ここではオールド・スナップオンのことはさっぱり分からないけど、興味がある方に知っておいて頂きたい項目をまとめてみました。
このページを読み終わる頃にはあなたもオールド・スナップオンマニアの仲間入りです!!
ロゴについて
イヤーマーク(製造年刻印)について
ドライバーグリップの種類
ラチェットのあれこれ
レンチのサイズ表記の位置
現行タイプも比較として載せたいのですが、当店では取り扱いが無いため写真がありません。
リンクで外部ページを参照していることもありますが、ご了承ください。
ロゴについて
まずは、オールド・スナップオンについて語る上での基本中の基本、「旧ロゴ」についてお話したいと思います。
現在のロゴと80年代以前のロゴ形状は違います。
細かく分類すると旧ロゴにも数種類のロゴ形状がありますが、ここでは簡潔にご説明いたします。
ロゴ形状についてのマニアックな詳しい話はこちらから(現在作成中)
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左のロゴはお馴染みの現行ロゴですが、現在発売されていない物、いわゆる絶版品にもこのロゴが使われている場合があります。
このロゴは1980年代前半くらいから今現在まで使われています。
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そしてこのロゴが一般的に言う「旧ロゴ」になります。
ロゴに下線が入っていることから「アンダーラインロゴ」と呼ばれることもあります。
1980年代以前のロゴは先で述べたように、厳密には何種類かありますが、全てこのアンダーラインが入っています。
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では実際に見てみましょう!
赤丸の部分がロゴの刻印部分です。
写真はFN720A 1996年製
絶版品ですが、ロゴは新ロゴです。
FK835 2000年製
こちらも絶版品ですが、新ロゴです。
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F720
1985年製
ヘッド部分のプレートは新ロゴですが、本体のハンドル部分に記載のロゴは旧ロゴです。
丁度ロゴの移行期であることから、この時代の物はこのように新、旧ロゴが混じっている物もあります。
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F735 1980年製
この辺りの年代より前の物になると、ヘッド部分のプレートも本体記載のロゴも旧ロゴです。
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ドライバーグリップも同様です。
グリップについての詳しい説明はドライバーグリップの種類をご参照ください。
絶版品の旧プラスチックグリップの物でも1980年代以降の物ですので、ロゴは新ロゴです。
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先程のラチェットでもそうですが、丁度ロゴの移行期の物になるとグリップは古いタイプの旧四角グリップなのにもかかわらず、ロゴは新ロゴだったりすることもあります。
写真の物はおそらく1980年代前半〜中盤辺りの物だと思います。
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それ以前の物になると、四角グリップに旧ロゴの物になります。
ドライバーのロゴ表記にも時代によって違いがあります。
詳しいマニアックな話は ドライバーのロゴ表記 へどうぞ。(現在作成中)
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大雑把メモ
1980年代前半以降の物は新ロゴ、1980年代前半より以前の物は旧ロゴ品になります。
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イヤーマーク(製造年刻印)について
オールド・スナップオンを語る上でその製造年を知っておくことがとても重要になってきます。
スナップオンにはその工具がいつ造られたのか、製造年を示す数字(記号)通称:「イヤーマーク」が工具に刻印されています。
(刻印されていない物もあります)
まずは下のチャートをご覧ください。
画像をクリックすると拡大写真(別ページ)に移動します。
全ての工具に刻印があるわけではありませんが、その刻印を見ると何年に製造されたのかが分かるようになっています。
このチャートは1927年から2029年までのチャートですので、ほぼ全て網羅しています。
それでは、具体的に工具のどこにこのイヤーマークがあるのか見てみましょう!
赤丸の部分がイヤーマークが刻印されている場所です。
ラチェット
一番一般的なのがこのON/OFFスイッチの間のスペースに刻印されている物です。
ちなみに写真は3/8ラチェットのF720で、製造年は1982年ということになります。
それでは他の例も見てみましょう。
3/8ラチェット F70A 1935年製
3/8首振りラチェット F735 1980年製
これはヘッド部に刻印は無く、モデル#が刻印されている横にイヤーマークが刻印されています。
たまにON/OFFスイッチの間に刻印があってこの場所にもイヤーマークがある場合もあります。
写真は1/4ラチェット TM737 1984年製
他にもいくつか例外があります。
特に創設初期の30年代から40年代のラチェットは刻印の場所が違う場合があります。
ON/OFFスイッチの間には刻印が無く、裏面の差込のすぐしたに刻印されています。
写真は1/2ラチェット No.71 1933年製
こちらもON/OFFスイッチの間には刻印がありません。
ハンドル下部の「U.S.A.」の刻印の横にあります。
写真は1/2ラチェット No.71-M 1942年製
大体この辺りを見ればイヤーマークが見つかると思います。
中にはイヤーマークが無い物もあります。
余談ですが、前にラチェット内部の掃除をしようと蓋を開けたら、蓋の内側にイヤーマークがあったなんてこともあります。
イヤーマークが見つからない場合も、スナップオンのロゴの形状で大体おおよその見当をつけることもできます。
ロゴの話 も参照してみてください。(現在作成中)
他の工具も見てみましょう。
ソケット類
ソケットはどの年代の物もこの部分にのみ刻印があります。
パテント#のみの刻印の物も多くあります。
写真のソケットは1950年製となります。
これは創設初期の1932年製のものですが、同じような場所に刻印があります。
モンキーレンチ
モンキーレンチはハンドル下部のこの赤丸の位置に刻印があります。
ドライバー
ドライバーは通常イヤーマークの刻印はありませんが、ほんとにごくごくたまに上の写真のようにシャンク部分に刻印があることもあります。
ドライバーの年代のおおよその目安は、ロゴ表記の向き、グリップの形状等で判断することができます。
詳しいお話はこちらから。(作成中)
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ドライバーグリップの種類
ここでは現行モデルより以前のドライバーグリップを紹介します。
黒グリップドライバー8本セット SDDX80
(SDDP22,SDDP31,SDDP42,SDD1,SDD2,SDD4,SDD6,SDD8の8本セットです。)
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これは一般的に「旧グリップ」と呼ばれるドライバーで比較的新しいものです。
数年前に復刻版が発売されたり、今でも根強い人気があるグリップです。
グリップのカラーは黒、緑、オレンジ、赤、白、黄色、ネイビーブルー、深緑、グレー、紫、ピンク、メタリックブルー、クリア等、かなりのバリエーションがあります。
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以下に他の色のグリップの写真を載せておきます。
比較的手に入れやすい色は 黒、オレンジ辺りですが、紫、ピンク、メタリックブルーなどはレアカラーと呼ばれ、非常に手に入れ難いです。
ここで上げた以外にも、限定物や記念物で違ったデザインの物も多くありますが基本のグリップ形状は同じです。
それでは、少し時代をさかのぼってみましょう・・・
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これは「旧ロゴ」のドライバーで、グリップが四角形なので、当店では「旧ロゴ 四角グリップドライバー」と呼んでいます。
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旧ロゴ 四角グリップにも様々な色があります。
下の写真以外にも色は沢山ありますが参考までに。
黒
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左の写真は通称「三角グリップドライバー」と呼ばれる物で、当時パワーグリップドライバーとして発売されていた物です。
その名の通り、三角形のグリップが特徴です。
今では大変珍しく、四角グリップより入手は困難です。
この三角グリップドライバーもグリップの色は何種類かあります。
黄色
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緑
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パールホワイト
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そして、さらに珍しい物がこちら
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1953年のカタログから
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これはオクトグリップと言うグリップです。
木製グリップドライバー
50周年記念金ラメ入りグリップ
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スナップオン・カナダ
パールホワイト
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レーシングエディション
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他にも限定物や記念物、様々な色やタイプが存在します。
かなり珍しい物もありますが、マニアックすぎるので、ここでは割愛します。
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大雑把メモ
ドライバーに関しては、旧グリップ、旧ロゴ四角グリップ、三角グリップあたりを覚えておけばOK!
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ラチェットのあれこれ
ここではラチェットについての基本的な年代の見方を記載していきます。
新しい物から古いものに順を追って説明していきたいと思います。
ちなみに現行タイプはこちら。
1990年代
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写真は3/8ラチェットのF830 1992年製です。
特徴はヘッド部分が完全に密封状態のシールドヘッドです。
ヘッド部分にもハンドル部分にも新ロゴが刻印されています。
余談:パリダカールにて以前のモデルを使用していたところ、ラチェット内部に砂が入ってしまい使い物にならなくなってしまった経験から、その後のモデルは完全に密封タイプになりました。
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1/2ラチェット S836 1995年製
こちらも上のF830と同年代の物ですが、旧グリップが付いているものです。
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1/2ラチェット SF730A 1991年製
1990年代でも90年代初頭の頃の物はシールドヘッドではなく、
プレート式の物になります。
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1/2ラチェット LSF720B 1991年製
これも1990年代初頭のラチェットです。
ヘッド部分はプレート式で旧グリップ付きです。
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大雑把メモ
1990年代の初頭にプレート式からシールドヘッドにモデルチェンジした。
グリップ付きの物は旧グリップである。
例外はあるが、モデル#が800番台のものはシールドヘッド、700番台のものはプレート式である。
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1980年代
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3/8ラチェット F731 1984年製
1980年代になるとヘッド部分のプレートは金属製ではなく、
プラスチック製になります。
そしてロゴの移行期のこの時代はプレートが新ロゴ、本体刻印は旧ロゴと両方混じっています。(ロゴについて参照)
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3/8ラチェット F735 1985年製
ドライバー同様、グリップも旧グリップではなく四角グリップになります。
(ドライバーグリップの種類参照)
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1/2ロングラチェット SL715 1987年製
ロゴ移行期の物でもこのようにプレートも本体刻印も旧ロゴの物もあります。
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1/2ラチェット S-71
1981年製
80年代始めの物になると、プレートも付いていなくギアの背中部分がそのまま剥き出しになっている物もあります。
ハンドルの形状も独特で、これと同じデザインの1/4ラチェット MV71 と 3/8ラチェット
FV71 も存在します。
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このプレートはプラスチック製ではなく、シールタイプのプレートで経年や使用によって端から剥げてきてしまうこともあります。
(左写真参照)
約30年前の物になるので、このプレート部分がきれいに残っている物は少ないです。
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80年代ラチェット3本セット
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80年代の1/4、3/8、1/2ラチェットのセット
80年代の代表的なラチェットと言えばこのようなヘッドだと覚えておいてください。
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非常に細かいことですが、オンオフスイッチも時代によって変化します。
1995年製 スイッチはトルクスで固定され、2ピースです。
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1991年製 スイッチは2ピースです。
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1985年製 スイッチは1ピースです。
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旧ロゴ時代の物でオンオフスイッチが2ピースの物がありますが、それはギアの交換あるいはオーバーホールをしたという証になります。
大雑把メモ
1980年代はロゴの移行期でもあり、新ロゴと旧ロゴが混じり、プラスチック製のプレートとシールタイプのプレートも混じっている。
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1970年代以前
70年代以前の物はロゴが全て旧ロゴです。
沢山のタイプやロゴが出てきますので、ここではあまり掘り下げず、良く見られるラチェットのタイプのみをまとめました。
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3/8スタッビラチェット FK720 1978年製
ハンドルが短く、スタッビタイプのラチェット。
グリップエンドが丸いのが特徴 (現行タイプはこんな感じ)
ヘッド部分のシールタイプのプレートも本体に刻印のロゴも旧ロゴになります。
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3/8ロングラチェット FL720 1978年製
上のスタッビラチェットと同年代のロングラチェット。
これのスタンダードな長さのF720やF710Dも良く見られる。
こちらもヘッドのシールタイプのプレートも本体に刻印のロゴも両方とも旧ロゴです。
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3/8ラチェット FV71M 1963年製
この時代辺りから良く見られる、ヘッドからハンドルにかけてクビレが無く、ストレートな形状の物。
1/4、3/8、1/2のタイプ全てにこの形状があります。
余談ですが、この辺りの時代の物からヘッド部分にある2個のねじがプラスになります。
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1/2ラチェット No.71-M 1942年製
こちらも同じような形状の物。
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3/8ラチェット FERRET
F-70N 1942年製
ヘッドからハンドルにかけてクビレがある物もありますが、ハンドル形状が70年代以降のラチェットとは違います。
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ギアは1方向にしか動かず、ON/OFFの切り替えはビットを差し替えて表面がON、裏面がOFFとして使います。
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1/2ラチェット No.7 1925〜1927年製
スナップオンで最初の板ラチェットです。
なんとなく、このラチェットの形状を引き継いでいるのがお分かりいただけるかと思います。
このラチェットについての詳しい解説は20年代の工具のトリビアを参照ください。
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70年代以前の物は様々なタイプが入り混じっているので大変分かり難いとは思いますが、最初は70年代、80年代、90年代辺りのラチェットから入ると分かりやすいと思います。
大雑把メモ
1970年代以前のラチェットは様々なタイプが存在しているが、ロゴは全て旧ロゴ。
ヘッドからハンドルにかけてクビレのないタイプのラチェットが多く存在し、このデザインはスナップオン最初の板ラチェットから継承している。
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レンチのサイズ表記の位置
レンチにも現行モデルと絶版モデルの見分け方があります。
新ロゴなのか旧ロゴなのかはもちろんのこと、サイズ表記の場所が違うことが特徴です。
ちなみに現行モデルはこちら。
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旧ロゴ物は勿論、旧タイプの物はサイズ表記がスパナ部分にはいっています。
現行モデルはスパナ部分ではなく、ロゴのすぐ横にサイズ表記があります。
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少し新しい絶版品も同じです。
ロゴは新ロゴですが、サイズ表記はスパナ部分です。
インチ、ミリともに同じです。
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1970年のカタログに掲載されているフランクドライブの広告
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現在ではスパナ部分もフランクドライブ・プラスとなっていますが、元々は1965年にフランクドライブというシステムが確立されボックス部分のみにこの加工がされていました。
後にスパナ部分にもフランクドライブ・プラスが適応されますが、絶版品、旧ロゴ品に関してはこの加工はされていません。
フランクドライブとは・・・
(以下スナップオンサイトより抜粋)
スナップオンが米国軍から要望を受けてから、すでに40年以上が経過しました。
当時米軍ではジェットエンジンの軽量化にともない、ボルト、ナット類(ファスナー)を小型化する計画が進行されていました。
これにより、小型化されて新素材となったファスナーヘッドに対して十分な張力を発揮させるため、より強いトルクでしめることができるレンチがもとめられました。
こうして完成したのが「フランクドライブR・レンチシステム」です。
レンチにおける最大の発想がここに誕生したのいです。
この新システムには2つの大きな成功がありました。
1つはソケットの角に曲面部を設け、ファスナーヘッドとの接点(力点)を角から側面(フランク)に移したこと。
もう1つはその曲面部の奥側に最適な角度で平面部を設け、レンチとファスナーヘッドの平面同士を接触するようにしたこと。
この結果、従来より最大20%もの高いトルクを発揮させ、米軍は小型化したファスナーの張力を犠牲にすることなく、ジェットエンジンの軽量化を実現しました。
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大雑把メモ
絶版モデル、旧ロゴ品はスパナ部分にサイズ表記がある。
1965年以降のボックスレンチはフランクドライブである。
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余談:セット物の場合、付属のトレイが赤と黒とありますが、黒のトレイがミリ規格、赤のトレイがインチ規格となります。
ミリサイズ
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インチサイズ
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