※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※                                            セルフ・カウンセリング          ♪ 自分の心に出会えるメルマガ ♪             ( ”イライラ””モヤモヤ”が解消できる!) ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※                     第 424号  2024 年 11月   1日 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※      みなさん、こんにちは。    「 セルフ・カウンセリング ♪自分の心に出会えるメルマガ♪ 」    をお読みいただきありがとうございます。    みなさんは、セルフ・カウンセリングという言葉を    耳にしたことがおありですか?    これは、渡辺康麿氏が創案した、    書いて読む、一人で出来る自己発見法です。    私たちは、このセルフ・カウンセリングを学んでいるグル-プですが、    みなさんにも、ぜひ、この方法をお伝えしたいと思い、    同氏の著書を連載することにいたしました。    楽しくお読みいただけたら幸いです。   〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜    連載になっております。興味のある方は、    バックナンバーからお読みいただくとわかりやすいと思います。       1号〜    「自分の心に出会える本」     23号〜    「自己形成学の創造」     32号〜    「セルフ・カウンセリングの方法」     62号〜    「自分って何だろう‐現代日本人の自己形成‐」    136号〜    「大人の自己発見・子どもの再発見」 176号〜    「自分を見つける心理分析」 286号〜    「避けられない苦手な人とつきあう方法」 334号〜    「わかっていてもイライラするお母さんへ」 356号〜    「小学生にわかっていてもイライラするお母さんへ」     376号〜    「反抗期とわかっていてもイライラするお母さんへ」 394号〜 新連載「子どもの言い訳がなくなるかしこい方法」  バックナンバーはこちら→https://secure02.red.shared-server.net/www.self-c.net/mg/index.html   〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜*〜・〜* ************************************** **************************************    人は、生まれてから今に至るまでの人生の中で、    いろいろな経験をします。        そして、その経験を通して、    「こうしなければならない」とか「こうあらねばならない」とかいう    その人なりのモノサシを形作っていきます。    自分の生い立ちを振り返ることによって、    無意識に取り込んできたそのようなモノサシに気づき、    そのとらわれから自由になっていく方法を    自己形成史分析といいます。    セルフ・カウンセリングという方法は、    このような、自己形成史分析という    自己探究の方法が基礎になっています。        ☆★☆ セルフ・カウンセリングとは? ☆★☆    セルフ・カウンセリングでは、    自分が経験した日常生活のある時の場面を書きます。        家庭や学校、職場での場面など、どのような場面でもかまいません。        テレビを見た時、本を読んだ時、一人で考えている時など、    相手がいない場面も大切な題材になります。    もちろん文章の上手・下手はまったく問題ありません。    専門知識も必要ありません。        自分が見たこと、聞いたこと、思ったこと、言ったこと、したことを、    時間の順にそのまま書くと、リポートになります。    まず、自分が何を悩んでいるのかわかります。    その悩みの奥に、どのような願いがあるのかわかります。        そして、相手の気持ちがわかります。        そうすると、自分と相手の気持ちを尊重しつつ、    心を通わせてゆくための知恵が生まれます。        人間関係のすべてに共通する心のからくりを、    自分の経験を通して学ぶことができます。 ************************************** **************************************              「子どもの言い訳がなくなるかしこい方法」        セルフ・カウンセリングで子どもは変わる                                    渡辺康麿著  より抜粋    ( vol .  31 ) ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++          ─ 第五章 一日五行日記で対応が変わる  ─         《 4 》 子どもが言い訳しなくなっていく関わり方              〜俊介君のお母さんの体験記から学ぶ〜           ++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++  前項の、俊介君のお母さんは、  セルフ・カウンセリング式日記に取り組んでから、俊介君にガチャポンについて聞いています。  そのときのお母さんの関わり方は、子どもの気持ちを引き出す、とてもよい関わり方です。  そのことについて、簡単に説明しておきましょう。  ☆★☆ 1 “子どもの気持ちを知りたい”という気持ちが自然と生まれている ☆★☆  俊介君のお母さんは、セルフ・カウンセリング式日記に取り組むことで、  自分の気持ちについて、さまざまな発見をしました。  すると、お母さん自身の気持ちが落ち着き、自然に、俊介君の気持ちを知りたいと思うようになりました。  この“子どもの気持ちを知りたい”と、自然に思うようになることが、転機になります。  お母さんが子育てに不安感を感じていると、  “子どもの気持ちを知って、早く解決しなければならない”と焦ります。  しかし、“早く子どもの気持ちを知らなければならない”というように焦っているときは、  かえって、子どもの気持ちを引き出すことができなくなります。  <何が何でも子どもから気持ちを聞き出さねば>という自分の気持ちでいっぱいになっているからです。  そういうときには、子どもの言葉を受けとめるゆとりがなくなってしまうのです。  心にゆとりのない状態で子どもの気持ちを強引に聞き出そうとすると、  子どもは、お母さんに反発します。  まるで、詮索や尋問のように感じられるからです。  “子どもの気持ちを知りたい”と思うときには、  自分自身の不安な気持ちや、苛立つ気持ちからはなれてみることが必要です。  落ち着いた気持ちで、子どもの気持ちを汲みとろうとする余裕が必要なのです。  俊介君のお母さんは、  セルフ・カウンセリング式日記をつけることで、この心のゆとりを得ることができたのです。  ☆★☆ 2 落ち着いた気持ちで子どもに問いかけている ☆★☆  お母さんは、俊介君に、  「ねぇ、俊介。俊介はガチャポンがどうして好きなの?」と聞いています。  おそらくこのとき、お母さんは、  <あなたの気持ちが聞きたいのよ>という気持ちで、こう問いかけたのだと思います。  この気持ちは、お母さんの表情や口調などから、俊介君に伝わります。  それで俊介君は、安心して自分の気持ちを話しだしたのです。  もし、このとき、お母さんの中に、  <なんとかガチャポンをやめさせたい>という焦りや  <いつまでもガチャポンに夢中になって・・・>  というような俊介君に対する苛立ちが残っていたとしたら、どうでしょうか。  同じ言葉かけをしても、そのマイナスの感情が、俊介君に伝わります。  表情や口調など、言葉にならない部分で、お母さんの感情は子どもに伝わってしまうのです。  すると子どもは警戒して、自分の気持ちを話さなくなります。  お母さんから気持ちを聞かれても、「わからない」と子どもが言うことがあります。  そのときの自分の気持ちが複雑で、整理して話すことができない、という場合もあります。  けれども、<お母さんは、話せと言うけれど、話したら、叱られるかもしれない>  と警戒して「わからない」と答えている場合も多いのです。  ☆★☆ 3 子どもの気持ちに共感しながら聞いている ☆★☆  「今度こそ、ねらったフィギュアが出るかもしれないって、ドキドキしながらやるのがいいんだよ」  と答えた俊介君に、お母さんは、  「俊介の気持ちは、ママにもわかるような気がするな。   ママも、商店街の福引きとか、何が当たるだろうってドキドキするもの」と答えています。  お母さんは、俊介君のガチャポンをやっているときのドキドキする気持ちに共感し、  「ママにもわかる」と言っています。  ここでも、俊介君のお母さんの気持ちには、ゆとりが感じられます。  “ガチャポンをやめなさい”という気持ちからはなれて、  “次に何が出るかドキドキする感じ”という俊介君の気持ちに寄り添うことができているからです。  そして、自分自身にも同じような経験はないかふり返っています。  このとき、お母さんは、ガチャポンをしていいよ、とは言っていません。  ただ、ガチャポンをする気持ちがわかるよ、と言っているだけです。  それでも俊介君は、「ママにもわかるかぁ。そうかぁ」とニコニコしています。  実際にガチャポンをやらせてもらえなくても、  “ガチャポンをやりたい気持ち”をわかってもらうことで、俊介君は満足したのです。  子どもの気持ちを受けとめる、というのは、  子どもの要求をなんでもかなえてやることではありません。  そうしたいと思う子どもの気持ちを共感的に受けとめ、  受けとめていることを子どもに伝える、ということです。  俊介君のお母さんは、そのような適切な対応をしていると言ってよいでしょう。  ☆★☆ 4 子どもの気持ちを受けとめてから、お母さん自身の気持ちを伝える ☆★☆  俊介君の気持ちを聞き、共感的に受けとめ、俊介君の気持ちが落ち着くのを見きわめてから、  お母さんは、俊介君に伝えたかったことを話しだしています。  この順序は、とても大切です。  先にお母さんの伝えたいことを伝えようとすると、  子どもは、お母さんに無理強いされた、と感じるからです。  子どもの気持ちを先に受けとめ、  子どもの中に、<お母さんは、ボクの気持ちをわかってくれている>  という安心感が生まれてからお母さんの気持ちを伝えると、  子どもは、お母さんの伝えたいことを受けとめやすくなります。  たとえ、そのことが子どもにとって厳しいことであっても、受けとめる勇気が生まれてくるのです。  ☆★☆ 5 自分のイヤな気持ちを具体的に伝える ☆★☆  お母さんは「捨てられたフィギュアを見ると、ママ、とてもイヤな気持ちになる」と俊介君に伝えています。  すると、俊介君も「うん、それはわかるよ。ボクだって、捨てたくないと思う」と答えています。  捨てたくない、という気持ちは、お母さんも俊介君も一緒だったのです。  お母さんが、自分の気持ちをそのまま俊介君に伝えたので、  俊介君も、自分の気持ちをそのままお母さんに伝えています。  そうすることで、お互いの気持ちを共感的に理解しあうことができたのです。  もし、そのとき、お母さんが  「フィギュアを捨ててはいけません」というように俊介君に伝えたとしたらどうでしょうか。  ひょっとしたら、俊介君は  「そんなことくらいわかっているよ。   でも、ほしいものがなかなかでないんだからしょうがないじゃないか」と言い訳していたかもしれません。  「フィギュアを捨ててはいけない」というお母さんと、  「ほしいフィギュアが出るまで買わなければならない」  という俊介君の間に一致点は見いだせず、対立はますます深まっていったかもしれません。  子どもの行為がよいか悪いかという判断を脇に置いて、  まずは、子どもがどう感じているか、お母さんがどう感じているか、  気持ちを伝えあうことで、新しいかかわりが生まれてくるのです。   ☆★☆ 6 問題解決策は、子どもに考えさせる ☆★☆  俊介君の中に、「(フィギュアを)捨てたくない」  でも「同じものをいくつもとっておいても仕方ない」というジレンマがあったことを確認すると、  お母さんは  「そうか。俊介も悩んでいるのか」と俊介君の悩みに共感したうえで、  「本当に、どうしたらいいんだろうね」と言って、問題解決を俊介君にゆだねています。  この、問題解決を子ども自身にゆだねる、ということが、とても大切です。  子ども自身が問題を引き受けることで、子どもの中に自主性と責任感が育っていくからです。  けれども、お母さんから、  いきなり「これはあなたの問題なんだから、あなた自身が解決しなさい」と言われたなら、  子どもは、お母さんから突き放された、と不安な気持ちになることでしょう。  子どもが抱えている問題を、子どもの気持ちに寄り添いつつ、一緒に受けとめ、  そのうえで「どうしたらいいんだろうね」と問いかけると、  子どもは「お母さんは、見守ってくれている」という安心感の中で、  自分で問題解決策を考えていくことができます。  俊介君は、このようなお母さんとのやりとりのあと、  しばらくして「ガチャポンしなくてもいいかな、っていう気になってきたんだ」と言っています。  俊介君の中には、もともと、フィギュアを捨てることに対して<イヤだな>という気持ちがありました。  けれども、フィギュアをそろえるためには、ほしいものが出るまで、いくつも買わなければいけません。  “フィギュアをそろえたい、でも、それには、不要なフィギュアを買わなくてはならない”  というジレンマを抱きながら、俊介君は、問題の先延ばしをしていました。  「新しいものを買っていかなければ、そろわないんだからしょうがない」と自分に言い訳をして・・・。  けれども、数多くのフィギュアを捨てることに対する  “イヤな感じ”は、俊介君の心のどこかに残っていました。  「ガチャポン、ガチャポン」とお母さんに要求していたときも、  このイヤな感じは俊介君の中にありました。  けれども俊介君は、あえてそのイヤな感じから目をそらしていたのです。  ガチャポンをやっていても、俊介君の中には、何とはなしに落ち着かない気持ちが残っていたはずです。  お母さんが、俊介君の中にあるこの“イヤな感じ”を汲みとり、受けとめることで、  はじめて、俊介君はこの“イヤな感じ”と向き合うことができました。  そして、目をそらすのではなく、  “イヤな感じ”について、じっくりと考えることで、「もうやめよう」という気持ちになったのです。  俊介君にとって、この答えは、自分自身が考え出したものです。  親から押しつけられたものではなく、自分にとって、納得がいく結論だったはずです。  だから、自分が考え出した結論に自ら従うことができたのです。  この、子ども自身が問題を見つめ、自ら解決策を考え出す、  ということが、子どもの成長にとって、とても大切なことです。  お母さんは、その過程を認め、  「よく考えたね。自分で考えて、自分でやってみるなんて、えらいね」と誉めてください。  子どもの中に、<もう一度考えてみよう>とか  <今度は、こういうところに気をつけて考えてみよう>というような、  問題解決への意欲が生まれてきます。  このような問題解決力が身についていくと、自然と子どもの言い訳はなくなっていくものなのです。                 つづく・・・  次回は    「 あとがきに代えて 」    をお送りいたします。        どうぞ、お楽しみに!    皆様のご意見ご感想をお寄せいただけたら幸いです。  self_counseling2000@yahoo.co.jp  セルフ・カウンセリングには、  通学講座、通信講座など様々な講座があります。  詳しい内容はこちらから →http://www.self-c.net/sutady/index.html      →https://www.self-c.jp/study/self-counseling/  ご興味のある方は、下記の事務局までお問い合わせください。    一般社団法人生涯学習セルフ・カウンセリング学会  〒215-0003 神奈川県川崎市麻生区高石4-23-15  URL  http://www.self-c.net  電話 044-966-0485 ファクシミリ 044-954-3516  電子メール  self_counseling2000@yahoo.co.jp      ************************************** **************************************