録
(5) 第3回「基礎教育学会」(仮)構想・懇話会(11月9日)

(6) 基礎教育学会(仮)設立準備会・第1回(2015年2月8日)案内

(7) 第2回基礎教育学会(仮)設立準備会 (2015年5月10日)案内・報告
(8) 第3回基礎教育学会(仮)設立準備会 (2015年7月12日)案内・報告
(9) 第4回・設立準備会 (2015年9月13日・日)案内・
(10) 学会名称・今後の予定 (2015年9月15日・岩本陽児)
(11) 基礎教育保障学会設立準備会(2015年11月8日)案内
(12)
基礎教育保障学会・世話人会のお知らせ(2015年12月2日) 添田祥史
(13) 基礎教育保障学会準備会「拡大世話人会」(2016年1月23日)岩本陽児
(14) 基礎教育保障学会準備会報告(2016年2月14日)岩本陽児
(15) 基礎教育保障学会準備会・第7回@北海道大学(2016年5月8日)岩本陽児
(16) 基礎教育保障学会設立準備会・ホームページ開設(2016年5月25日) 添田祥史
(17) 第8回基礎教育保障学会・設立準備会及び拡大世話人会議(2016年5月27日) 添田祥史
(18) 8月21日「基礎教育保障学会」設立大会ご案内 (Sun, 26 Jun 2016 23:44) 関本保孝

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目次U,基礎教育・概念、文献資料など (南の風2013〜2014年関連記事)→後半・下掲


(昇 順)

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(18) 8月21日「基礎教育保障学会」設立大会ご案内
                関本保孝 (Sun, 26 Jun 2016 23:44) 南の風3688号
 みなさま
 この間、国会では「夜間中学等義務教育拡充議員連盟」が結成され、また文部科学省は「夜間中学を最低1県1校開設」「形式卒業者の夜間中学受け入れを可能とする通知を出す」等、夜間中学等に関し積極的施策を進めています。
 このような中、基礎教育研究の推進と国の施策改善に向け「基礎教育保障学会」が設立される運びとなりました。どなたでも大会に参加できますので、ぜひご参加下さい。
○「基礎教育保障学会」設立大会ご案内 
 「基礎教育」とは、人が人として尊厳をもって生きていくため、生活に最低限度必要とされる基礎的な教育のことです。私たちは子どもが義務教育をきちんと受けることができる社会を基本としつつ、就学前教育、職業教育、成人識字教育なども含めた幅広い教育を受けることができる社会の実現をめざします。
【日時】2016年8月21日(日)10:00〜16:00
【会場】国立国語研究所(東京都立川市緑町10−2)2階フロア
    地図 https://www.ninjal.ac.jp/utility/access/  
【内容】@設立総会 10:00〜10:50 会場:2階ホール 
A第1回研究大会 11:00〜16:00 会場:2階ホール【参加費】500円
 1. 開会の挨拶  2. お祝いのメッセージ  3. 基調講演T:
  大安喜一さん(岡山大学/元ユネスコ・ダッカ事務所)
  「アジアにおける基礎教育の完全普及に向けて〜途上国支援と相互協力」
 4. 昼食・ポスター発表(12:45開始)会場:2階ロビー
 5. 基調講演U:
  見城慶和さん(えんぴつの会 元夜間中学校教諭)
   「夜間中学の生活基本漢字381字〜選定の背景とその指導〜」
 6. リレートーク「基礎教育保障学会の将来を語る」  7. 閉会挨拶
B茶話会 16:15〜17:45 参加費:1,000円  会場:2階ロビー
 
【参加申し込み方法】準備の都合がありますので、8月7日(日)までにお願いします。メールの場合:1. 件名に「設立大会申し込み」と記入。2. 本文に、お名前、ご所属、ご住所、連絡先を記入。3. 本文に、茶話会へ参加されるかどうかを記入。4. 以上をご確認の上、info@jasbel.org へ送信。 ハガキの場合:1. 裏面にお名前、ご所属、ご住所、連絡先を記入。2. 裏面に 茶話会へ参加されるかどうかを記入。3. 表面(宛名面)に、次の送り住所を記入して投函。 〒814-0180 福岡県福岡市城南区七隈8丁目19番1号 福岡大学 人文学部・添田研究室内 基礎教育保障学会事務局宛
【参考資料】
@7月10日(日)第8回基礎教育保障学会設立準備会 http://jasbel.org/news-letter 
A「基礎教育保障学会」ホームページ http://jasbel.org →■ 
B大会情報(チラシダウンロード可)http://jasbel.org/taikai →■
C「基礎教育保障学会」呼びかけ人一覧http://jasbel.org/about/officer-list →■


(17)第8回基礎教育保障学会・設立準備会及び拡大世話人会議のご案内
            *添田祥史、(Fri, 27 May 2016 13:15) 南の風3675号
 基礎教育保障学会の立ち上げもいよいよ最終コーナーに向かって全力疾走中です。第8回設立準備会とそれにむけた拡大世話人会議を開催します。どちらも参加自由です。ぜひ、お力をお貸しください。
               *基礎教育保障学会設立準備会ホームページ http://jasbel.org/
@第8回準備会へ向けた拡大世話人会  ※世話人以外の方もぜひご参加下さい。
【日時】6月19日(日)午後2時〜4時(延長時5時まで)
【会場】「学びリンク株式会社」
(東京都千代田区五番町10番地 JBTV五番町ビル2F 03−5226-5256JR市ヶ谷駅下車4分)
地図 http://manabilink.co.jp/soudan/相談ルーム/  
【議事】1、規約 2、規約細則 3、組織体制 4、設立大会案内チラシ、5、来賓依頼  
    6、ポスターセッション 、7、第8回設立準備会でのマスコミ会見  8、その他 
A第8回基礎教育保障学会設立準備会
【日時】7月10日(日)12時45分〜5時(12:30開場)
【会場】「中野サンプラザ」http://www.sunplaza.jp/access/ 
    (JR東京駅より中央線で19分・中野駅下車・北口より徒歩3分)
【内容】(1)第8回準備会12:45〜15:45  (2)設立大会に向けた記者会見16:00〜17:00
  ※詳しくは6月19日の拡大世話人会を受け提案します。
   設立大会前の最後の準備会です。ぜひ、ご参加ください。

★報告
 岩本陽児(Thu, 21 Jul 2016 07:19)
 基礎教育保障学会の第8回、最後となる準備会を7月10日(日曜午後)に、中野サンプラザで開催しました。
 参加者は上杉孝實さん、ユネスコ職員から岡山大学に移られた大安喜一さんら、おなじみの顔ぶれのほか、国際日本語普及協会の関口明子さん、NPO多文化フリースクールちばの仲江千鶴さん、川口自主夜間中学から金子和夫さんと学習者。埼玉に夜間中学を作る会の野川義秋さん、麦の根の宮川正之さんが初参加で、都合24名の会議となりました。
 前回議事録の確認、ホームページの仕様変更、役員候補、会則および学会誌編集関連の規定を検討したほか、設立大会の進行と役割分担を委細検討しました。いよいよ学会設立の機が熟してきました。
 最後の一時間を記者会見とし、学びリンク社の小林建太さん、毎日新聞、朝日新聞、赤旗から取材を受けました。司会は関本先生、冒頭にこれまでの経過、学会の目指すものを岩本、添田さんから紹介。
 続いて川口自主夜間中学で学んでいる匿名の若い女性、仮にAさんとしておきますが、彼女は「入学した中学校が荒れていて、学級崩壊。わたしの中からは中学の学力が欠落しています。『負の連鎖』の指摘に共感。・・・疲弊している現場も多くあるので、こういう会のことを初めて知って、私自身も協力できることがあればと思っています」と語りました。最後に、大安、見城、上杉各氏から、思いと学会への期待が語られました。
 8月21日、立川の国語研究所で開催される設立総会・記念大会に、多くの方のご参集があることを願っています。どうぞよろしくお願いいたします。
 学期末の繁忙に加えて、上記会議の直後に九州の父の緊急入院、私自身も夏かぜで寝込んだりと、ろくなことがありません。時節柄くれぐれもご自愛ください。これから、川崎・富川(プチョン)図書館交流に出かけます。私が合流してから、今年で10年目。新たな展開への期待があります。


(16)基礎教育保障学会設立準備会・ホームページ開設
                  添田祥史、(Wed, 25 May 2016 10:34)南の風3674号
 お待たせしました! 基礎教育保障学会設立準備会のホームページが解説しました。フェイスブックページも稼働しております。トップページの右上部にリンクがあります。アドレス:http://jasbel.org/→■です。
 基礎教育保障学会の設立を後押しするとともに、基礎教育に関わる情報のハブ(結節点)になることをめざして作成しました。細かい点は、運用しながら修正していきたいと思います。熱意と理解のあるホームページ製作会社に依頼できたので、何度も打ち合わせをかさねながら、ようやく公開できる段階にたどりつきました。手前味噌ですが、とてもよくできています。
 「大会情報」では、準備会の開催案内と報告記事が読めます。案内チラシ等もダウンロードできます。「学会誌」では、学会設立後はここから学会誌がダウンロードできるようになります。
 「学会からのお知らせ」では、過去のニューズレターがダウンロードできます。そのほか、基礎教育保障学会ならではの機能として、次の機能があります。
@「 文献ガイド」では、政府・ユネスコ、識字学級、地域日本語教室、子どもの貧困・生活困窮者のジャンル別に書籍、論文、報告書がリストアップされています。ダウンロードできるものにはリンクが貼ってます。
A「関係機関ガイド」では、全国の基礎教育を提供している団体・機関の一覧があります(連絡先)。ホームページ等がある場合は、リンクを貼っています。
B「教材案内」では、基礎教育で使用する教材の共有を目的にしています。現在、教材を募集中です。提供いただいた教材は、PDFで公開してダウンロードできるようにします。この機能につきましては、随時、情報・教材を更新できますので、ご協力ください。


(15) 基礎教育保障学会準備会・第7回@北海道大学(2016年5月8日)
              岩本陽児(Mon, 9 May 2016 02:18) 南の風3665号
 札幌は、一夜明けて美しい晴天となりました。朝のうち、中島公園を散歩しましたが、梅や桜やレンギョウ、ヤシオツツジが一斉に咲いて、美しい花の季節です。
 8日日曜正午から、標記大会を北大教育学部3階会議室(教授会の部屋)で開催しました。今回会議は、札幌遠友塾(と、北海道に夜間中学を作る会)の工藤慶一さん朱美さんご夫妻、北大の横井敏郎先生、博士課程の横関理恵さんはじめ、遠友塾の講師、受講生のみなさんのご尽力で、とても行き届いた受け入れ態勢を整えていただき、印象深い会議となりました。後で聞いたところによれば、北海道教委、札幌市教委からの参加もあったそう。
 報告事項としては、広報に関わりホームページのデザインやフェイスブックの進捗状況。ニューズレター第四号の刊行。設立総会、創立記念大会会場の下見結果等々。審議事項として、規約案と役員候補をほぼ確定し、学会ロゴも方向性が定まりました。
 来る8月21日の創立に向けて、当日のプログラムを検討。来賓として文科省から前川審議官に挨拶をいただくことを承認しました。政治家、夜間中学関係者からの来賓確定が、次なる課題です。次回、7月10日に東京しごとセンターでの開催を決した第八回準備会では創立大会にむけて記者会見も行います。
 以上を確定しましたが、私が担当の、学会誌関連の規定案については、時間切れで前回に続き継続審議となってしまいました。やむをえませんので、用意した案について今月末をめどにご意見を公募し、世話人の間で必要な修正を加えたものを検討ののち、次回会議に諮ることとしました。なので、essメイリングリストでもこの規定案を流してご意見を募集します。

 後半の「公開シンポジウム」は、北海道の事情に詳しい福岡大学の添田さんが進行。工藤慶一「北海道における夜間中学づくり」、岡田敏之「不登校の子どもの学びと夜間中学」、須田登美雄「夜間中学法制化の動向」の、三氏による報告の後、見城慶和・横井敏郎両名からコメント、そしてフロアからのメッセージと続きました。
 シンポジウムは、私の雑駁なメモだけで1万字にもなる濃い内容でした。簡単には紹介しきれませんが、例えば夜間中学の教育が昼間部の生徒にも良い影響を及ぼしているとの指摘は示唆的でした。見城先生の、なぜか「割り箸を洗って使う」北海道出身で、荒川九中夜間で学んだ若者ふたりの「割り箸を洗うわけ」は、はじめ会場を笑わせましたが、じつは、労働と貧困の現実への鋭い切り口を示すものものでした。結局、ご本人の作文が出来なかったため、見城先生がこれに取材して詩を作ったところ、教室を訪ねてきた山田洋次監督の目に留まって、映画「学校」制作の伏線になったと紹介されました。このセッションは、フロアからのリレートークで締めくくられました。
 野山さん、長岡さんが司会を務めた懇親会にも、遠友塾の生徒さんが多数参加してくださいました。名残は尽きず、駅近の居酒屋で10時過ぎまで歓談。こちらも、遠友塾のみなさんに多数参加していただきました。見城先生のハーモニカ、てぃんさぐぬ花、知床旅情が沁みました。


(14) 2月14日・基礎教育保障学会準備会報告
           (岩本陽児、Wed, 23 Mar 2016 21:57)
【日時】2月14日(日)17:00〜19:00
【会場】徳島市生涯福祉センター「ふれあい健康館」2階第1会議室
 12:00〜13:45 研修室1にて科研打合せ
 14:00〜16:30 「とくしま教師塾スペシャル」 映画と講演会
参加者(敬称略、順不同):関本、野山、新矢、山田、岡田、岩本、大谷、見城、添田、森、棚田、草 12名
 冒頭に、徳島市教育長石井博氏のご挨拶があり、『東アジア社会教育研究』第20号を市立図書館用と
 あわせ、2部贈呈した。
報告事項 1〜8(省略)
審議事項
1、前回福岡準備会、議事録を承認した。
2、世話人の追加について:岡田会員を加え9名体制とすることを承認。
3、規約案(2次案)の検討。継続審議。
4、設立大会時の役員と役割分担。会長、副会長3名、顧問3名、事務局長<関本>、
 事務局次長<添田>。理事14名を確認した。
 編集、企画(大会)、研究の3委員会について、正副委員長を決定した。
5、学会名の英語表記について Japanese Society for the Study of Basic Education and Literacies
 と決定し、略称をJASBELとする。
6、8月21日午前午後の設立総会・記念大会について
7、広報について
 ホームページデザイン:ドメイン http://jasbel.org、ニューズレター、フェイスブック。
8、学会誌関連の規定(案)編集委員会規定、投稿規定、原稿執筆要領の案が示され、継続審議。
9、今後の日程と会場について:承認した。
(1)第7回札幌準備会(5月8日 日曜) 会場:北海道大学(会議室・定員50)
 12:00〜13:00: 科研打ち合わせ 13:00〜15:00:第7回準備会
 15:10〜16:30:工藤慶一氏(北海道に夜間中学をつくる会代表)
           講演「北海道に学びの場をどう作っていくか」
(2)第8回東京準備会(7月10日 日曜)会場:立教大学
(3)設立総会、記念大会(8月21日 日曜)会場:国立国語研究所
(4)来年の年次大会は大阪で開催することを模索する。
10、その他:2月25日熊本県教委の会議で、岡田世話人が講演。研修会(映画+講演)を打診すること
 を承認。以上
〇とくしま教師塾スペシャル
 科研ミーティングの後、映画「こんばんは」の上映と、森監督、見城先生の講演。冒頭の石井教育長の挨拶で、ご自身の成育歴を振り返りつつ、まなびへの見識あふれる思いが語られ、印象的でした。見城先生と森監督の講演部分は、添田さんが録画してくれました。
◎翌15日午前中に、市役所で徳島市教育委員会との懇談会をもちました。
出席 徳島市教育委員会:教育長、教育次長、校長、指導主事ほか
基礎教育保障学会準備会:見城先生、森監督、岡田先生、野山先生、関本先生、大谷一代さん、岩本。
主催者の配慮で机を使わず、椅子をまるく並べて、質疑・意見交換を行いました。今回出席の本庁の指導主事は、来春からは学校現場での活躍が期待されています。終了後の記念写真を添付します。
☆懇談会終了後の15日午後に、小林チヒロさんも合流してあわおどり会館へ。総踊りで、なんと見城先生が表彰されました。ごきげん写真も、せっかくなので添付します。



(13) 基礎教育保障学会準備会「拡大世話人会」報告
          岩本陽児(Mon, 25 Jan 2016 00:12) 南の風3615号
 本日(1月23日)午後、13名の参加を得て、東京市ヶ谷の「学びリンク株式会社」会議室で標記会合を持ちました。(それに先立ち、午前中には足立四中の須田登美雄先生を交え、『月刊社会教育』の夜間中学に関するレギュラーページの相談も行いました。)
 折から、荒天が案じられた東京は日差しに恵まれ、九州から添田祥史さん、奈良から藤田美佳さん、京大阪から岡田敏之先生(京都教育大)、棚田洋平さん(部落解放・人権研究所)の参加があり、地元からは山田泉先生(法政大)、見城慶和先生のお姿もありました。
 野山広さんを中心に、関本先生の司会で1時過ぎから5時まで、短時間の休憩を挟んで本当にたくさんのことがらを検討し、次回2月の徳島準備会以降、8月の設立総会に向けての課題を整理しました。学会創立に、さらに一歩近付いたとの思いが共有できました。
 終了後は「学びリンク」小林さんのご案内で「鳥元」で交流会。さらに、喫茶ルノアールであれこれ夢を語り合いました。アイディアが次々と出て来ます。
 ps、宜野湾の、現職再選との選挙結果、とても残念なことでした。政治の世界なので、本土の人間には知り得ないさまざまな力学が地域で働いているのだろうと想像するばかりです。セイビンさんはじめご関係の皆さまにおかれては、まずは充分に身体をお休めになり、辺野古を守る次のステージのためにお力を注がれることを願っています。
 「安保問題は日本全体の問題」なので、私も当事者です。このことは、新聞労連の特別賞を最近受賞した「琉球新報」の島洋子東京報道部長から、町田市民自治学校の今シーズンの開校式講演で教えていただきました。

(12) 基礎教育保障学会・世話人会のお知らせ
        添田祥史、(Wed, 2 Dec 2015 02:39)
 12月に入り、めっきり寒くなりました。お変わりないでしょうか。
 先月8日に福岡で開催された基礎教育保障学会設立準備会では、呼びかけ人名簿と設立趣意書案が確定しました。遠方のため、参加人数は少なかったものの、設立までの具体的な懸案事項を確認することができました。
 基礎教育保障学会の案内チラシが完成しましたので、お送りします。今週末の全国夜間中学校研究大会で配布することになってます。「南の風」で添付いただき、共有させていただけないでしょうか。
 次回の設立準備会は、来年2月14日に徳島で開催します。設立準備会の仲介で、徳島市教育委員会主催で映画『こんばんは』の上映会と森康行監督・見城慶和先生のトークショーを開催することになりました。
 それにあわせての設立準備会開催になります。詳細は、追ってお知らせします。また、世話人会を次の日程で開催することになりました。会場を提供いただいた「学びリンク株式会社」は、教育関係の出版社で、『夜間中学ガイドブック』の作成にむけて取材をされている記者の小林建太さんのご協力で借りることができました。
日時:2016年1月24日(日)午後1時〜5時
会場:東京都千代田区五番町10番地 JBTV五番町ビル2F「学びリンク株式会社」会議室  
    http://goo.gl/Qkn7lp  R市ヶ谷駅下車徒歩4分。
議題:@第6回準備会(2月14日徳島市)での映画「こんばんは」上映・講演
    A規約(案)、
    B学会誌、総会(会場/内容/役割分担/後援依頼先等)、
    C広報戦略、
    D学会組織及び役員(案)、
    E札幌での準備会にむけて(5月8日)、Fその他

(11) 基礎教育保障学会設立準備会のご案内
           学会準備会世話人 添田祥史 (福岡大学、Thu, 29 Oct 2015 03:07)
 学会名称が決まり、初めての準備会になります。これまで基礎教育学会(仮称)構想・懇話会を2回、基礎教育学会(仮称)設立準備会を4回開催してきました。今回は、福岡開催となっております。第2回生活困窮者自立支援全国研究交流大会が福岡で開催されるのに合わせて設立準備会の日程と場所を決めました。福祉領域の政策と実践に学びつつ、接点を深めていきたいと思います。
 みなさまのご参加を心よりお待ちしてます。
【日時】 2015年11月8日(日)17:00〜19:00
【場所】 福岡大学 文系センター棟9階 学部共通室B
     〒814-0180 福岡県福岡市城南区七隈8?19?1
     地下鉄七隈線「福大前」下車すぐ
【議題】1 報告事項  
 2 協議事項(予定)
 ・設立趣意書案の検討  ・規約案の検討 ・広報手段の検討  ・設立総会の会場について  
 ・今後の準備会について  その他
【問合せ先】 添田祥史(福岡大学)soe@cis.fukuoka-u.ac.jp
 なお、本会議に先立ち、16時から17時まで、同会場にて科研ミーティングを行います。基礎教育保障学会を軸とした福祉・教育・労働の実践者と研究者の共同探究ネットワークの構築をテーマにした科研です。ご関心ある方の参加を歓迎いたします。

(10) 学会名称・今後の予定
      *岩本陽児 (Tue, 15 Sep 2015 10:21)
13日準備会へのご参加、ありがとうございました。いろいろありました。長らく呻吟してきた学会名称が「基礎教育保障学会」に全会一致で定まったことは、大躍進でした。議事の委細の報告については、今しばらくお待ちいただけないでしょうか?
 ひとつ前の回の議事記録を、大筋でご承認いただきました。本状に添付(略)しますので、ご欠席だった方はご確認と、もしお気づきの点があればご指摘をお願いいたします。
 次回以降、学会設立までの日程と、議事内容を下記しますので、ご参集をよろしくお願いいたします。
☆第5回準備会(11月8日会場・福岡大学):規約(案) / 会場(案)
 一般社団法人生活困窮者自立支援全国ネットワーク主催「第2回生活困窮者自立支援全国研究交流大会」終了後の、16時から開催予定。(なので、公開学習会はありません)
 参加ご希望の方は期日までにお申し込みをお願いいたします。
☆第6回準備会(2016年2月14日会場・四国、徳島を予定):
  規約(案)確認 / 会場確認 / 総会内容(案)・・後援依頼先含む
☆第7回準備会(5月8日会場・北海道、札幌を予定):総会内容確認(プログラム・役割分担他) / 役員(案)
☆第8回準備会(7月10日会場・東京、立教大学を予定):総会最終準備
☆設立総会:2016年8月21日開催 (基礎教育にゆかりの深い国立国語研究所で開催<確定>)

(9) 第4回基礎教育学会(仮称)設立準備会
           岩本陽児(Sat, 29 Aug 2015 10:37)
 <9月13日(日)の学会設立準備会> *同準備会MLより
 みなさま、(基礎教育学会<仮>設立準備会)世話人いわもとです。先週金曜からずっと出張で、ご連絡が遅くなり申し訳ありません。次回準備会@東京の会場ですが、「中野サンプラザ」6階、バードルームを予約しました。新宿から西に、中央線でひと駅の所です。北口にあります。http://www.sunplaza.jp/
 従前通り、準備会は2時〜5時を予定しています。これに先立ち、12時から科研ミーティングを行います。ご都合許す方は、こちらにもご出席ください。なお、今回の準備会では、前半に「多様な学習機会拡充法案」についての勉強会を予定しています。どうぞよろしくお願いいたします。(以下・略)
 添田 祥史(Tue, 26 May 2015 07:26)−学会としての骨子の部分を決定する大事な会になりますので、ぜひご参集ください。もちろん、初参加も大歓迎です。第5回は、11月8日(日)福岡大学16:00〜19:00 の予定で開催することになりました。

(8) 第3回基礎教育学会(仮称)設立準備会   
 ご案内
     *添田 祥史(Tue, 26 May 2015 07:26) 南の風3502号
 大学院時代からお世話になっている「青春学校」の遠足で、バラ園に行きました。桜の花、藤の花がながれて、念願の花見です。数日前まで雨の予報でしたが、当日は汗ばむくらいの晴天でした。
 青春学校のイベントは不思議と雨が降りません。最年長のハルモニは93歳。施設に入居されて久しく、車いすでの参加でした。
 この間の公立夜間中学をめぐる動向。遅すぎたとは言いたくありません。ただ、やはり、もう少しだけ早かったらと思わずにはいられません。そうした思いを背負いながら、これからを考えていきたいと思います。
 第3回の設立準備会についてのご案内文を作成しましたので、「南の風」にて配信いただけると幸いです。
 5月設立準備会も二回目となり、少しずつ拡がりをみせはじめています。上田孝典さん(筑波大学)のご尽力でお借りできた筑波大学東京キャンパスは、駅からも近く便利で快適でした。李正連さん(東京大学)も駆けつけてくれました。
 教育分野以外からも、山田泉先生(法政大学、日本語教育)や、湯澤直美先生(立教大学、子どもの貧困研究)にご参加いただきました。関西からも森実先生(大阪教育大学)、新矢麻紀子先生(大阪産業大学)、棚田洋平さん(部落解放・人権問題研究所)、草京子さん(神戸・夜間中学元教諭)に参加いただきました。
 今回から設立準備会にあわせて課題共有のための学習会を設けました。江口怜さん(東京大学大学院生、夜間中学の歴史研究)からの報告は、これまでの事典・辞典における基礎教育に関する記述を整理分析したもので、設立趣意書の文言を精査していく上でも大きな財産となりました。詳しい記録をご覧になりたい方は、岩本陽児先生(和光大学)までご連絡ください。iwamoto@wako.ac.jp<mailto:iwamoto@wako.ac.jp>
 次回は、念願の大阪開催です。森先生、新矢先生をはじめ皆様のご尽力のもと、会場を確保していただきました。学習会は、岩槻知也先生(京都女子大学)から識字・リテラシー概念についてご報告いただきます。ぜひ、大阪でお会いできたらと思います。よろしくお願いします。
日時:2015年7月12日(日)14:30〜17:30
会場:大阪産業大学梅田サテライトキャンパス(大阪駅前第3ビル19階)
    http://www.umeda-osu.ne.jp/access.html
    大阪駅、梅田駅から徒歩5分程度。
報告 添田祥史 (Tue, 14 Jul 2015 03:51)  南の風3524号
   *会の方針として諸「先生」方に対しても、すべて「さん」付けで呼び合うことになりましたので、
     本メールもそれにならって作成しております。ご了承ください。
○第3回準備会・報告 
 設立準備会も3回目。初の大阪開催は、参加者33名の大盛況でした。森実さん(大阪教育大学)をはじめ、関西在住の設立準備会関係者の方々が広く周りにお声かけいただいたおかげです。この場を借りてお礼申し上げます。
 関西の識字教室関係者や大学院生に加えて、日本社会教育学会事務局長の石井山竜平さん(東北大学)、一時帰国されていたユネスコ・ダッカ事務所の大安喜一さんもご参加いただきました。
 会場は、識字・日本語教育がご専門の新矢麻紀子さん(大阪産業大学)のご尽力で、大阪産業大学梅田サテライトをご提供いただき、大変快適でした。学習会は、「リテラシー/識字」について、岩槻知也さん(京都女子大学)に報告していただきました。国内の先行研究から「識字」概念を実践の内実に即して読み解くとともに、海外の「新しい識字」研究の動向を紹介いただきました。
 学会名称、設立趣意書案、呼びかけ人名簿の審議も深まりをみせ、形ができあがってきました。
 また、東大阪市太平寺中学校夜間学級の移転問題(「南の風」3421号:2015年7月13日配信)について、同校教諭で全国夜間中学校研究会事務局長の黒川優子さんから経過説明と意見書の募集がありました。 
 懇親会は、棚田洋平さん(部落解放・人権問題研究所)にご予約いただいた沖縄料理店で行いました。世話人はもちろん、上杉孝實さん(京都大学名誉教授)、岡田敏之さん(京都教育大学)、時事通信社の斉藤大さんも参加していただき、楽しい交流の時間になりました。
○今後の予定 
 次回の第4回設立準備会は、9月18日(日)に東京で開催します。学会としての骨子の部分を決定する大事な会になりますので、ぜひご参集ください。もちろん、初参加も大歓迎です。第5回は福岡で開催することになりました。第2回生活困窮者自立支援研究交流大会が11月7日(土)〜8日(日)に福岡大学で開催されます。 *6日(金)に支援現場を見学するエクスカーションと前夜祭を予定。
 この大会は、実践者、研究者、厚労省や国会議員や自治体首長の参加もある大規模なもので、私たちもそこに学びつつ、ネットワークを広げていきたいと考えています。
 第4回設立準備会:9月18日 東京開催 *決まり次第お知らせします。
 第5回設立準備会:11月8日(日)福岡大学16:00〜19:00
 なお、この間の経過については、長岡智寿子さん(国立教育政策研究所)が中心となって作成いただいたニュースレターがすでに「南の風」(3518号:2015年7月3日)に添付させていただいておりますので、ご参照ください。より詳しい状況につきましては、メーリングリスト上で議事録や情報を共有しておりますので、ぜひご加入ください。(加入の申し込みは設立準備会事務局・岩本陽児さんまでiwamoto@wako.ac.jp)


(7) 第2回基礎教育学会(仮称)設立準備会
            添田祥史(Wed, 15 Apr 2015 09:10)
 ご案内 2月8日(日)に開催された第1回目の設立準備会会議において、来年8月21日(日)の設立総会をめざすことが決まりました。第2回目の設立準備会を下記の通り開催いたします。つきましては、学期始めのお忙しい頃だとは存じますが、万障お繰り合わせの上、ご出席のほどよろしくお願いします。
日時:2015年5月10日(日)14:00〜17:00
会場:筑波大学東京キャンパス文京校舎(茗荷谷キャンパス)1階118講義室
   https://www.tsukuba.ac.jp/access/bunkyo_access.html→■
   地下鉄丸の内線茗荷谷(みょうがだに)駅下車「出口1」徒歩2分
   *終了後に情報交換会を予定しております。
 今回から情報と課題を共有していくために、会の前半部に基本となる概念や海外の政策動向に関する学習会を設けることになりました。5月は、江口怜さん(東京大学大学院)が成人基礎教育についての概念整理をしていただきます。7月は大阪で開催します。報告者は岩槻知也さん(京都女子大学)で「識字」、「リテラシー」の概念整理を予定してます。
 設立準備会は、2ケ月に1回のペースで第2日曜日の開催を予定してます。次回以降の予定は次の通りです。スケジュールの確保よろしくお願いします。
2015年7月12日(日)、9月13日(日)、11月8日(日)
2016年2月14日(日)、5月8日(日)、7月10日(日) 設立総会 8月21日(日)
報告
  添田 祥史、(Tue, 26 May 2015 07:26)
 5月設立準備会も二回目となり、少しずつ拡がりをみせはじめています。上田孝典さん(筑波大学)のご尽力でお借りできた筑波大学東京キャンパスは、駅からも近く便利で快適でした。李正連さん(東京大学)も駆けつけてくれました。
 教育分野以外からも、山田泉先生(法政大学、日本語教育)や、湯澤直美先生(立教大学、子どもの貧困研究)にご参加いただきました。関西からも森実先生(大阪教育大学)、新矢麻紀子先生(大阪産業大学)、棚田洋平さん(部落解放・人権問題研究所)、草京子さん(神戸・夜間中学元教諭)に参加いただきました。
 今回から設立準備会にあわせて課題共有のための学習会を設けました。江口怜さん(東京大学大学院生、夜間中学の歴史研究)からの報告は・・・、
 これまでの事典・辞典における基礎教育に関する記述を整理分析したもので設立趣意書の文言を精査していく上でも大きな財産となりました。詳しい記録をご覧になりたい方は、岩本陽児先生(和光大学)までご連絡ください。
iwamoto@wako.ac.jp<mailto:iwamoto@wako.ac.jp>
 次回は、念願の大阪開催です。森先生、新矢先生をはじめ皆様のご尽力のもと、会場を確保していただきました。学習会は、岩槻知也先生(京都女子大学)から識字・リテラシー概念についてご報告いただきます。ぜひ、大阪でお会いできたらと思います。よろしくお願いします。
日時:2015年7月12日(日)14:30〜17:30
会場:大阪産業大学梅田サテライトキャンパス(大阪駅前第3ビル19階)
    http://www.umeda-osu.ne.jp/access.html
    大阪駅、梅田駅から徒歩5分程度。


(6) 基礎教育学会(仮称)設立準備会のご案内
          添田祥史、(2014年12月22日 18:33)
 お忙しい日々をお過ごしのことと存じます。
 基礎教育学会(仮称)構想・懇話会は、11月9日の第3回会合をもって発展的に解消し、今後は、基礎教育学会(仮称)設立準備会として活動することになりました。本年8月の設立をめざして、いよいよ本格的に動き出します。
 次の日程で設立準備会を開催しますので、万障お繰り合わせの上、ご参集くださいますようお願い申し上げます。
日時:2015年2月8日(日)14:00〜17:00
議題:@学会名称について
    A設立趣意書案の検討
    B呼びかけ人名簿の検討、その他
会場:東京・新宿区 大久保地域センター 3階・会議室A
    新宿区大久保2丁目12番7号 電話 03-3209-3961
【地図】http://www.h2.dion.ne.jp/~aa-kkse/ookubo_a.htm →■
【交通】JR山手線「新大久保」から徒歩8分、総武線「大久保」から13分
 東京メトロ副都心線「東新宿」6分、都営大江戸線「東新宿」7分
 … メーリングリストを立ち上げました。議事録等は、そちらで共有していますので、ぜひご加入ください。希望者は岩本陽児先生(iwamoto@wako.ac.jp)までお願いします。


(5) 第3回「基礎教育学会」(仮称)構想・懇話会
            添田祥史、(Mon, 20 Oct 2014 22:17)
 お誘い  「基礎教育学会」(仮称)構想・懇話会(以下、懇話会)は、学びから排除された人々、「識字」学習を求める人々、の支援とその制度的保障について、またその実践や運動について、専門的に議論する学会創設をめざして語りあう会です。
 私たちがめざしているのは、学術性を保ちつつも、実践者、研究者、行政関係者、市民、そして当事者による共同探究ネットワークとしての新しい「学会」のかたちです。
 対象としては、夜間中学、識字運動、地域日本語教室、生活困窮者の自立支 援、外国にルーツをもつ人たちの学習支援、障がいをもつひとの継続教育など、教育を軸としながらも福祉や労働にまたがる横断的な領域を想定しております。
 懇話会も、第3回目となりました。(第1回6月8日開催,「南の風」3316号6月11日報告記事、第2回9月21日開催。「南の風」3378号10月1日報告記事)。
 今回は、とりわけ大事な会となります。主な議題は、学会名称、呼びかけ人名簿の作成、設立趣意書案の検討、今後のスケジュール、などを考えています。
 呼びかけ人名簿につきましては、まずは30名前後の方々にご参加をお願いする、教育分野に偏らず、学際的で領域横断的な構成にしたいと思います。各分野の、多くの方にご参集いただき、叡智と人的ネットワークを提供いただき、共有していきたいと存じます。
 設立趣意書案の検討につきましては、懇話会世話人が草稿を作成します。多角的に検討いただくことで、よりよいものに練り上げていければと考えます。当日ご参加いただけない方も、事前に「南の風」にて草稿を回覧させていただきますので、ぜひご意見をお寄せください。
 なお、資料の準備がございますので、今回から事前に出欠をとらせていただきます。大変恐縮ですが、ご協力のほどよろしくお願いします。
・日時:2014年11月9日(日)14:00〜17:00(終了後、懇親会を予定)
・会場:東京早稲田 榎町地域センター 3階大会議室A
  →■http://www2.odn.ne.jp/~hak91920/(東京メトロ東西線 早稲田駅徒歩7分)
・出欠:11月2日(金)までに、「件名」に「懇話会」とご記入の上、出席の可否とお名前・ご所属をお願い
 します。宛先 soe@cis.fukuoka-u.ac.jp 
・世話人(小林文人、関本保孝、岩本陽児、添田祥史)



(4) 「基礎教育学会」(仮称)構想・懇話会(第2回)の記録
 お誘い
    *添田祥史(Wed, 23 Jul 2014 05:48)   南の風3343号
 第2回・基礎教育学会(仮称)構想・懇話会を開催します。ぜひご参加下さい。
日時:9月21日(日)14:00〜17:00  *終了後、懇親会を予定しております。
場所:エデュカス東京(全国教育文化会館)6階・小会議室
〒102-0084 東京都千代田区二番町12-1 全国教育文化会館 TEL03(5211)0123 →■ 
【地図】 http://www.zenkyo.biz/modules/general/index.php?id=88 
【交通】@東京メトロ有楽町線・麹町駅 6番出口徒歩2分、A都営新宿線・市ヶ谷、BJR総武線・市ヶ谷、CJR中央線・四谷、各駅から徒歩7分。
 この会は、学びから排除された人々の学習支援と権利保障のあり方を探究する学会の構想について語りあうことを目的にしています。
 第1回は、6月8日(日)に開催しました。小林文人先生から学会設立の必要性について、関本保孝先生から夜間中学増設運動の動向について、ヤン・ビョンジャン先生からは韓国・文解教育の動向について、話題提供いただき、その後、意見交換を行いました。
 これを受けて、4人の有志・世話人の会合をもち、「研究者のみに閉じない。社会教育関係者のみに閉じない学会にしたい」。そのためには、幅広く多様な領域の実践者、研究者に参加いただくことが不可欠ではないか、などが話し合われました。
 今回の第2回懇話会では、まず次の4点を課題として考えています。@学会名称問題について、A関連領域を洗い出すための名簿作成、B今後のスケジュール確認、C運営体制について。
 名称問題については、「日本基礎教育学会」という学会がすでに20年前から活動していることがわかりました。この学会の関心は、幼児・初等教育における「基礎」の研究にあるので、私たちとは関心領域が重ならないのですが、学会名称について検討しなければなりません。ぜひ、お知恵をお借しください。
 名簿作成では、夜間中学、識字運動、地域日本語教室などのような日本社会教育学会でも蓄積がある分野のみならず、たとえば、外国にルーツをもつ子どもや、生活保護世帯の子どもへの学習権保障、生活困窮者の自立支援、障がい者の継続教育などの実践領域ともつながりをもちたいと思ってます。ぜひ、みなさんがお持ちのネットワークを提供いただければと思います。9月になりましたら、改めて出欠を伺います。ご予定いただきますようお願い申し上げます。  
                          世話人(小林文人、関本保孝、岩本陽児、添田祥史)

報告T 岩本陽児(Tue, 23 Sep 2014 20:08)  南の風3378号
 <第2回懇話会の議事録案>
出席者(敬称略):関本保孝、岩本陽児(記録)、添田祥史(司会)、見城慶和、小林文人、
           棚田洋平(部落解放・人権研究所)、森 実、湯澤直美(4時半前に合流)
内容:2時すぎに開会。まず自己紹介。引き続き前回6月会議(第1回、6月8日)以降の夜間中学運動の進捗状況と、準備会の取組みについて、配付資料に基づき報告された。
議事:@学会名称問題−現行「日本基礎教育学会」HPのプリントが資料として回覧され、意見交換を行った。その都度「ことわり」が必要になる「成人基礎教育学会」にはしないこと、ナショナルな学会として「日本」をつけるなど、部分的な確認が行われたが、名称自体については結論には至らず、継続審議となった。森先生から、頭文字が愛称となるような英語案も示された。
 A関連領域を洗い出すための名簿作成−配付資料の原案を検討した。日本公民館学会の経験を参考に、呼びかけ人を30人前後集めることで合意された。辞退もありうることから、40名程度のリストを作成する方向性が確認され、個々の候補者に連絡を取る当番の分担が確認された。
 B今後のスケジュール確認−当初案では出席できないメンバーがいたことから日程を再調整した。しかし、その結果、全員が揃う日取りがないことが分かったため、当初案通りに11月9日に次回、第3回構想・懇話会を開催することとなった。>会場は、東京早稲田−榎町地域センター・3階の大会議室A(東京メトロ東西線、早稲田駅徒歩7分)をその後、確保ずみ。呼びかけ人会議以降の日程は、次回会議で決めることとされた。
 C運営体制について−次回第3回構想・懇話会までは現在のメンバー4名を中心に作業を進めること。その後、呼びかけ人会議を開催することが確認された。
 Dその他−協議の中で、夜間中学運動が支持を広げた理由の一つ、「当事者性」をこの学会でも大事にすべき。障がい者の学習保障の領域もカバーしたい。日本語教育学会との関係も重要である等の指摘があった。5時に散会。以上  *写真1葉→■(南の風3374号)
 散会後、森先生、湯澤先生を除く6名で懇親会を行った。懇親会終了後、若いほうの3名は新宿で10時半まで、科研費の相談を兼ねた二次会・・・。
報告U 添田祥史(Thu, 25 Sep 2014 05:22)  南の風3378号
 2014年9月21日(日)、参加者は8名でした。あえて社会教育学会の日程と重ねなかったのですが、それが裏目に出てしまったようです。参加したかったけど、という方も大勢いらしたと思います。お詫び申し上げます。今回から新たに参加いただいた方をご紹介します。棚田洋平さん(部落解放人権研究所)は、識字学級や夜間中学の調査、日本語教室の実践をされています。社会的困難を有する若年のリテラシーに関する科研のメンバーでもあります。見城慶和さん(えんぴつの会)は、ご存じの方も多いと思いますが、夜間中学元教諭。映画『学校T』のモデルの一人です。湯澤直美さん(立教大学)は、社会福祉学、とくに子どもの貧困を専門にされています。教育学関係者だけに閉じない学会をめざす私たちとしては、大変うれしく心強いです。
 詳しい議事録は、後日共有させていただきますが、主な決定事項のみ、先にご報告します。
@当面、会計は関本さん、記録は岩本さん、事務連絡等は添田が行う。
A第3回基礎教育(仮称)構想・懇話会は、予定通り11月9日(日)14時から東京で開催する。
B次回は設立趣意書、呼びかけ人名簿、学会名称について、おおかた決定する。
 日程変更も視野にいれましたが、第3回までは当初予定通りで開催したいと思います。お忙しい中、この会のためだけに、ご足労いただくのも大変恐縮ですが、大事な回になります。万障お繰り合わせのうえ、ご参集いただければ幸いです。  世話人(小林文人、関本保孝、岩本陽児、添田祥史)


(3) 基礎教育学会(仮称)構想・懇話会・世話人会議ご報告
       *添田祥史(Wed, 16 Jul 2014 10:21)  南の風3336号
 7月15日(火)基礎教育学会(仮称)構想・懇話会世話人会議のご報告です。小林文人、関本保孝、岩本陽児=敬称略=、添田の世話人4名で、新宿「カフェ・グレ」で3時間半、その後、場所を移して、東京の暑さに負けない熱い議論でした。当日の様子を含めて、今後の予定をお知らせします。
 「日本基礎教育学会」という名称は、幼児・初等教育を対象とした学会が20年前より活動していることがわかりました。情報収集を続けていきます。関連して、「基礎」をめぐる概念整理の必要性も浮かびあがってきました。basicか、fundamental か。既存の日本基礎教育学会は後者を使用しています。
 私たちが目指す学会としては、社会教育学会関係者に閉じないものにしたい。そのためには、具体的にどの領域のどんな方々に声をかけていけばよいか。全体像をつかむためにも基礎作業としての名簿づくりに取り掛かるべきだという結論に至りました。
 第2回・基礎教育学会(仮称)懇話会は、9月21日(水)14時から東京で開催しよう、ということになりました。会場が決まり次第、改めて「風」にてご案内します。第1回(6月8日、横浜)については、会場等の都合からオープンな呼びかけは控えさせていただきましたが(記録は風3316号に収録)、今後は、ご案内に応じて、ぜひご参加ください。議案は次の4点(予定)です。
 @学会名称について、A関連領域を洗い出すための名簿作成、B今後のスケジュール、C運営体制について。よろしくお願いします。



(2) 「基礎教育学会(仮称)についての構想・懇話会」−6月8日@横浜−記録
           *添田祥史(Mon, 9 Jun 2014 10:00)  南の風3316号
 夜間中学、識字学級、日本語教室をはじめとした現場に支えられてきた基礎教育について、研究的に真正面から取り組む。そんな学会があれば・・・。まずは自由に思いを語りあうことから始めようと、2014年6月8日(日)に「基礎教育学会(仮称)についての構想・懇話会」を横浜で開催しました。お声かけすべき方もたくさんありましたが、一歩を踏み出す前の前の段階でしたので、小さな集まりとして企画しました。
 小林先生からは教育学研究として基礎教育研究の空白問題と論点整理、関本先生からは夜間中学運動の近年の動向について、ヤン先生から韓国文解教育の動向と協会・学会について話題提供いただいた後で自由に語りあいました。森先生は、わざわざこのためだけに大阪から駆けつけてくださいました。
 今後、経過について「風」でご報告させていただきます。学会創設に向けてのこれからの動き、急がず、着実に、一歩ずつの歩みを進めていきたいと考えていますので、関心お持ちの皆様のお力添えをいただければ幸いです。
 【第1回参加者】(順不動、敬称略)小林文人(東京学芸大学名誉教授)、森実(大阪教育大学)、関本保孝(元夜間中学教諭)、ヤン・ビョンジャン(韓国・公州大学)、中村高明(川崎市職員)、岩本陽児(和光大学)、上田孝典(筑波大学)、石井山竜平(東北大学)、李正連(東京大学)、藤田美佳(奈良教育大学)、キム・ボラム(東京大学院生)、添田祥史(福岡大学)。


(1) 「基礎教育学会」(仮称)懇話会(第1回)ご案内−Mon, 12 May 2014 06:11−
 添田です。いつもお世話になっております。基礎教育学会(仮称)の構想を語りあう会を開催します。自由に想いや夢、アイデアを出しあう。そんな時間になればと思います。
小林文人先生にご相談させていただき、8名の方々にお声かけしております。(順不動)
 小林文人先生(東京学芸大学名誉教授)、関本保孝先生(夜間中学教諭)、小田切督剛さん(川崎市職員)、岩本陽児先生(和光大学)、上田孝典さん(筑波大学)、李正連さん(東京大学)、藤田美佳さん(奈良教育大学)、添田祥史(福岡大学)、日程と会場ですが、日本社会教育6月集会(神奈川大学)と重ねたほうが集まりやすいと考えました。横浜駅から高島屋方面に歩いて高層マンションの2階にある居酒屋の個室を予約しました。
 日時:6月8日(日)17:30
 会場:コトブキヤ酒店(JR横浜駅東口から徒歩3分)
横浜市高島2-7-1 ファーストプレイス横浜 2F 045-441-6877
5月末日までに、添田までお返事いただけると幸いです。どうぞよろしくお願いします。

「基礎教育学会」(仮称)構想(第1回)懇話会(横浜駅前、20140608)
  *韓国・公州大学・ヤンビョンチャン氏(右より3人目)参加、東京大学・李正連さんは席をはずしていた。





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目次U,基礎教育・概念、文献資料など

1,庄司 匠:基礎教育の概念について−1、2   *南の風3159 〜60号(2013/9/15〜18)
2,添田祥史:基礎教育の概念について       *南の風3163号(2013/9/20)
3,庄司 匠:基礎教育の概念、補足          *南の風3166号(2013/9/26)
4,石井山 竜平:東アジア研究交流委員会(第19回)記録   *南の風3189号(2013/11/08)
5,関本保孝:夜間中学の現在と学会設立の必要性       *南の風3206号(2013/12/06)
6,森 実:基礎教育学会・構想について       *南の風3209号(2013/12/9)
7,小林文人:基礎教育学会への模索        *南の風3206〜09号(2013/12/6〜9)
8,庄司 匠:基礎教育学会・構想についての希望        *南の風3304号(2014/5/21)
9,TOAFAEC年報「東アジア社会教育研究」1〜18号(1996〜2013)所収「基礎教育」「識字」「夜間中学」等
 論文・記事・資料一覧

10,関本保孝:夜間中学をめぐる新しい動き    *南の風3342・3345号 (2014/7/21〜8/1)
11,関本保孝:夜間中学等議員立法について〜その@ 国の動向  *南の風3381号 (2014/10/6)
12,関本保孝:夜間中学等議員立法について〜そのA国会議員  *南の風3384号 (2014/10/12)
13関本保孝:夜間中学等議員立法について〜そのB義務教育未修了者数 *南の風3387号(10/17)
14,庄司 匠:「基礎教育学会」(仮)構想−新学会の名称について  *南の風3393号(2014/10/29)
15




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1(1),庄司 匠:基礎教育の概念について−その1(Sun, 15 Sep 2013) *南の風3159号
 昨日(14日)は「夜間中学校と教育を語る会」主催の「学生、院生、市民のための夜間中学入門講座」にご参加くださり、ありがとうございます。昨日、「日本基礎教育学会をぜひ立ち上げよう」という構想が話題になったことは、夜間中学校に長くかかわってきた者として心からうれしく感じました。つきましては、私が個人的に考える「基礎教育」の概念をお伝えして、参考に供すると同時に、ご批判もいただきたいと思います。
 私が思うに、「基礎教育」という言葉を使うときに最も留意しなければならないのは、国際人権A規約の13条2項(d)に出てくる「基礎教育」よりも、もっと広い概念で用いていることを強調した上で、私たちが用いる「基礎教育」の概念内容を明確に定義することだと思います。
 国際人権A規約に出てくる「基礎教育」の概念との違いを強調すべき理由は、言葉が実定法に出てきている場合には、どうしてもその実定法上の意味に引っ張られて一般にも使われやすく、その言葉に・より重要な概念内容を盛り込むことの障碍となるからです。
 具体的に、国際人権A規約13条2項(d)の「基礎教育」という文言についていえば、《同条項(a)に規定されている「初等教育」の補充として実施される教育》という意味で用いられていることはほぼ明らかだろうと思います。しかし、おそらく小林先生のお考えもそうだと思われますが、社会の中で「基礎教育」という言葉が使われる場合には、もっと広い概念内容をもつものとして使われた方が有用だと思います。
思うに、「基礎教育」という概念は、(1)《人権保障と民主政治の基盤をなすものという性格をもった教育》であるべきだと思います。つまり、一定範囲の基礎的な教育は、これをすべての人に確実に実現するように保障しないと、他の人権保障も画に描いた餅になるし、民主政治も成り立たなくなります。
(2)「基礎教育」の根本概念を(1)のように規定した場合、これを次のように言い換えることができると思います。すなわち、《諸個人が、現に暮らしている国・地域の現代社会の中で、「個人の尊厳」を保って生きていけるだけの人間的諸力を形成するために最小限必要な教育》です。
(3)「個人の尊厳」の中核的な内容は《各人が、自分のことは自分で決める》ことだと考えます。自分のことを自分で決められないとしたら、他人に生かされる人生、他人に操作される人生になってしまい、自分の人生を生きることにならないからです。ただし、自己決定といっても、自分だけの利益を図って、ほしいままに決定すれば足りる、とは考えません。他人の状況に関心をもち、他人の状況を知った上で、それとの関係において自分はいかにあるべきか、自分はいかにあってよいか、を考えて自己決定をする。そのような人間の共同性の上に立った個人主義であるべきだと考えます。(つづく)

1(2),庄司 匠:基礎教育の概念について−その2  *南の風3160号
(4)そして、上記(2)のように定義した「基礎教育」は、小学校、中学校などの義務教育を重要な構成要素として含むものの、それに尽きるものではなく、一定範囲の社会教育にまで及ぶべきだし、さらに公教育に尽きるものですらなく、場合によっては民間人ないし民間の組織による教育も含むものと考えるべきように思われます。要は、諸個人が個人の尊厳を保ちながら現代社会を生き抜いていけるために、どうしても身につけなけ ればならない人間的諸力の中身は何か、ということを実質的に検討して、それを形成するために必要な教育を「基礎教育」と呼ぶのが適切であると思います。
(5)このような「基礎教育」を受けることは、人権行使を実質的に可能にする前提をなすものであり、したがって基礎教育を受けること自体が強く人権としての性格をもち、憲法26条1項で規定する「教育を受ける権利」の中核部分をなすというべきです。
(6)それにもかかわらず、(というのは人権はあくまで対国家のものだという見方が法律家の通念になっているからですが)、なぜ場合によっては民間人ないし民間の組織による教育も「基礎教育」の一部に含まれると考えた方がよいかというと、国や自治体が「基礎教育の保障の完全実施」に消極的な姿勢をとった場合に、「公がそういう姿勢なら仕方がないね」と言って、そこであきらめてしまってはならない、と思うからです。権利者の側からいったら、それがなければ現代社会の中で人間として、人間らしく生きていけない。それほど切実な内実をもった教育が「基礎教育」ですから、公がやらないのであれば、応急措置的に民間人がやらなければならない。それは社会的な責任としてやらなければならないということだと思われます。もちろん、民間人が現に担っているからといって公の側の責任を免れさせるものではないので、民間人ないし民間組織は公が本来の責任を果たすように迫る活動も継続する必要があると思います。このようなことを長々と書いたのは、自主夜間中学が担う社会的機能を正確に評価する必要があるのではないかという問題意識が私の中にあるためです。
(7)以上のような概念内容をもつ「基礎教育」をすべての人に完全に実現することは、その社会が文明社会と呼ばれるための必要条件をなすものであり、その意味で、「基礎教育」は人類史的な意義を有する鍵概念になるだろうと思っています。
 考えがまだ十分に整理されておらず、ラフなスケッチ程度ですが、「基礎教育」の概念について私は以上のような思いをもっています。ご批判をいただければ幸いです。


2,添田祥史:基礎教育の概念について (Fri, 20 Sep 2013 20:38) *南の風3163号
 …この間、夜間中学関連の「風」が相次いでいることに大変嬉しく、興味深く読ませていただいてます。とくに庄司先生の基礎教育の概念についてのご発言(3159〜60号)には、多くのことを学ばせていただきました。
 基礎教育における"基礎"について、「『個人の尊厳』を保って生きていけるだけの人間的諸力を形成するために最小限必要」として捉える点は、共感をもって読ませていただきました。そうした概念定義を行うことで、基礎教育として提供される教育内容が「パッケージ化」され硬直化されていくことを防ぎ、内実を当事者の生活の実態や文脈に沿って組み替えていける素地を残せることになると思うからです。
 私なりの意見を加えさせていただくと、基礎教育の概念定義は、関連するはずの実践領域をつないで、政策化していく武器になる必要があるように思います。北九州では、生活困窮者への学び直し支援に厚生労働省のモデル事業の委託を受けてホームレスを長年支援してきたNPOが行う準備を進めているそうです。そうした現場とも協働・共闘できるような概念設定がもう一方で求められているように思います。


3,庄司 匠:基礎教育の概念、補足 (Thu, 26 Sep 2013 22:27)  *南の風3166号
  南の風、3159号・3160号に載せていただいた、基礎教育の概念に関する私の試論について、北海道教育大学・釧路校の添田祥史さんからコメントをいただけたことを大変うれしく思います。そして添田さん(3163号)が、「基礎教育の概念定義は、関連するはずの実践領域をつないで、政策化していく武器になる必要がある」と述べられていることに大いに賛成します。これに関連して、私の試論について若干の補足をしたいと思います。
(1)私自身は、夜間中学校と関わる活動をする中で、主に法律論の観点から、憲法26条2項の「義務教育」の概念を検討することで自分なりに「基礎教育」という概念に達したのですが、いったん「基礎教育」の概念にたどりつき、この概念を中心に考え始めると、この概念は法的概念にとどまるべきものではなく、むしろ法的概念を生み出す母体となるべきものであり、根本的には社会的実践の基盤ないし指針になる概念であるべきだと思うようになりました。
 これは自主夜間中学の位置づけを考えるところからそのような思いに至りました。添田さんは、関連する実践領域とのつながりをさぐることを強調され、具体例として福祉分野との連携を挙げられていますね。このような実践性こそがこの概念のもっとも重要な性格ではないかと私も思います。
(2)私は、「個人の尊厳」の中核部分をなすものは、「自分のことは自分で決めること、ないし自分のことを自分で決めることができること」だと考えますが、その内実はさまざまなものがありうると思います。私が典型例として思い浮かべるのは、たとえば、かなり重要な契約について詐欺などに遭わずに適切に判断できることや、自分の重大な病気などについて医師から告げられたときに、治療方針や生活方針について医師まかせにしないで自分である程度しっかり考えることができることなどです。これらはかなり高度な能力といえますが、完璧ではないにしろ、ある程度はこういったことができないと「自分の人生を生きた」とは言いにくいように思います。
(3)「教育」という概念においては、それを受ける学習者の成長や発達といった面に注目が集まるのが一般だと思いますが、私は教育をする側の教育者自身が自己変革を迫られるようなものでないと真の教育は実現できないように思います。あるいは、学習者と教育者が、そのように明瞭に二分される立場から抜け出て、共同の探究者にならないと教育は実現しないと言ってもよいかもしれません。基礎教育の実践的性格を強調する際にもこの点はきわめて重要ではないでしょうか。
(4)蛇足ですが、私は教員でも研究者でもなく、単なる一般市民として夜間中学校と関わってきた者ですので、「先生」などと呼ばれると自分で非常に奇異に感じます。単に「さん」付けで呼んでくださることを希望します。また、私は教育学や教育そのものに関する本をほとんど読んでいません。なまじこの分野の素人なので怖いもの知らずで基礎教育の概念の試論を述べた次第です。ご容赦ください。


4,石井山竜平:東アジア研究交流委員会(第19回)記録 (Fri, 8 Nov 2013) *南の風3189号
 東アジア交流委員会(11月4日(月)18:30〜東大・李研究室)へのご参集、ありがとうございました。以下、その概要です。
 一つは、科研費申請の報告です。(略)
 もう一つ、この日は、小林先生より「日本(or 東アジア)基礎教育学会」構想が提案されました。
 ここ20年来、日本では基礎教育についての研究者があまり現れず、夜間中学関係者などからの期待にむきあう研究者に乏しい。一方で韓国では、主要な研究者は文解教育の研究・調査を必ず手がけており、そうしたところに学ぶべき点が大きい。「海を越えて」東アジア的な視座で、しかし実質的な協議と行動ができる「小さな」学会がつくれないかとのご提案です。
 短時間ながら識字教育研究をめぐる動向を多彩に提供いただきましたが、なかでも、夜間中学関係者がすすめてきた義務教育充実の立法運動の意義をめぐる指摘、すなわち、近年の社会教育法研究では新たな法の創造にまで議論が至らないなかになって、注目すべき動向が基礎教育領域で現れている、とのご指摘は強く心に残りました。
 東アジアという繋がりのもとで深めるべき大事なテーマとして、識字教育ないしは基礎教育があることを、あらためて確認させられた大事な機会となりました。今後委員会としても、このテーマに関わる研究会を積み上げていくなど、ご提案を生かして、これからを検討していきたいと思います。


5,関本保孝:夜間中学の現在と学会設立の必要性 (Thu, 5 Dec 2013) *南の風3206号
 みなさま 東京・夜間中学の関本です。
 小林文人先生が提唱されている「日本基礎教育学会」。研究者のみなさまのご協力により、ぜひ一日も早く現場を支え、現状を飛躍的に発展させる研究者による学会立ち上げを望みます。
○夜間中学をめぐる流れ
1、戦後、戦争や貧困のため中学校に通学できない子どもたちのため、現場や教育委員会の努力もあり、夜間中学は二部授業として発足しましたが、文部省からは大きな抵抗がありました。
 一方、1954年に発足した全国夜間中学校研究会(全夜中研)では、「夜間学級の法制化」や「全都道府県への公立夜間中学の開設を求めた文科省等への要望書提出」等をねばり強く行ってきました。
2、全夜中研では、2003年2月20日に全国各地への公立夜間中学校開設を求め日本弁護士連合会へ人権救済申立を行い、それを受け、2010年8月10日、日本弁護士連合会より国へ「学齢期に修学することのできなかった人々の教育を受ける権利の保障に関する意見書」が提出されました。 [日弁連意見書]:
→■http://www.nichibenren.or.jp/activity/document/opinion/year/2006/060810.html
 この意見書を踏まえ、全夜中研では2008年大会で、「すべての人に義務教育を!21世紀プラン」を採択しました。これは「いつでもどこでもだれでも」「何歳でもどの自治体に住んでいてもどこの国籍でも」基礎教育としての義務教育が保障されることを目ざした文書です。[21世紀プラン]:
→■http://yakanchugaku.enyujuku.com/shiryou/20081205zenyatyuu.html
3、しかし、日弁連意見書が国へ提出された後も、全国での公立夜間中学校開設が進まない現状があり、全国夜間中学校研究会では、国会超党派議員に議員立法成立への協力を求め、2012年8月3日、そして今年8月6日には、衆議院文部科学委員会全8会派の議員に呼びかけ人になっていただき「超党派参加・国会院内シンポジウム」を開催。与野党とわず、法整備の必要性が力説されました。 
4、このような流れの中、11月19日、足立四中夜間学級への衆議院文部科学委員会の視察があり、小渕優子委員長はじめ10名の超党派議員が参加。授業見学や生徒代表3名の話を聞くなど素晴らしい視察となりました。
 11月27日には、衆議院文部科学委員会で足立四中を視察した宮本岳志議員が夜間中学に関連した質問を行い、下村文科大臣は「文部科学省として総務省に国勢調査の項目に義務教育未修了者の把握について入れるよう要望したい。」「(夜間中学開設は)市町村じゃなくて都道府県が考えれば十分可能性はある。義務教育未修了者が多い都道府県に対しては、文科省でも提案していきたい」との主旨の従来にない画期的な答弁を行いました。
[国会質問]→■:http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.php?ex=VL&deli_id=43273&media_type=wb
○「基礎教育学会」(仮称)設立を!
 以上のような流れは、もちろん多くの研究者のご協力も受けてのものでしたが、主に全国夜間中学校が全国各地の自主夜間中学や夜間中学をつくる会等の協力を得ながら進めてきたものです。
 しかし、このような流を大きくし法整備や制度を作り、予算の確保等を国と自治体で進めるには、今後全国の研究者の協力は欠かせません。「世界各国の基礎教育を支える法律や制度、予算」「日本における基礎教育の歴史や今後、目指すべきあり方(法律・制度・予算等)」「成人基礎教育の社会的な意義・役割」「義務教育未修了者数や実態の把握の方法」等の研究をさらに進め、夜間中学など、基礎教育の問題を社会的に浮き彫りに、大きな世論にすることが求められていると思います。多くの研究者の方々のご協力により、新たな学会が設立されることを現場関係者は切に願っています。よろしくお願いします。


6,森 実:「基礎教育学会」構想について  (9 Dec 2013 10:54) *南の風3209号
 「南の風」どうもありがとうございます。「基礎教育学会」は、私も大いに関心のあるテーマです。これは、「成人基礎教育学会」のことであると考えてよいでしょうか。
 「基礎教育学会」だと子どもの教育もカバーする必要が出てきます。アフリカなどでは子どもも含めて基礎教育が語られますので、もちろんその範囲で学会を立ち上げる可能性もあり得ますが、どちらであるかが明確である方がよいと思い、おたずねします。
Piaac調査を見ても、新聞では「日本は第1位」ばかりが報道されております。しかし、読解力の結果では、5%が「レベル1」または「レベル1未満」です。人数に置き換えると、1億人が成人だとすれば、500万人ということになります。しかも、日本の調査回答率は47%と低くなっています(第2位のフィンランドは66%)。
 震災救助法対象地域が調査対象から除外されていることも、回答率に関係していると思われます。
 さらに、日本では住民基本台帳から対象者を選んだ(=外国人は除いた)という一方で、諸外国では外国人も調査対象になった、という情報もあります。しかるべき方法で実施したとしたら、第1位からの陥落はもちろん、5%という数字も変わる可能性があるものと思えます。もちろん500万人という数字でも、日本が成人基礎教育政策を持つべきであることを論じるには十分でしょう。
 可能な限り参加したいと考えておりますので、動きがありましたら、是非お知らせください。


7,小林文人:「基礎教育学会」への模索  *南の風3206号(2013年12月6日)
 数年前から「基礎教育学会」の構想を、夜間中学の先生方と語り合った経過があります。社会教育学会やTOAFAEC 関連の自由な集いで、話題にしたことも…。それを記憶されて関本保孝先生から「夜間中学の現在と学会設立の必要性」(南の風3206号)が寄せられたのでしょう。この段階で、もっと積極的に動いてほしい、期待は大きい、とのメッセージがこめられています。
 南の風でも、9月に一つの動きがありました。14日〈土〉の夜間中学の集いで話題になったあと、庄司匠さん(夜間中学校と教育を考える会)からの「基礎教育の概念」同「補足」(風3159号、3165号所収)。これを受けて釧路の添田祥史さん(北海道教育大学)のコメント(3163号に収録)。
 また大阪教育大学・森実さんから「地域の識字・日本語学習支援体制を作る」同大学・中期計画や、「広く日本に「識字日本語学習推進法」(仮)などの制定をめざす」思いが風に寄せられました(3156号)。
 1ヶ月ほど前に開かれた東アジア研究交流委員会の小さな集まりで、小林は「日本 or 東アジア 基礎教育学会・構想」を語りました(11月4日,東大・李正連研究室)。この日の論議は、石井山竜平さん(東北大学)が風3189号に報告しています。「東アジアという繋がりのもとでも深めるべき大事なテーマ」「今後、委員会としても、このテーマに関わる研究を積み上げていきたい」など。この席では、日本社会教育学会のなかで「基礎教育」「識字研究」等に関心ある研究者のお名前が10人ほど挙がりました。
 夜間中学の関係者や関西の方々とも相談して、いちど準備・模索の集まりをもってみては如何でしょうか。年内は無理としても、新年の集いを企画できないでしょうか。
7−(2)「基礎教育」について(小林文人) *南の風3209号(2013年12月11日)
 3206号「基礎教育学会への模索」について、大阪の森実さんから「私も大いに関心のあるテーマ」とコメント(上掲)が寄せられました。「可能な限り参加したいと考えております・・・」とのこと。「成人基礎教育」の意かとお尋ねもありました。夜間中学の先生方は「義務教育」学校の立場から「基礎教育学会」への強い期待がありますから、「成人基礎教育」より更に広い関心、識字実践・成人基礎教育を含めつつ、「学校」に関わる制度概念としての「基礎教育」学会への構想を考えているのですが・・・。
 このあたりのことも含めて、準備的に語りあう機会をもつことができれば幸いです。学会シーズンも終わってすでに年末、無理になってはいけませんが、来年になって、森さんなどが東京に見える機会があれば、お知らせください。可能な範囲で研究会的な集まりを企画したいもの。


8,庄司 匠:「基礎教育学会」(仮称)構想についての希望
         (Thu, 22 May 2014 01:08) *南の風3304号
 南の風にたびたび「基礎教育学会」(仮称)設立へ向けての話題が載り、大変うれしく感じながら拝読しています。「基礎教育」の概念については、以前、私の試論を南の風に載せていただき(3159号、3160号)、添田祥史さんのコメント(3163号)を受けて補論も載せていただきましたが(3166号)、今回改めて、この概念設定について私の希望をお伝えしたいと思います。
 3209号で森実さんから、「基礎教育学会」とは「成人基礎教育学会」のことだと考えてよいですかという質問が出され、同号で小林先生は、「成人基礎教育」より更に広い関心、識字実践、成人基礎教育を含めつつ、「学校」に関わる制度概念として構想している旨のコメントを述べられています。私の希望はこの点に関わってのものです。
 私の希望では、「基礎教育」は教育の内容としては「義務教育」の全部または大部分を含みつつ、「社会教育」の一部をも含むもの、したがってある意味、「学校教育」の枠さえ超えて、むしろ「学校教育」を問い直す視点を与えるものとして構想していただきたく思います。「成人基礎教育」はそれ自体としてとても重要なものだと思いますが、これは「補償教育」という性格が強く出るのではないかと思います。
 しかし、そういう問題領域だけでなく、公教育制度の根幹をなす義務教育のあり方を根本から問い直すこともまたきわめて重要であり、そのための視点を提供するうえでも「基礎教育」概念の本質を問うことは大切だと思います。
 つまり、そもそも「教育」とはいかなる作用ないし事象であるべきか、そしてその中で「基礎」と呼ぶべき範囲はどこまでか、この根源的な問いに応答することが大切ではないかと思います。
 いま昼の小学校、中学校が荒れているとか困難に直面しているといった話をよく聞きます。私のみるところでは、いまの学校は強い権力関係が支配している場です。そのような場で道徳教育や平和教育といった「価値を伝える教育」がはたして真の意味で成立可能なのでしょうか。君が代斉唱問題に表れるような教師の思想良心の抑圧状況の中で、はたして教師は教師として立てるのでしょうか。競争をどんどん強化すれば、技術的にだけ優秀で他人の痛みや社会の根本問題には鈍感な人間や、競争に敗れて自信喪失した人間を大量に作り出すことになると思いますが、何ゆえそんな方向に行こうとしているのでしょうか。
 これらの問題を問い直すことに「基礎教育」概念が役立つものであってほしいと思います。ちなみに、国際人権A規約第13条は「教育への権利」を規定していますが、これに関する社会権規約委員会の「一般的意見第13号」(1999年)の中では、A規約13条2項(d)の「基礎教育」(fundamental education)は「万人のための教育に関する世界宣言」における「基礎教育」(basic education)の概念に対応すべき旨、および「基礎教育」への権利の保障対象者は「初等教育を受けなかった者またはその全課程を修了しなかった者」に限られない旨、が述べられていて、大いに参考になるのではないでしょうか。


9,TOAFAEC 年報「東アジア社会教育研究」1〜18号(1996年〜2013年)所収
 − 基礎教育・夜間中学・識字実践・調査など関連論文・報告資料一覧− (2014/06/08 小林)
○創刊号(1996年) 
金宗西(方玉順訳):韓国の文解(識字)教育問題の考察
内田純一・梶野光信 :東京の識字実践が問いかけるもの
茅野明子 :「国際識字中間年NGO世界会議」報告、同宣言訳
○第2号(1997年)
イ・ウィジック(呉 泰敏、江頭晃子訳):識字運動釜山『広場図書館』三・一の日に
甲斐武子、中森美都子、横山文夫、遠藤輝喜、内田純一、小林文人:
    「東京の識字実践1997−課題と展開−」(座談会)
黄宗建 (Summary 内田純一):Problem of Literacy and Adult Education in Mongolia
○第3号(1998年)
林良華(訳 林 郁慧、黄 暖螢):台北市中学校付設補習学校の教育事業の現状と展望
見城慶和:夜間中学の教育実践−37年の教師生活をふりかえって−(和光大学特別講義)
○第4号(1999年)
江頭晃子、資料・テープ訳(呉 泰敏):第10回韓国文解教育協会年次大会・参加報告
小林文人:<講演記録> 東アジア地域における識字教育運動の研究・交流・協力 →■
ジョン・スヨン、イ・ソンジェ他:文解教育振興のための課題と提言、文解後の読書指導
江頭晃子、資料・テープ訳(金子 満):韓国の文解教室の現状と課題
               −安養市・市民大学と大邱市・新岩平生教育院の取り組み−
大沢敏郎:横浜 寿識字学校からの報告−識字・深くいのち輝くときを−
黄宗建氏・自分史をかたる(1)−金 済泰氏とともに−(聞き手:小林文人)→■
○第5号(2000年)
胡興智 訳:「80%から15%に〜中国識字(掃盲)教育50年〜」
 (王 岱執筆、中国国家教育部編『共和国教育50年』北京師範大学出版1999年)
遠藤輝喜:人権としての日本語教室・学習の課題(東京・渋谷)
黄 宗建氏:自分史をかたる(U)−金 済泰氏とともに−(聞き手:小林文人)→■
○第6号(2001年)
見城慶和:私の出会った生徒たち−夜間中学校の現場から−
近藤恵美子:見城慶和・夜間中学校実践から思うこと
○第8号(2003年)
高佳芳:台湾の補習学校の歴史と現在
李偉成:広州市外来労働者子女の義務教育について
横山文夫:公的保障の実現に向けた日本語フォーラム全国ネット
○第9号(2004年)
高佳芳:台湾に在住する東南アジアからの花嫁―その現状と育児等の諸問題―
○第11号(2006年)
王曉華、包聯群:中国少数民族の言語問題と教育機会―黒龍江省におけるモンゴル族を中心として
○第12号(2007年)
浅野 かおる:韓国・生涯学習をめぐるこの1年の動き −2006年を中心に−
鄭任智:『國家語言發展法草案』政策の生成背景に関する考察
○第13号(2008年)
李正連:韓国の改正平生教育法に関する考察 ―その意義と課題―    
       資料「平生教育法新旧対照表」「平生教育法施行令新旧対照表」 
浅野かおる:韓国・生涯学習をめぐるこの1年の動き ―2007年を中心に―  
        「安山市成人文解教育支援に関する条例」「慶尚北道文解教育支援に関する条例」
包聯群:中国黒龍江省ドルブットモンゴル族自治県における成人教育について
添田祥史:沖縄における義務教育未修了者の学習権保障問題の現状と展望  
○第14号(2009年)
萬 稀 (訳・金侖貞):韓国文解教育の現況と課題                           
○第15号(2010年)
斉志勇・韓民(訳:賈燕):中国における識字教育の進展 ―甘粛省を事例として  
李正連:文解基礎教育法(案)・解題  
○第16号(2011年)
柴尾智子・小林文人ほか:対談・アジアにおける識字・CLCと公民館の出会い
添田祥史:日本における識字実践・研究の潮流―東アジアと夜間中学増設運動―              
○第17号(2012年)
高春梅(訳:包聯群):中国北方少数民族ダグル人の民族教育や文化継承の実態
                 − 黒龍江省チチハル市を中心に −    
○第18号(2013年)
呉永鎬:朝鮮民主主義人民共和国における成人教育の歴史的展開    
大安喜一:バングラデシュにおけるノンフォーマル教育の挑戦          
ハスゲレル(哈斯格日楽):モンゴル民族学校を選択する意味            
                 ―内モンゴル自治区A・ホショーのインタビューから―
○第19号(2014年)
藤田美佳:結婚移住女性に対する韓国語教育の課題−「多文化」か「同化」か−



全国夜間中学校研究大会(第54回、2008年)全体会 演壇に関本保孝さん (八王子、20081204)

10,関本保孝:夜間中学をめぐる新しい動き(Wed, 30 Jul 2014 01:18)  *南の風3342・3345号
 すでに何回か8月1日開催「超党派の夜間中学等義務教育拡充議院連盟と全国夜間中学校研究会の共催院内シンポジウム」の情報をお送りさせていただきました。ぜひご参加下さい。以下、関連情報の提供です。申込用紙あり→■ http://zenyachu.sakura.ne.jp/public_html/annai.html 
 以下、昨日の情報です。〜2014年7月28日時事通信社:「夜間中学増設で支援拡充=全都道府県に1校へ―文科省」
 文部科学省は、現在8都府県に31校しかない公立夜間中学を各都道府県に最低1校設置できるよう地方自治体への財政支援を拡充する方針を固めた。夜間中学は、経済的理由や不登校などで義務教育を受られなかった人が通うが、近年では外国人の生徒が増加。教員への特別な研修や専用教材が必要となり、設置に対する自治体の負担感は強い。このため、2015年度予算概算要求に助成増額を盛り込む。
 夜間中学は、主に市立や区立中学校が夜間に開設する学級のことで、設置状況は大阪府11校、東京都8校、兵庫、奈良両県が3校、神奈川、広島両県が2校、千葉、京都両府県で、関東と関西の大都市部に集中。従来は、戦中戦後の混乱で義務教育を修了できなかった中高年層が主な対象だったが、13年5月時点では生徒総数1879人のうち1442人が外国人となっている。
 未設置地域では、卒業資格が得られない「自主夜間中学」などでボランティアが教えているのが実情。義務教育の未修了者など夜間中学を必要とする人は全国に12万人以上いるとみられ、文科省は今後、各都道府県の県庁所在市などに1校以上設けるよう要請する。市の財政状況が厳しい場合は都道府県が夜間中学を運営することも認める方向だ。
 夜間中学の生徒は、国籍や年齢、学力などが大きくばらついていることから、文科省は現在も通常の義務教育関係費とは別に教材作成などに充てる経費を配っている。しかし、1校当たり数万円の少額にとどまるため、15年度から大幅に増額する方針だ。
 また、夜間中学の増設を進めるに当たり同省は、国勢調査などを活用し、実態が分からなかった義務教育の未修了者数も正確に把握する。
 →■
http://ten.tokyo-shoseki.co.jp/news/detail.php?newsId=20140728170458     

 以下、義務教育未修了者のための主な公的学習機関の紹介です。
1、夜間中学校:8都府県に31校しかありません。北海道・東北・埼玉県以北の関東・中部・四国・九州沖縄には1校もなく、圧倒的多数の方は通学できません。(全国各地より転居したり往復4時間以上の遠距離通学をし、年間の通学定期代が20万円を超える方も。)
2、通信制中学:中学卒業資格を取得できるのは日本で唯一、東京・千代田区立神田一橋中学通信教育課程のみ。都内在住又は在勤者のみ入学可(大阪・天王寺中通信は5教科のみで卒業資格は取得不可)。
3、長野県松本市立旭町中学校桐分校:日本で唯一の刑務所内の公立中学校。松本少年刑務所の中にあるが、全国の受刑者(中高年齢者も含む)の中から,義務教育を修了していない人で,勉学の希望の強い人が選ばれて来る。ここで勉強した受刑者は出所後の再犯率が非常に低いと言われる。
4、特別支援学校成人クラス:河合隆平氏(金沢大学)、猪狩恵美子氏(福岡女学院大学)によると、都道府県のわずか十数カ所で実施(2017年7月現在)。1978年以前の養護学校義務制以前の就学猶予者・免除者が中心。 
※以上の他、下記の取り組みもある。
・沖縄県南城市リカレントスクール:戦中・戦後学校で授業が受けられなかった方々に週1〜3回、希望する小学校又は中学校で学習する機会を提供する事業。
・岡山市シニアスクール:対象60才以上。市内の清輝小学校・岡輝中学校で週2〜3回中学校の内容を学習。
・自主夜間中学:全国に二十数カ所あるが、多くは公的支援も不十分で、会場・スタッフ・予算の確保等大きな困難をかかえている。
 以上7つは、全て義務教育未修了者にとって意味があるが、そこで学べる人は、全国百数十万人と推測される義務教育未修了者の1%にはるか及ばない。

 多様な取り組み:
@外国人集住都市:2006年11月に採択された「よっかいち宣言」では学齢超過者の学習機会確保のため国・県に夜間中学拡充等を強く求めました。→■http://www.shujutoshi.jp/siryo/  
A元不登校・ひきこもりの若者:内閣府平成22(2010)年2月実施の「若者の意識に関する調査(ひきこもりに関する実態調査)」によると,「ひきこもり」は69.6万人と推計。11.9%約(8万3000人)が不登校(小中高校)がきっかけと回答。今回は小学校で不登校になり夜間中学の多様な人間関係と3年間の学習を経て高校・大学そして社会人として活躍する秋元伸一さんが体験発表します。
 →■http://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h25honpen/b1_04_02.html  
B無戸籍・居所不明者:東京や大阪・広島などの夜間中学には、2000年代以降、無戸籍や居所不明者等の在籍が増加。全国には数万人以上がいると考えられ、メディアでも報道されています。
 →■http://www.asahi.com/articles/ASG6M7G0QG6MPTFC01M.html  
C難民:夜間中学にはアフガン、スーダンなどアジア・アフリカの難民などがいます。十代後半以上の難民にとって夜間中学はなくてはならない存在です。今回は第三国(タイ)経由のミヤンマー難民の若者が体験発表します。→■http://www.gov-online.go.jp/useful/article/201201/5.html  
D脱北者:1990年代より東京や大阪などの夜間中学にかなりの脱北者が入学し自立の道を歩んできました。一部新聞報道もされています。

 「いつでもどこでもだれでも」「何歳でもどの自治体に住んでいてもどの国籍でも」基礎教育としての義務教育が保障される社会への移行が必要である。
【参考】全国夜間中学校研究会2008年12月採択「すべての人に義務教育を!21世紀プラン」
→■http://yakanchugaku.enyujuku.com/shiryou/20081205zenyatyuu.html    

 この間の「夜間中学等義務教育拡充議員連盟」結成(今年4月24日、馳浩会長)、5月17日の笠浩史衆議院議員国会質問と下村文科大臣等の積極的答弁(「1県に1校の夜間中学は必要」「義務教育未修了者数把握のため2020年国勢調査に向け調査項目改善を検討する」など)、7月17日の議員連盟による大阪・守口市立第三中学校夜間学級視察等々、政府・国会での変化の意味は大きい。
【参考】馳浩議員連盟会長ブログ「はせ日記」より(7月17日の守口三中夜間学級視察コメント)
「・・・その数字(義務教育未修了者数)をきちんと把握できていない政府には、実態調査の督励を促さねばならないが。そもそも、義務教育未修了者対策の政策が皆無だった、これまでの自民党の教育政策を反省しなければならない。いや、猛省、だ。・・・」と、義務教育未修了者数把握の重要性、従来の政策の不十分さ、そして生徒の学ぶ姿や声から多くのことを学ばれたことを率直に述べられ、関係者の間で大きな共感をよんでいる。http://ameblo.jp/hase-hiroshi/entry-11897952155.html     


11,関本保孝:夜間中学等議員立法について〜その@ 国の動向(Sat 4 Oct 2014 14:52)
                                          *南の風3381号 (2014/10/6)
 全国夜間中学校研究会では、この間、全国の自主夜間中学・夜間中学をつくる会・研究者・市民などの協力して、超党派の国会議員に働きかけてきました。その結果、4月24日の超党派国会議員参加「夜間中学等義務教育拡充議員連盟結成」や下村博文文部科学大臣の「1県に1校に夜間中学設置は必要」との発言や文部科学省の来年度予算概算要求での夜間中学設置に向けた調査研究費が初めて盛り込まれるなど、大きな前進を見せています。そこで、この間の状況を数回にわたりお送りさせていただきます。
 《この間の国の動き》※特にことわりのないサイトは、全国夜間中学校研究会ホームページです。
【2011年12月】第56回全国夜間中学校研究大会〜「義務教育に相当する学校教育等の環境の整備の推進による学習機会の充実に関する法律案 」(義務教育等学習機会充実法案)につ会員に提示。
 →■ http://zenyachu.sakura.ne.jp/public_html/houan.html
【2012年8月3日及び2013年8月6日】義務教育等学習機会充実に関する議員立法成立に向けた超党派参加・国会院内集会開催(2012年8月3日 約170名、2013年8月6日約130名がそれぞれ参加。大きな成果を収める。)
【2013年11月19日】衆議院文部科学委員会による足立区立第四中学校夜間学級の視察が行われ各議員の認識が深まった(小渕優子委員長を含め超党派10名の議員視察、文部科学省初等中等教育局長等文科省関係者9名も同行)。
 →■ http://zenyachu.sakura.ne.jp/public_html/annai.html#a6 
【2013年11月27日】衆議院文部科学委員会で宮本岳志議員による質問が行われ下村博文文部科学大臣より国勢調査の項目改善や都道府県への働きかけ等について,従来にない積極的な答弁があった。
 →■ http://zenyachu.sakura.ne.jp/public_html/annai.html←「衆議院文部科学委員会議事録pdf2013年11月27日」参照
【2014年4月24日】衆議院全8会派が参加し、「夜間中学等義務教育拡充議員連盟」が結成され、議員立法成立へ一歩前進した。
 →■ http://zenyachu.sakura.ne.jp/public_html/annai.html#a8
「カトリック新聞」2014年5月25日付
 →■ http://www.cathoshin.com/2014/05/23/ejh-diet-members/ 
【2014年5月21日】笠浩史衆議院議員が国会で質問し下村博文文部科学大臣等より国勢調査の項目改善や全都道府 県への夜間中学校開設開設からさらに一歩前向きな答弁があった。
 →■ http://zenyachu.sakura.ne.jp/public_html/annai.html#a10
【2014年7月3日】教育再生実行会議,「第五次提言」で「義務教育未修了者の就学機会の確保に重要な役割を果たしているいわゆる夜間中学について,その設置を促進する」と安倍首相に提言。
 →■http://zenyachu.sakura.ne.jp/public_html/annai.html#a11
【2014年8月1日】夜間中学等義務教育拡充議員連盟及び全夜中研の共催による「8.1『夜間中学等の全国拡充に向けた』国会院内シンポジウム」実施、(約200名参加)。大きな成功を収める。
 →■ http://zenyachu.sakura.ne.jp/public_html/annai.html#a14
「国会院内シンポジウム2014/8/1君は夜間中学を知っているか@〜F」当日の動画を見ることができる。
 →■ http://yokohamayakan.blog118.fc2.com/blog-date-20140725.html
 神奈川・横浜の夜間中学を考える会・ブログより
【2014年8月29日】「子供の貧困対策に対する大綱」において、「義務教育学齢超過者等の就学機会の確保に重要な役割を果たしている夜間中学について、その設置を促進する」を盛り込む。
 →■ http://www8.cao.go.jp/kodomonohinkon/kaigi/index.html 
 「資料2 子供の貧困対策に関する大綱について(閣議決定案)(案)」P14参照
【2014年8月29日】文部科学省、来年度予算概算要求において、初めて夜間中学未設置の道県・政令市教委への設置のための調査研究費などを盛り込み,今年度300万円から4400万円へ大幅増の予算要求を出す。「初等中等教育局の概算要求説明」P9参照
 →■http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2014/08/28/1351651_5.pdf
【20149月3日】文部科学省、全国の自治体に自主夜間中学の実施状況や夜間中学設置要望等に関し調査実施。

12,関本保孝:夜間中学等議員立法について〜そのA国会議員(12 Oct 2014 14:15) *南の風3384号
 <夜間中学等議員立法〜そのA国会議員>
 東京・元夜間中学教員の関本です。夜間中学等議員立法成立に向けた超党派「夜間中学等義務教育拡充議員連盟」議員の積極的な意見表明を紹介します。
1、馳浩衆議院議員(自由民主党・議員連盟会長・元文部科学副大臣)【AppleTown 2014年9月号169回「夜間中学校」馳浩衆議院議員】
→■http://apa-appletown.com/?eid=219 
・前略・・超党派の国会議員による議員連盟を今年の四月にようやく設立し不肖馳浩が会長に任命された次第。議員連盟の方向性は明確である。以下4点。 @議員立法を作り。法的根拠のもと、一定の公的支援を拡充すべきである。Aせめて全都道府県の県庁所在地には夜間学級を一校でも設置すべきである。B諸事情で通学日数が足りないまま形式的に中学校を卒業した者にも、チャンスを与えるべきである。C国籍、年齢を問わず日本社会で生きていくための基礎教育、普通教育を学ぶ権利を保障すべきである。・後略・
2、笠浩史衆議院議員(民主党・議員連盟事務局長・元文部科学副大臣)
 →■http://ryu-h.net/report/
【衆議院議員 文部科学委員会理事 笠ひろふみ OFFICIAL WEBSITE】2014年8月1日 議員会館で『夜間中学等の全国拡充に向けた』国会院内シンポジウムに出席しました。・・・卒業生や自主夜間中学関係の方々等から様々な意見表明があり、最後に全都道府県に夜間中学を開設することを目指すアピールを採択しました。また、このために仮称)義務教育等学習機会充実法案の制定に向けた要望も頂きました。全ての人の学習権を保障し、義務教育未修了者の教育の機会を拡充するために、議員立法の成立を目指して引き続き頑張ります。
3、萩生田光一衆議院議員(自由民主党総裁特別補佐・議員連盟幹事長代理)【はぎうだ光一の永田町見聞録livedoor Blog】
 
→■http://blog.livedoor.jp/hagiuda1/archives/52104672.html (文部科学委員会の足立区立第四中学夜間学級視察)・・・正直、現場に着くまでは「何で公立中学校で外国人に日本語を教えてるんだろうか?」・・など各委員からもネガティブな意見があり心配していたのですが現場へ行ってみると事情は大きく違いました。中国残留孤児の2世、3世、日本人の父を持つフィリピン人、脱北者の北朝鮮、在日韓国等それぞれ日本との関わりの中で語学力が足りず中学へ行けなかった、授業について行けなかった方々で、これからも日本社会で頑張っていきたいと真剣に学んでいる生徒ばかりでした。一方、日本人では家業を手伝う為に学校へ行けなかった50代や不登校で一度は人生をも諦めた女の子から様々なお話を聞きました。皆さん、再チャレンジの機会を大切に頑張っておりますし大げさでなく全ての生徒が「学校が楽しい」「勉強ができるのがうれしい」と目を輝かせており、教育の原点を見た感がいたしました。・・・教育の持つ力をこの国の力に変えていけるよう夜間中学も応援してまいります。
4、鈴木望衆議院議員(維新の党・議員連盟副会長)
 
→■https://twitter.com/NSuzuki1092/status/489751580376190977 
 副会長をしている夜間中学校議員連盟で守口市第三中夜間学級を視察。ここには学ぶ機会を得て、喜んで学んでいる人々がいる。いじめや家庭の事情などで学ぶ機会を失った人々に学ぶ機会を提供しなければならない。
5、稲津久衆議院議員(公明党・議員連盟副会長)「いなつ久活動アルバム」
 
→■http://inatsu.com/wp/?paged=4 
 7月31日、文部科学部会で党の「義務教育条件整備に関する検討小委員会」がまとめた提言を下村文部科学大臣に提出しました。・・・重点政策要望では、子ども・子育て支援新制度の予算確保や幼児教育無償化の推進、・・中略・・夜間中学校の都道府県ごとの設置についても訴えました。下村文科大臣より、「全て大事な内容だ。財源確保へ公明党と協力して進めていきたい」と仰っていただきました。
6、宮本岳志衆議院議員(日本共産党・議員連盟副会長)
 
→■http://www.jcp.or.jp/akahata/aik13/2013-12-12/2013121204_03_0.html 
 2013年11月27日衆議院文部科学委員会質疑 文科大臣、夜間中学設置、国勢調査改善について積極的な考え表明。
7、青木愛衆議院議員(生活の党・議員連盟副会長)
 
http://ameblo.jp/aoki-ai-seikatsu1/entry-11832522693.html 
 義務教育をいろいろな事情により修了できなかった方々が、全国に大勢いらっしゃいます。・・・全国47都道府県に最低1校の設置ができるよう超党派で参画した議員の総意でもありますので実現させて行かなければならないと思います。※【参考資料】全国夜間中学校研究会ホームページ
 →■http://zenyachu.sakura.ne.jp/public_html/annai.html 
 @201年11月27日 宮本岳志衆議院議員文部科学委員会議事録 A2014年5月21日笠浩史衆議院議員文部科学委員会議事録。

13,関本保孝:夜間中学等議員立法〜そのB義務教育未修了者数 (Tue, 14 Oct 2014)*南の風3387号 
 夜間中学等議員立法成立及びその後の全国各地での夜間中学開設をはじめとした義務教育拡充のためには、義務教育未修了者数の把握が欠かせません。そのための国勢調査・項目改善について述べます。
1、吉川春子参議院議員の質問主意書に中曽根康弘首相は1985年1月22日の答弁書で、義務教育未修了者約70万人程度と回答。
→■http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/102/meisai/m102013.htm
2、2003年3月26日畑野君枝参議院議員、2005年2月25日の太田昭宏衆議院議員、2007年4月23日の神本美恵子参議院議員等の質問に、政府は「義務教育未修了者数把握は困難」「国勢調査項目改善はデリケートな問題」等と答弁。項目改善を避けてきた。
3、2013年11月27日、宮本岳志衆議院議員の質問に、下村博文文部科学大臣は総務省に国勢調査に義務教育未終了者を把握するための項目を入れるよう要望したいと積極的答弁をした。さらに2014年5月21日の笠浩史衆議院議員の質問に対し「義務教育未修了者について項目追加を総務省に要望した」(下村文科大臣)、「文科省はじめ、先生方、国会のみなさん、関係各位の期待に応えられるように、しっかり今検討を進めようとスタートした。」(総務省松本大臣政務官)と、義務教育未修了者数把握のため国勢調査・項目改善の方向性を明言した。
→■ http://zenyachu.sakura.ne.jp/public_html/annai.html   
◆現在の国勢調査問題点について  ※右は「国勢調査票」
→■http://www.stat.go.jp/data/kokusei/2010/users-g/pdf/tyousa.pdf  
 国勢調査の調査票教育項目、「在学中」または「卒業」の項目は、「小学・中学」「高校・旧中」「短大・高専」「大学・大学院」から選択する。また、「未就学」は「幼稚園」「保育園・保育所」「乳児・その他」から選択する。
@小学校と中学が同一ブロックの問題あり。「小学校卒業者」(小学校のみ卒業、中学中退も含む)と「中学校卒業者」の分離が必要。A15才以上の「未就学者」(小学校は全く行ったことがない人または小学校中退者)は、「乳児・その他」に印をつけることになっているが、わからず印をつけない可能性がある。「乳児」と「その他(15才以上)」への独立やルビふり等、わかりやすい「国勢調査票」にすることが求められる。(外国語版等はあり) ※「未就学者」と「小学校卒業者」が把握できれば、合計数が義務教育保障の対象としての「義務教育未修了者数」となる。
◆あなたの住んでいる自治体(市区町村)の「未就学者数」が検索できます。 
 ※以下、インターネットで入力・検索して下さい。
@「総務省統計局」入力→A「国勢調査」→B「調査のご案内」の中の「調査の結果」→C「統計表一覧eStat」→D産業等基本集計(労働力状態、就業者の産業など)の「+都道府県結果」の+の部分をクリックする。→ E都道府県の一つ選択 →F「教育」10−2の「CSV」をクリック→G現れたエクセルファイルをクリックする →H県(都道府)の表全体が表示されます。一番上にその県(都道府)の全体数、その下にその県(都道府)内の市町村全てが表示されます。「○市」など検索に入力すると、「○市」が優先的に表示されます。男女総数→男→女の順に表示。数値の項目は左から以下の通り。「総数(教育)」「卒業者」「小学校・中学校」「高校・旧中」「短大・高専」「大学・大学院」「卒業者(不詳)」「在学者」「未就学者」
◆全国夜間中学校研究会では、義務教育未修了者数は「未就学者」の十倍前後、百数十万と推計。2010年国勢調査「未就学者」は12万8187人。


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庄司 匠:基礎教育学会(仮)構想−新学会の名称について(29 Oct 2014) 南の風3393号
 新学会の名称をどうするかについてですが、「日本識字基礎教育学会」というのはいかがでしょうか。
 その意味するところは、「識字(ないし識字教育)の理念に立脚した基礎教育の実践と理論に関わる、日本の学会」というようなことです。
ア)「識字」という、かなり意味の強い文言が入っているので、既存の「日本基礎教育学会」と混同されるお
 それはほとんどないと思われます。
イ)難点は、「識字」「基礎」「教育」という3つの熟語がいっけん並列的につなげてあるので、全体の意味を
 把握しにくい点にあると思います。
 すなわち、「識字基礎教育」という字づらだけからは、
a)「識字(ないし識字教育)の理念に立脚した基礎教育」という意味
b)「識字教育と基礎教育」という意味(を無理に短縮して表現したもの)
c)「識字の基礎を教える教育」という意味
 くらいの意味の取りようがありうるように思いますが、c)は実質的に何を意味しているのかが不明ですし、b)はそのように受け止める人がいてもかまわないのではないかと思います。a)を意図したものだということは、補足的に説明するなり、英訳を付けるなりすることによって、だんだん定着させていけるように思います。よろしくご検討ください。

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