■開催日時:2024年12月19日(木) 10:30〜16:30
■会場:【WEB限定セミナー】※在宅、会社にいながらセミナーを受けられます
■定員:30名
■受講料:55,000円(税込、資料付き/1人)
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会員(案内)登録していただいた場合、通常1名様申込で55,000円(税込)から
・1名で申込の場合、49,500円(税込)へ割引になります。
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■備考:
資料付き
【LIVE配信セミナーとは?】
■主催:(株)R&D支援センター
■講師:(株)三和ケミファ 医薬・ファインケミカルグループ
統括本部長 薬剤師・薬学博士 丸橋 和夫 氏
《ご専門》
有機合成化学、プロセス化学、医薬品化学、一貫して医薬品原薬、中間体の商用化を
目的としたプロセス検討〜商用生産を担当。
この間、治験薬品質管理者(原薬)、医薬品製造管理者を兼務し、品質保証業務も経験。
《ご略歴》
1979.和光純薬工業(株)入社、東京研究所主席研究員を経て、
1991.大鵬薬品工業(株)入社、工業化技術研究所所長、合成技術研究所所長を経て、
2007.三菱商事(株)入社、先端化学品本部技術顧問(兼)
常熟力菱精細化工有限公司(中国、常熟市)研開部本部長を経て、
2008.(株)エースジャパン入社、常務取締役山形工場長を経て、
2015.(株)三和ケミファ入社、
現在に至る。
1983.薬学博士(岐阜薬科大学)
《ご活動等》
東京大学大学院薬学系研究科 薬学部研究員
■受講対象・レベル:
実験室スケール〜パイロット、工場生産の担当者(初心者)、実験指導者、責任者。
プロセス開発の担当者(初心者)、指導者、責任者。
その他、原薬開発に関わる業務(QC、QA)担当者(初心者)、指導者、責任者
■習得できる知識:
・医薬品、化学品のスケールアップ製造の進め方
・スケールアップに向けた実験の進め方、チェックポイント、
・スケールダウン実験の考え方、データの取得法
・スケールアップ製造での失敗事例
・精製(晶析)工程の考え方、注意点、チェックポイント
■趣旨:
原薬、中間体、化学品のスケールアップ製造は開発過程では絶対に避けられない部分である。開発
初期では合成プロセス、出発原料の変更のような大幅な変更も可能であるが、開発が進みプロセス
バリデーションを行った後、例えばMF登録した後の変更は難しくなる。特に、申請後の商用生産
で設定したパラメータの不足、不都合部分が明らかになるとその対応が難しく、絶対に避けたい部
分である。本セミナーでは実際に経験した事例(失敗例)を参考に各開発段階から承認取得後の商
用生産で遭遇した問題点をどのように対処、解決したかを説明する。そこから得られた知見をもと
にその後プロセス開発に役立つ実験計画法を種々工夫した。実験計画の立て方、必要なデータの集
め方についてもあわせて紹介する。
■プログラム:
1.医薬品(原薬)の開発とスケールアップ(基本的な考え方)
2.スケールとスケールアップの相違点
・小スケールとスケールアップのパラメータの比較と考え方、設定法
3.合成法、合成ルートの設定、考え方、注意点
(ICH M7、化審法、その他)
4.スケールアップ実験するためのチェックポイント、考え方と
原料、中間体の評価項目(安全性、安定性、結晶多形、溶媒和他)と
その対応策
5.スケールアップでの問題点(実際の経験から)と対応策
(1)開発初期(実験室〜20Lスケール)の事例
・転位反応:
1gから10gにスケールアップしたら転位反応が
原因で目的物が得られなくなった。(反応機構の理解)
・アスコルビン酸硫酸エステル誘導体の製造:
1gスケールでは目的物が合成できたが、
10gスケールでは合成不可の結果となった。
(中間体の安定性)
・カラム分離工程の回避:
前臨床試験に進むことが決まり、カラム分離工程回避の
必要性が出てきた。(結晶性誘導体)
・ピリジン・無水硫酸錯体(硫酸エステル化剤)の合成:
吸湿性が原因で目的物が得られないと判断したが、逆に
吸湿性を利用することで大量生産可能な方法を見出した。
(目的物の物性の理解)
・ペントキシフィリン中間体の製法検討:
文献を参考に実験を進めたが目的物は得られず、実験結果に
基づいて検討を進めたところ、簡単な製法にたどり着いた。
(反応の理解)
・抗生物質の側鎖の製造:
新合成法を考案し、特許出願までしたが、中間体に
安全性の問題あることがわかり、検討中止。(安定性は変えられない)
・五塩化リンによるクロル化プロセス:
溶媒を変更したら反応が進まなくなった。(結晶多形の影響?)
・アルキルホルムイミデート類の合成:
青酸ガスを使用しなければならない。(反応の理解)
・エステルの選択(アミノチアゾール誘導体):
メチルエステル、エチルエステルの比較実験をして相違点
(物性)を確認、合理的な合成法に至った。
・その他
(2)パイロット試作(100〜500Lスケール)での事例
・ジクロルアセトニトリルの製造:
設備の性能を安易に考えて刺激性のミストが噴出した。
(反応の理解)
・アミノチアジアゾール誘導体の製造:
設備の性能を安易に考えてオーバー反応してしまった。
(反応後の安定性確認)
・塩酸ペンタゾシンの中間体の製造:
スケールアップして中間体を大量合成したら分解してしまった。
(中間体の物性は変えられない)
・アミノチアゾール酢酸誘導体の製造:
再結晶プロセスをスケールアップしたら目的物が
得られなくなった。(必ず原因がある)
・臭素化プロセスのスケールアップ:
パイロットにスケールアップしたところ、反応開始を
確認できず、大きなトラブルに陥りそうになった。
対処法を検討した結果、合理的かつ安全なプロセス開発に至った。
・撹拌速度の影響:
アセトン/炭酸カリウム系でのアルキル化反応。
(不均一反応の考え方)
・結晶多形の同等性:
外部委託したら結晶形で同等性の問題が発生。
(規格設定の重要性)
・その他
(3)パイロットから商用生産(2000Lスケール以上)での事例
・微量の添加剤の影響:
2工程先の抽出・分液工程で問題(エマルジョン)発生。
(微量の添加剤の影響、原料のロット管理)
・Phase3試験後の製法変更:
爆発性の中間体を経由するためスケールアップ製造できず
Phase3試験が終わってしまった。(反応の仕組みの理解)
・目標規格の原料が手に入らない:
商用生産に入ろうとしたら原料が入手できなくなった。
(原料調査の重要性)
・設備変更して反応の本来の姿がわかった:
パイロットまでGL、商用生産でSUSに切り替えた
ところ錆が発生。(原料中の強熱残分の影響)
・アミノチアゾール酢酸製造のスケールアップ:
パイロットまでは問題なかったが、商用生産で
乾燥機の選択を誤った。(安定型と準安定型)
・キャンペーン生産:
スポット生産では問題なかったエステル交換反応を、
キャンペーン生産に切り替えたところエステル交換
反応が進まなくなった。(種晶の影響)
・溶媒回収できる条件でプロセスを設計:
溶媒回収しないと採算が合わなくなった。(発想の転換)
・残留溶媒の規格:
商用生産に移行しようとしたら残留溶媒の問題発生。
(溶媒和物)
・出発原料の製法に伴う問題(製法に伴う異性体混入の可能性)
(4)商用生産開始後の事例(数千Lスケール)
・収量低下の逸脱:
原料の溶解時間の影響(原料と溶媒の相互作用)
・技術移転:
季節の影響まで考えていなかった。(湿度の影響)
・原料の純度をアップ:
高純度の原料に切り替えた途端に逸脱(不純物除去の仕組み)
・乾燥時間の管理:
順調に商用生産がスタートしたが、突然製品の乾燥時間が2倍
(10時間→20時間)になった。(水和物の考え方)
(5)最終精製工程のスケールアップと注意点
・精製溶媒の選択の重要性
−溶解、晶析プロセスで異性化
−歩留まりへの影響 (マレイン酸塩化のプロセス)
−乾燥工程への影響(水和物副生の影響)
−難溶性原薬、中間体の精製
−貧溶媒を加えて晶析
−精製工程で水を使用する場合
−原薬の乾燥プロセスで新たな残留溶媒が副生!
・空気(酸素、水分)の影響
−溶解、脱色濾過、晶析中に過酸化物が副生
−固液分離〜乾燥過程で結晶形が変化
−微量に副生した溶媒和物の影響)
・環境の影響
−遠心分離機の脱水袋、
−異物混入の瞬間
−フィルターの材質
・包材(一次包材、二次包材)の影響
−包材中の微量の添加物の影響(オキソン酸カリウム)
−包材の品質(結束帯の例)
・粉砕機器の管理
−洗浄手順(SOP)の書き方
その他
6.まとめ
(1)スケールアップを前提とした実験計画の考え方
(2)スケールアップ前提の実験計画の考え方、データの取得法、活用法
(事例を参考に)
・事例1:プロセスの短縮(7日近くかかるプロセス
(反応→抽出→濃縮→晶析→乾燥)を2日に短縮。)
・事例2:過酸化水素水による酸化反応(危険性回避)
7.その他、質疑応答
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