セルフ・カウンセリング
自分の心に出会えるメルマガ


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セルフ・カウンセリング
♪ 自分の心に出会えるメルマガ ♪
( ”イライラ””モヤモヤ”が解消できる!)
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第 304 号 2019年 11月 1日
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みなさん、こんにちは。

「セルフ・カウンセリング ♪自分の心に出会えるメルマガ♪」をお読みいただきありがとうございます。

みなさんは、セルフ・カウンセリングという言葉を耳にしたことがおありですか?

これは、渡辺康麿氏が創案した、書いて読む、一人で出来る自己発見法です。

私たちは、このセルフ・カウンセリングを学んでいるグル-プですが、みなさんにも、ぜひ、この方法をお伝えしたいと思い、 同氏の著書を連載することにいたしました。
楽しくお読みいただけたら幸いです。


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連載になっております。興味のある方は、バックナンバーからお読みいただくとわかりやすいと思います。
  1号〜「自分の心に出会える本」
 23号〜「自己形成学の創造」
 32号〜「セルフ・カウンセリングの方法」
 62号〜「自分って何だろう‐現代日本人の自己形成‐」
136号〜「大人の自己発見・子どもの再発見」
176号〜「自分を見つける心理分析」
286号〜 新連載「避けられない苦手な人とつきあう方法」

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人は、生まれてから今に至るまでの人生の中で、いろいろな経験をします。

そして、その経験を通して、「こうしなければならない」とか「こうあらねばならない」とかいう その人なりのモノサシを形作っていきます。

自分の生い立ちを振り返ることによって、無意識に取り込んできたそのようなモノサシに気づき、 そのとらわれから自由になっていく方法を自己形成史分析といいます。

セルフ・カウンセリングという方法は、このような、自己形成史分析という自己探究の方法が基礎になっています。


☆★☆ セルフ・カウンセリングとは? ☆★☆


セルフ・カウンセリングでは、自分が経験した日常生活のある時の場面を書きます。

家庭や学校、職場での場面など、どのような場面でもかまいません。

テレビを見た時、本を読んだ時、一人で考えている時など、相手がいない場面も大切な題材になります。

もちろん文章の上手・下手はまったく問題ありません。
専門知識も必要ありません。

自分が見たこと、聞いたこと、思ったこと、言ったこと、したことを、時間の順にそのまま書くと、リポートになります。

まず、自分が何を悩んでいるのかわかります。
その悩みの奥に、どのような願いがあるのかわかります。

して、相手の気持ちがわかります。

そうすると、自分と相手の気持ちを尊重しつつ、心を通わせてゆくための知恵が生まれます。

人間関係のすべてに共通する心のからくりを、自分の経験を通して学ぶことができます。

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「避けられない苦手な人とつきあう法」
渡辺康麿著  より抜粋
( vol . 19 )
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― 第三章 ―
避けられない家庭の人間関係
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ー 母 → 息子 ー
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高村美伽 [40代女性]

前号からの続きですので、 バックナンバー303号からお読みいただくとわかりやすくなっています。

【記述による発見】

☆★☆息子への強い不満☆★☆

この場面を書くことで、私は弘に対して、自分がもっていた不満に気づきました。
私は、彼のことを〈言うことだけは大きいけれど、それを達成するために必要な努力はしないのよね。
だから、口先だけで終わってしまうことが多いのよね〉と思っていました。
そして、私は、彼に対して、目標達成に必要なことを、きちんとこなす人になってほしい、 という強い欲求を持っていることに気づきました。
その一方で、彼の気持ちを尊重すべきであるという思いもありました。
“試験準備を、どのようにするのか”“その結果を、どのように受けとめるのか”ということは、本人自身の問題で、 親としては、本人の“試験を今すぐ受けたい”という強い希望を尊重してやるべきだったのではないか・・・
今まで、私はこういうふうに、自分の価値観でものを言って、彼の意欲をつぶしてきたのではないか・・・
さらには、私は、息子にとって、望ましくない母親ではないのか・・・
そのような悔いや反省の念も感じていたことに気づきました。
自分の思いに気づくと、息子の“合否に関係なく、とにかく受験したい”という欲求や、 “その気持ちを母親に分かってもらえない”という悔しさにも気づきました。
でも、どこかで、〈やはり、私の言っていることのほうが正しいのに・・・〉という気持ちが拭いきれませんでした。

☆★☆わが子だからこうすべきの思い☆★☆

洞察していくと、“私→私(私から私に対して)の欲求として、使役の表現が、多く使われていました。

“受けさせたくない”“受けさせたい”“理解させたい”
“大切にさせたい”“分からせたい”などです。

先生から「この表現には、対自の欲求の他に、対他の欲求も含まれているのではないでしょうか?」 という指摘をいただき、関係と欲求を見直してみました。
でも〈”〜させたい“という表現こそが、いかにも、私にピッタリはまった表現だ〉という思いがありました。
自分の実感と違う欲求を取り出すことには、結構、抵抗感をもっている自分に気づきました。
そういう自分を見つめていくうちに、とても大切なことに気づきました。
私は、他人に対しては“〜させたい”という欲求は、ほとんどありません。
相手がわが子だからこその“〜させたい”なのです。
対自と対他の境があいまいになって、誰のことだか、よくわからなくなってしまうのです。
息子との一体感が強いからなのだなあと思いました。
私にとって、試験とは、合格するために必要な準備をきちんとするもの、合格できるレベルに自分の力をもっていくもの、 そして、当然合格するつもりで受けるもの、でした。 そういうふうにして受けた時に、はじめて、試験は意味があるものなのです。
これは、私にとっては“当たり前”のことで、疑いようのない「善」でした。
無意識のうちに、私は息子のことを、自分の分身のように錯覚していました。
私にとって“当たり前”なこと、「善」であることは、息子にとっても同じだと思っていたのです。
そうでないと、自分が分裂してしまうわけで、何とも居心地が悪くてたまらないのだということに気づきました。
この気づきは、まさに、『目から鱗が落ちる』ような発見で、新鮮に感じました。

【新たな発見】

☆★☆伝えることと押しつけること☆★☆

私のなかで、自他境界線が引かれていないということは、息子の立場からすれば、私の価値観を絶対的なものとして押しつけられた、 ということになるのではないでしょうか。
自分の価値観を、私から否定されたと感じ、息子から反発したのだ、と気づきました。
この気づきから、さらに、新たな気づきを得ることになりました。
私は、動機のなかで、彼と私の違いから、衝突が起こると考えていました。
ところが、違うから衝突が起こるのではなく、私が正しいと信じる価値観や考え方を、 無理矢理、息子に押しつけようとするから、衝突が起こるのだということに気づいたのです。
すると、“息子と、いかに上手に付き合うか”という問いに対しても、自ずから答えが現れてきました。
私の思いを“伝える”ことと“押しつける”ことを混同しなければ良いのです。
私は、親として子供たちに、自分が良いと思ったことを、一応は伝えたいと思っています。
でも、私の考えをどう受けとめ、どう判断し、どう行うかは、彼らの問題です。
セルフ・カウンセリングでいうところの自他境界線の相手欄のカテゴリーということになります。

☆★☆OKやNGを出せるのは自身だけ☆★☆

私はこれまで、弘に対して、まるで彼の人生の監督のような気分で、数々のNG(ノーグッド)を出してきました。
そして、これらの演出意図通りに、彼を動かそうと躍起になっていました。
そうすることが、親の務めであるとさえ、思い込んでいたのです。
私がOKやNGを出していいのは、私自身に対してだけです。
弘にOKやNGを出せるのは、弘自身だけです。
このことに気づいたことが、今回の場面記述の研究で得た、一番の大きな発見だったと思います。
私にとっては、とても有意義なものでした。
私にとって当たり前で正しいことは、とても無意識なものであるということが、今、気になっています。
ですから、無意識のうちに、私の言動となって現れてしまうのではないか、と思うのです。
今後の課題として、セルフ・カウンセリングの勉強をさらにつづけていきたいと思っています。


つづく・・・


次回は「避けられない家庭の人間関係つづき」をお送りいたします。

どうぞ、お楽しみに!


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