
オンライン選考のメリットに要注目
(株)スタジアム インタビューメーカー事業本部 マーケティング部 貝洲岳洋
昨今のコロナ禍で急速に採用のオンライン化が進み,それに伴ってWeb面接の実施件数も飛躍的に上昇。採用活動が活発になり始める4〜6月期のWeb面接実施数は,前年度と比較して約20倍*にまで増加しました。また,次年度以降もWeb面接を併用する意向を持っている企業が89%*あることも判明しています。 *ともに(株)スタジアム調べ
Web化されたのは面接だけではありません。コロナ禍により,「採用プロセスすべてをWeb化」したという企業も出てきています。
通信トラブル等のリスク,応募者の表情や雰囲気が伝わりづらいといった課題もありますが,もはやオンライン選考は避けては通れません。次年度の新卒採用活動が本格化する前に,今一度自社の採用フローを点検してみましょう。先行する企業は,すでにメリットと手応えを得ています。
■説明会・エントリー選考のWeb化とメリット
説明会をWeb化すると,企業側・応募者側双方の移動にかかる費用と時間が削減できます。これにより,「遠方在住応募者」の参加ハードルが一気に下がります。Web面接に切り替えたことで,「対面の合同企業説明会の時より,多くの応募者に参加してもらえた」という企業側の声がありました。また,「応募者の離脱が減った」「質問が説明会中にチャットで送られてくるため,以前より回答数が増えた」といった事例も確認されています。
エントリー選考は,企業側があらかじめ設定した設問に対して,応募者が動画で回答する「録画面接」に置き換えることができます。企業はスクリーニング目的の質問を自由に設定でき,書類では判断できなかった「人となり」まで確認したうえでの合否判断が可能になります。ある導入企業からは,「当初はコミュニケーション能力や表情を中心に見ようと思っていたが,実際にやってみたところ応募者の創意工夫・クリエイティビティなど,想定していなかった観点から長所が見出せて,採用の精度向上につながった」という話が聞けました。
■面接のWeb化とメリット
面接の種類は大きく「1対1」「グループ面接(面接官1対応募者複数)」「役員・最終面接(面接官複数対応募者1)の3つに分けられます。
1対1の面接は対面だと面接官しか内容が分からずブラックボックス化してしまうリスクが生じますが,Web化して録画映像を複数人で確認すれば,属人的判断によるミスマッチを軽減できます。また面接官自身のトレーニングにも有効に活用でき,面接の質が向上する結果,ミスマッチの回避につながります。全国に拠点を持つある企業は,「本社で行われたWeb面接を各拠点の担当者に見てもらい,複数の目で人物の判断ができた」と語っています。
グループ面接のWeb化は,複数の応募者の移動にかかる時間・コストが削減されるため,参加率が向上します。ある実施企業の担当者は,「応募者と双方向コミュニケーションを取りながら面接を行った結果,対面と比較して参加率が1.5倍アップした」と実感を述べています。
役員・最終面接のWeb化では,面接官同士のチャット機能を活用し, 面接中の意思疎通や情報共有が可能になります。ある担当者は「以前は1対1の面接を複数回行うという選考フローだったが,Webで面接官2名・応募者1名という形に変更した。面接回数を大幅に削減した結果,昨年よりも多くの方と面接ができた」とメリットを挙げていました。
いかがでしょう。採用フローのWeb化にご関心を持たれましたら,自社にフィットするWeb面接ツールの選定に入ることをお勧めします。
(月刊 人事マネジメント 2021年1月号 HR Short Message より)
HRM Magazine.
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