解説シリーズ

不動産税制(1)---特定認定長期優良住宅関係の税制

 長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた優良な住宅である「長期優良住宅」について、その建築及び維持保全に関する計画(「長期優良住宅建築等計画」といいます。)を認定する制度の創設を柱とする「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」が平成20年12月に公布され、平成21年6月4日に施行されました。
 法律の目的は長期にわたり良好な状態で使用するための措置が講じられた住宅(長期優良住宅)の普及を促進することで、環境負荷の低減を図りつつ、良質な住宅ストックを将来世代に継承することで、より豊かでやさしい暮らしへの転換を図ることにあります。
 この法律では、長期優良住宅の普及の促進のため、構造躯体の劣化対策、耐震性、維持管理・更新の容易性、可変性、バリアフリー性、省エネルギー性の性能を有し、かつ、良好な景観の形成に配慮した居住環境や一定の住戸面積を有する住宅の建築計画及び一定の維持保全計画を策定して、所管行政庁に申請します。
 また、この認定を受けると様々は恩典を受けることが出来ますが、特に税制の恩典は大きく多税目に渡っており具体的には次のようになっています。

認定長期優良住宅に対する税の特例措置

   一般住宅
認定長期優良住宅 
所得税 *1
(ローン減税) 
居住
開始年
控除対象
限度額
控除率 控除
期間
最大
控除額
H21 5000
万円
1.0% 10年間 500
万円
H22  5000
万円
500
万円
H23   4000
万円
400
万円
H24   3000
万円
300
万円
H25   2000
万円
200
万円 

 居住
開始年
控除対象
限度額 
控除率 控除
期間 
最大
控除額 
H21 5000
万円
1.2% 10年間  600
万円 
H22 5000
万円
600
万円
H23  4000
万円
600
万円
H24  3000
万円
1.0%  400
万円
H25  2000
万円
300
万円 
 
 所得税 *2
(投資型減税)

標準的な性能強化費用相当額(上限1000万円)
の10%相当額をその年の所得税額から控除
 登録免許税 1)保存登記   1.5/1000
2)移転登記   3.0/1000
3)抵当権設定登記 1.0/1000
1)保存登記   1.0/1000
2)移転登記   1.0/1000
3)抵当権設定登記 1.0/1000 
 不動産取得税 1200万円控除
1300万円控除
 固定資産税 【戸建】 1〜3年目 1/2軽減
【マンション】 1〜5年目  1/2軽減
 
【戸建】 1〜5年目 1/2軽減
【マンション】 1〜7年目 1/2軽減

*1.控除額が所得税額を超える場合は、一定額を、個人住民税から控除することができます(該当年分の所得税の課税総所得金額等に5%を乗じて得た額(最高9.75万円を限度)。
*2.控除額がその年の所得税を超える場合は、良く年分の所得税から控除することができます。