都道府県 | 市区町村名 | 人口 | 標準財政規模 | |||||||
高知県 | 仁淀川町 | 7,676人 | 4,050,581千円 | |||||||
ホームページアドレス | http://www.town.niyodogawa.kochi.jp/ | |||||||||
施策名 | NEDO「バイオマスエネルギー地域システム化実験事業」『高知県仁淀川流域エネルギー自給システムの構築』事業 |
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担当部課名 | 産業建設課 |
電話番号 | 0889-35-0111 |
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施策の分類 | M | 施策の開始年度 | 平成17年度 |
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予算関連 データ |
事業費総額 | Q654,592千円 |
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事業期間 | 平成17年度から平成21年度まで |
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補助制度・ 起債制度等 |
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施策の概要 | ||||||||||
1.取り組みに至る背景・経緯・目的 高知県の森林面積率は84%であり全国で最も高い。仁淀川上流域に位置する仁淀川町、佐川町、越知町の3町は特に森林面積率の高い地域であり、その森林面積は民有林と国有林を合わせて46,400ha、年間成長量は28万m3に及ぶ。一方、森林資源が豊富に存在するにも係らずその利用量は年間1万m3に満たない。その原因は、@森林資源を素材としてのみ捕らえ、エネルギーとして利用していないため、造材時の歩留まりが低いこと。A少量のバイオマスを山から降ろしてくる仕組み、その少量のバイオマスを適切な対価で取引する仕組みが存在しないこと。B地域内に大規模なバイオマスエネルギーの需要がないこと。 本事業は、上記の課題を克服し、地域の森林資源のエネルギー利用を促進するため、現在山に放置されている林地残材、間伐未利用材を、地元の森林組合、林業会社、製材所、電気・熱エネルギー利用者が協力することにより有効利用し、将来的には地域で必要なエネルギーを自給するシステムを構築することを目的とする。 2.事業内容 バイオマス収集においては、個々の集材方法や集材規模に見合ったバイオマス収集運搬システムを構築する。架線集材時に林道沿いに発生する林地残材(土場放置材)については、トラック輸送により製材所まで運搬し、製材所に設置するチッパにより破砕する。作業道を開設しながらの集材時に発生する林地残材については、グラップル付フォワーダにより、林道まで収集運搬し、林道から製材所までトラックで運搬する。主に森林ボランティアが活動している小規模な山林の間伐時に発生する間伐未利用材については、小型の林内作業車で林道まで搬出し、林道からトラックで運搬する。 仁淀川流域のほぼ中心に位置する製材所内に小規模なバイオマス流動層ガス化発電システムと木質ペレット製造設備を併設する。製材所に集積したバイオマスは、上記発電システムの燃料または木質ペレットの原料として利用する。発電システムとペレット製造設備を組み合わせることにより、バイオマスの持つエネルギーを最大限有効利用する。 発電システムにより発生した電気は主に製材所の所内動力として利用する。熱は製材所の木材乾燥機の熱源として利用した後、ペレット製造時の原料乾燥用熱源として利用する。生産したペレットは、地域内の温泉宿泊施設等にペレットボイラを、いちご栽培ハウスにペレットボイラと吸収式冷凍機を組み合わせた冷暖房システムを導入し化石燃料を代替する。 3.事業効果 バイオマスエネルギーを地産地消することにより、原油換算量で385kL/年(電力、蒸気、ペレットの合計)分のCO2削減効果がある。また、今は林業も廃れている状態であるが、「バイオマスは金になる」となれば人が山に入っていく。そして適切に間伐されれば山の荒廃も防げ、山が就業の場となり、中山間地域が活性化していく。 4.工夫・苦労した点、課題、課題の克服法など バイオマスを山から搬出する仕組みが整っていないことから、その仕組みづくりにかなりの困難が予想される。また、経済ベースで黒字にならないとシステムが持続的に機能しないので、ペレット販売単価はなるべく安く、一方、バイオマス収集に充当する額はなるべく多くする必要があり、それぞれの単価設定等が重要な課題となる。この課題解決についてはこれからの実験事業で検証していくこととなる。 |