JEITAテープストレージ専門委員会コラム
「2013年のストレージはこうなる!?」

 

OECD(経済協力開発機構)が昨年11月に発表した2013年と2014年の経済予測では、二桁成長こそ無いものの、2013年のイタリアとスペインを除いてほとんどの主要経済国の成長率はプラスである。マーケット規模では、2位の日本の3倍以上の規模を誇るUSが財政の崖を回避したこともあり、2013年もIT投資は今後も増えると考えられる。Forrester researchの予測では2013年のIT投資伸び率は中国の10.3%を筆頭に、ブラジル、US、インドと続き、それら上位4各国は7%以上の成長率が見込まれている。成熟していると思われているUK、韓国でさえ4%程度の成長率が見込まれているが、日本は残念ながらトップ10には入っていない。
とはいえマーケット規模では2位である日本は、中国の2倍以上、経済成長の要であるIT投資を予測以上に増やしていきたいものである。
さて、2013年のIT産業の中で、ストレージ分野のホットなトピックスを10個、INFOSTORが紹介しているのでここで取り上げてみたい。

Top Ten Storage Predictions for 2013

1. Big Data Becomes Bigger Data
2. Cloud Backup Matures
3. Hybrid Backup Evolves
4. Better Information Mobility
5. Tiering Sophistication
6. Bigger Archives
7. Object Storage Archives
8. Scale-Out NAS Gets NAStier
9. Tape Grows
10. Phase Memory Arrives

この10項目の中身を見てみると、
要するにデータの氾濫であるビッグデータ(1)を、
クラウドで簡単に効果的に更には低価格で管理したい(2、3、4、5)
ビジネスに利用したい(5、10)
利用できる形で低価格で安全にアーカイブしたい(6、7、8、9)
とも分析できるのではないかと思う。

その中でも特に興味深いのはテープに関して、上記項目6と9ではテープの利用率が今後も高まると予測されていることである。項目6では2010年から2015年の5年間でテープにアーカイブされるデータ量が6倍になるとESGが予測。項目9ではテープの出荷容量は年間20EB(エクサバイト)程度だが年率12%で増加しており、その容量は外付けディスクシステムを超えると説明されている。

前のコラムでも書いたが、今後より一層レイテンシー重視のPhase Memoryのようなストレージと、大容量、低コスト、スループット重視のアーカイブストレージに分化していくようになると予測しており、アーカイブ、特に長期アーカイブの分野では、大容量のデータを低コストで安全に保存できるテープストレージが、今後もより広い分野で活用されていくことになると見られる。

http://home.jeita.or.jp/cgi-bin/about/detail.cgi?ca=1&ca2=292

 


一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA) テープストレージ専門委員会 (※)
日本ヒューレットパッカード(株) 井上 陽治
※:旧名称:磁気記録媒体標準化専門委員会