JEITA連載寄稿

JEITA磁気記録媒体標準化専門委員会からのお知らせ

JEITAのメルマガはいつも堅い話ばかりなので、今月号ではテープにまつわる四方山話で皆様に“リラックス”と“へ〜“を感じてもらいたいと思います。

世界初のコンピュータテープが世の中に出たのは1952年で56年も前のことになります。形態はオープンリールタイプで2400フィート(731.5m)の長さ、で容量は2HDのフロッピーディスク並みの2.5MBしかありませんでした。現在のカートリッジテープ一巻当たりの容量は、LTO4の800GB を始めとしてメインフレーム系テープシステム(3592系、T10000)では1TBにも達しています。56年間でテープの記憶容量が40万倍になったということです。これは極端な例ですが、カートリッジテープの走りの3480は1984年に世に出ましたが、容量は200MBしかなく、それと比べても 5000倍にもなります。一昔前のカートリッジテープ5000巻が必要だったデータ量(1TB)を、最新のカートリッジでは一巻ですむということになります。ここで少し数字のお遊びをしてみましょう。

最新のテープLTO4(800GB)のデータを最初のコンピュータテープ(2.5MB)に記録しようとするとどうなるでしょう。

LTO4の容量(800GB)÷コンピュータテープの容量(2.5MB)=320,000 ということで、コンピュータテープ320,000巻が必要になります。 このコンピュータテープを用意しようとすると、どのくらいの長さのテープが必要になるかというと、
1巻2,400フィート=731.5m
731.5m×320,000巻=234,080km
地球の円周は約40,000kmですので
234,080km÷40,000km=5.85周分になります。
こうしてみてみるとテープシステムの進歩は、カートリッジ製造にかかわる材料、エネルギーや収納スペースなど環境面にも大きく貢献していると思いませんか?



(社)電子情報技術産業協会(JEITA) 磁気記録媒体標準化専門委員会
イメーション(株) 西田 博光