※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※      みなさん、こんにちは。    「 セルフ・カウンセリング ♪自分の心に出会えるメルマガ♪ 」    をお読みいただきありがとうございます。    みなさんは、セルフ・カウンセリングという言葉を    耳にしたことがおありですか?    これは、渡辺康麿氏が創案した、    書いて読む、一人で出来る自己発見法です。    私たちは、このセルフ・カウンセリングを学んでいるグル-プですが、    みなさんにも、ぜひ、この方法をお伝えしたいと思い、    同氏の著書を連載することにいたしました。    楽しくお読みいただけたら幸いです。   〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜    連載になっております。興味のある方は、    バックナンバーからお読みいただくとわかりやすいと思います。       1号〜    「自分の心に出会える本」     23号〜    「自己形成学の創造」     32号〜    「セルフ・カウンセリングの方法」     62号〜    「自分って何だろう‐現代日本人の自己形成‐」    136号〜    「大人の自己発見・子どもの再発見」 176号〜    「自分を見つける心理分析」 286号〜    「避けられない苦手な人とつきあう方法」 334号〜    「わかっていてもイライラするお母さんへ」 356号〜    「小学生にわかっていてもイライラするお母さんへ」     376号〜    「反抗期とわかっていてもイライラするお母さんへ」 394号〜    「子どもの言い訳がなくなるかしこい方法」    426号〜 新連載「子どものやる気を引き出すセルフ・カウンセリング」  バックナンバーはこちら→https://secure02.red.shared-server.net/www.self-c.net/mg/index.html   〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜* ************************************** **************************************    人は、生まれてから今に至るまでの人生の中で、    いろいろな経験をします。        そして、その経験を通して、    「こうしなければならない」とか「こうあらねばならない」とかいう    その人なりのモノサシを形作っていきます。    自分の生い立ちを振り返ることによって、    無意識に取り込んできたそのようなモノサシに気づき、    そのとらわれから自由になっていく方法を    自己形成史分析といいます。    セルフ・カウンセリングという方法は、    このような、自己形成史分析という    自己探究の方法が基礎になっています。        ☆★☆ セルフ・カウンセリングとは? ☆★☆    セルフ・カウンセリングでは、    自分が経験した日常生活のある時の場面を書きます。        家庭や学校、職場での場面など、どのような場面でもかまいません。        テレビを見た時、本を読んだ時、一人で考えている時など、    相手がいない場面も大切な題材になります。    もちろん文章の上手・下手はまったく問題ありません。    専門知識も必要ありません。        自分が見たこと、聞いたこと、思ったこと、言ったこと、したことを、    時間の順にそのまま書くと、リポートになります。    まず、自分が何を悩んでいるのかわかります。    その悩みの奥に、どのような願いがあるのかわかります。        そして、相手の気持ちがわかります。        そうすると、自分と相手の気持ちを尊重しつつ、    心を通わせてゆくための知恵が生まれます。        人間関係のすべてに共通する心のからくりを、    自分の経験を通して学ぶことができます。 ************************************** **************************************              「子どものやる気を引き出すセルフ・カウンセリング」                             渡辺康麿著  より抜粋    ( vol .  17 ) ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++      ─ 第二章 対話に導く     〜 小学校の先生の、セルフ・カウンセリングによる教育実践  ─            ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++   ─ 第2節 セルフ・カウンセリングによる少人数教育の実践              〜 元先生の、少人数教育の実践  ─ ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++  第7回  〜 自分のことを話したら、お友だちの話も聞いてみよう  ☆★☆ 一人ひとり、みんな違うんだということを子どもたちに知ってほしいな ☆★☆  前回の授業(グループ学習)の時、  私は、子どもたちが自分の心のセリフを表現することはできたと思いました。  けれども、せっかく、それぞれの子どもたちが、一人ひとり、様々な心のセリフを発表しても、  おたがいに聞きあうということが、今一つできていないな、と感じました。  私は、一人ひとり、みんな違うということ、  みんな様々な思いを持っているということを、  おたがいの発表を通して、学んでもらいたいと考えていました。  そこで、友だちの話を聞く練習を、授業(グループ学習)の中に取り入れてみようと思い立ちました。  けれども、前回の様子から考えると、  私はただ「ほかのお友だちの話を大事に聞こうね」と言っても、  子どもたちは、ほかのことに気を取られてしまうので、聞く練習になりそうにありません。  子どもたちが、人の話を“聞く”ということに慣れるための教材が必要だと思いました。  私は、2つの案を考えました。  まず、4人の子どもを、2人ずつのペアにします。  そして、話す役と、聞く役を決めます。  話し手が、話すと、聞き手は、それをメモしてゆきます。  聞き手が聞く時には、とにかく、相手に  「それはおかしい」とか、「こういうふうにすればいいのに」というような意見を言わずに聞く、  というルールを決めます。  次は、もう1つの案です。  私がお話を用意しておいて、全員の子どもに聞かせます。  話が終わったら、クイズ形式で、お話の内容についての理解を深めてゆきます。  どちらの案にするかは、その日の子どもたちの様子を見てから、決めようと思い、両方の教材を持ってゆきました。  ☆★☆ 今日は、お友だちの話を聞いてみようね ☆★☆  その日、授業(グループ学習)に参加した子どもは、2人でした。  1年生のゆうすけ君と、あいちゃんです。  いつもより人数が少ないせいか、2人とも、私に、「先生、あのね、きょうね」と話を始めました。  ゆうすけ君も、あいちゃんも、自分の話を早く聞いてほしかったのでしょう。  おたがいの話をさえぎって、私に向かって、自分の話をしようとします。  私は、  <そうだ、いま、話したいことを、一人ずつ話してもらおう。   そして、聞いている子には、その話が、どんな話だったのか、   その話を聞いて、どう思ったか、を聞いてみよう。   話している人が、どんな気持ちだったのかも、考えてもらおう>と思い、  子どもたちの次のように話しました。  「先生ね、ゆうすけ君の話も、あいちゃんの話も、両方聞きたいなぁって思ったの。   でも、ゆうすけ君とあいちゃんが、一緒に話し出すと、両方の話がまざって、わからなくなっちゃうでしょ。   もしよかったら、一人ずつ、順番に話しをして、   話を聞いている人も、どんなお話しなのかなぁって、ゆっくり聞いてみない?   もちろん、私とゆうすけ君と、あいちゃんにお話ししたいことがあるから、話すよ」  子どもたちは、  「うん、いいよ。何話そっかなぁ」と嬉しそうです。  私は、  「話を聞くときには、テレビに出てくるレポーターみたいに、メモを取ったらどうかしら。   そのための紙を配ります」と言って、以下のような紙を配りました。  <おともだちのはなしをきいてみよう>  1.どんな話しでしたか。  2.その話をきいて、どんなことを思いましたか。  3.おともだちは、そのときどんなきもちだったとおもいますか。  紙を配ると、あいちゃんが、「私、自分の話を最後にする。みんなの話が聞きたい」と言いました。  私は、あいちゃんが話を聞くということに関心を持ってくれたことを、とても嬉しく思いました。  あいちゃんが書いてゆけば、ゆうすけ君も、要領がつかめてくるのではないかと思い、  一番はじめにゆうすけ君に話をしてもらおうと思いました。  「そう。あいちゃんは、先に、ゆうすけ君と、私の話を聞いてみたいと思ったんだね。   ゆうすけ君、どうかな? 最初に、お話してくれる?」  ゆうすけ君は、話をしたい気持ちの方が強かったのでしょう。  「うん。ぼく、1番に話す」と1番を引き受けてくれました。  ☆★☆ ゆうすけ君の話 ☆★☆  ───小川君ってズルしたりするんだよ!  「えっと、今日ね。ぼく、小川君と、ケンカしたの。小川君って、すっごいムカつくんだよ。   だってぇ、一緒に、まるたのところで遊んでたら、ズルしたりするんだよ。   ぼくが『ズルなしだよ』って言うと、『もう、やんない』って、泣くんだよ。本当にやだよ」  私は、  「そう。ゆうすけ君は、小川君と、ケンカしたんだね。よく話してくれました。   じゃあ、ゆうすけ君の話を、あいちゃん、書いてみようね。   ゆうすけ君は、そのときのこと、もう少し、詳しく、いつもの紙に書いてみたらどうかな」と言って、  書く時間をとりました。  <リポーターのあいちゃんがメモしたこと>  ───ケンカして、やなきもちになって、きのどくでした。  1.どんな話でしたか。ゆうすけ君のはなし ともだちと、ケンカしたはなし  2.その話をきいて、どんなことをおもいましたか。 けんかして、ふたりとも、きのどくだったとおもった。  3.おともだちは、そのとき、どんなきもちだったとおもいますか。やなきもちだったとおもった。  あいちゃんは、メモを書き終えると、「できた!」と私に見せに来ました。  私は、  「あいちゃん、よく聞いて、よく書けたね。   ゆうすけ君の気持ちも、考えてみたんだね。ゆうすけ君に、感想聞いてみよう。   あいちゃん、そのメモ読んでくれる」と言って、あいちゃんに、メモを読んでもらいました。  <ゆうすけ君の感想───うん。やだったし、ムカついたんだ>  読み終わった後に、私は  「ゆうすけ君、どうだった?   あいちゃんは、ゆうすけ君は、きっとやな気持ちだったんじゃないかなって思ったみたいだけど、   ゆうすけ君の気持ちはどうだったのかしら?」と、  ゆうすけ君に問いかけました。  ゆうすけ君は  「うん。やだったよ。やだったし、むかついたんだ」と言いました。  あいちゃんは、自分の書いたことと、ゆうすけ君の思ったことが合っていて、とても嬉しそうでした。  また、ゆうすけ君も、自分の気持ちを受けとめてもられたということで、満足げな表情でした。  このリポーターごっこは、  あらかじめ計画したものではなく、その場の状況から自然に出てきたものです。  子どもたちの様子をよく見ていれば、  どう導いたらよいのかは子どもが教えてくれるというのは本当だな、と思いました。  そして、相手の気持ちがわかった、自分の気持ちがわかってもらえたという深い満足感と喜びを、  これからも、セルフ・カウンセリングを通して、  たくさん体験していってほしい、と私は心から、そう思いました。  7回を終えて───自分の気持ち、相手の気持ち、大切に  ☆★☆ 自分の気持ちが受けとめられれば、相手の気持ちが見えてくる ☆★☆  ここで、7回のグループ学習を振り返って、わかったことを書いておきたいと思います。  じっくりと友だちの話を聞くような機会を、グループ学習の中で取り入れれば、  たとえ1年生であっても、相手の話をきちんと聞くことができるようになる、ということ。  場面記述で自分の気持ちを心のセリフの形で表現する練習をつんでゆくと、  自分で自分の気持ちを受けとめることができるようになる、ということ。  自分の気持ち(感情や欲求)を受けとめられると、  自分の気持ちとは別に、相手には相手の気持ちがあるとわかるようになって、  相手の気持ちの洞察(推察)もできるようになる、ということ。  以前、渡辺康麿先生から、  どのような小さな子どもでも、セルフ・カウンセリングの記述と洞察の方法を上手に用いれば、  自分の気持ちを受けとめられようになるだけではなく、  相手の気持ちもくみ取れるようになると聞いていました。  それが、今回のことで明らかになったのです。  これからは、子どもたちに同じ場面を読んでもらって、  みんなで相手の気持ちをくみ取る、洞察(推察)の練習をしたいなと思っています。  この練習をすることで、日常生活で自分自身の身に起こった出来事の中でも、  自分の気持ちも、相手の気持ちもじっくり考えられるようになるのではないか、と思います。  そして、自分の日常の人間関係もより、スムーズに進められることでしょう。  また、子どもたちが、この方法をしっかりとマスターすれば、  たとえば国語学習でも、登場人物の気持ちや、作者の気持ちをくみ取ることが、自然にできるようになるはずです。  これからも、子どもたちと共に学び、成長してゆきたいと、  私は今、心から、楽しみな感じがしています。  注釈:セルフ・カウンセリングの洞察について  大人であっても、子どもであっても、最初から相手の気持ちをくみ取るということは難しいものです。  なぜなら、最初は、場面に登場する人物に、  たとえば、同情心(プラスの感情)や、反発心(マイナスな感情)などを抱くと思われるからです。  相手の気持ちをくみ取ることができるためには、  まず、自分の気持ちを十分に言い表わし、自分で自分の気持ちを受けとめる必要があるのです。  自分の気持ちのとらわれから自由になって初めて、相手の気持ちを理解してゆくことができるからです。  このプロセスを大事にして、  まずは、子どもたちが自分の気持ちを十分に味わえるような場面を考える必要があります。  子どもたちの気持ちの中に、  何らかの同情心や、反発心がおこりそうな場面を設定して、それを、一緒に洞察してゆくのです。  最初に、自分の欄に書かれている文を、洞察してゆきます。  一文ずつ、まず、この時、誰に対して思いを持っていたのかを考えます。  そして、その感情の奥にある自分の欲求を考えてゆきます。  一文の中に、複数の人に対する思いがあったら、  同じように、感情や欲求を取り出すことを繰りかえしてゆきます。  こうして、一文ずつ、自分の気持ちを考えてゆくと、自分の気持ちの流れが、リアルに見えてきます。  次に、相手の欄に書かれている文も、同じように洞察(推察)します。  相手の立場にたって、相手がこの時どのような思いを持っていたのかを考えてゆきます。               つづく・・・  次回は    「 さまざまな領域におけるセルフ・カウンセリングによる教育実践  つづき 」    をお送りいたします。        どうぞ、お楽しみに!    皆様のご意見ご感想をお寄せいただけたら幸いです。  self_counseling2000@yahoo.co.jp  セルフ・カウンセリングには、  通学講座、通信講座など様々な講座があります。  詳しい内容はこちらから →http://www.self-c.net/sutady/index.html      →https://www.self-c.jp/study/self-counseling/  ご興味のある方は、下記の事務局までお問い合わせください。    一般社団法人生涯学習セルフ・カウンセリング学会    〒215-0003 神奈川県川崎市麻生区高石4-23-15  URL  http://www.self-c.net  電話 044-966-0485 ファクシミリ 044-954-3516  電子メール  self_counseling2000@yahoo.co.jp      ************************************** ************************************** ◎このメルマガに返信すると発行者さんにメッセージを届けられます ※発行者さんに届く内容は、メッセージ、メールアドレスです ◎セルフカウンセリング♪自分の心に出会えるメルマガ♪ の配信停止(unsubscribe)はこちら ⇒ https://regist.mag2.com/reader/Magrddel?reg=unsubscribe_direct_footer&id=231376&e=info%40self-c.net&l=got179cddb ━━━━━━━━━━━━━━━━━