中国(上海)「社区教育」関係最新資料(2001年10月)
                  −記録・翻訳:黄丹青−

【目次】
1,上海市閘北区・社区教育の実践と模索(上海市閘北区人民政府)
2,学習型社区の建設(抄訳)―上海市閘北区し江西路街道の回顧と展望―
3,同区・し江西路街道社区学校規約


===<資料1>==============================================================
上海市閘北区社区教育の実践と模索

                           上海市閘北区人民政府

 閘北区の面積は29kuで、8の街道と1の鎮を管轄しており、常住人口が73万人に対して、
外来人口が10万人である。我が区は新興開発区で、今までの経済と文化・教育の基盤は比
較的に貧弱であるが、第15回の五カ年計画では、2010年までに、我が区が商業と工業の進
んだ、交通の便利な、町並みのきれいな上海市の副都心として建設される予定である。長
年の間に、専門家の指導のもと、我々は理論上の検討と実践を通じた模索により、社区教
育及び社区教育と学習型都市の関係に対する認識を深めた。社区教育は一定の区域内で、
各種の教育資源を利用し、社区住民全体の資質と生活の質を高め、社区の発展を推進する
ための一連の教育活動であると我々は認識している。社区教育は、全員、全過程、全方向
の特徴を持ち、生涯教育システムを構築することを目標とする。また、生涯教育システム
の構築は学習型都市、学習型社会を建設するための前提と基盤である。
 第九回五ヵ年計画の期間中、住民は生活のレベルが向上するに従い、学習を通じ、自分
の資質を高め、精神生活を豊かにする要望が高まり、その要望を満たすと同時に、科学技
術の進歩とともに経済建設の鍵である労働者の資質を高めるため、我が区が「教育興区」
の戦略を立て、「資質教育の推進、一流の教育の創出に関する行動綱領」を制定し、1999
年に「学習型都市」の建設という目標を打ち出した。2000年4月に教育部職業教育・成人教
育司によって全国社区教育八大実験区の一つとして指定され、その11月に、区政府は「上
海市閘北区社区教育実験方案」において、以下のような社区教育の総目標を打ち出した。
社区教育の実験を通じ、住民の生涯教育システムの構築及び学習型市区の建設に対する認
識とそれに参与する意識を高める;フォーマルな教育、インフォーマルな教育、ノンフォ
ーマルな教育を含めた、縦に連結した、横に多様なレベルの、全方向の、開かれた社区生
涯教育システムを構築する;学習型都市と生涯教育システムの管理体制、運営メカニズム
を完成させる;最終的には誰でも、いつでも、どこでも学習できる閘北式学習型都市を形
成する。その目標によって、20世紀80年代中期に始まった社区教育を社区全体に広げるよ
うになった。実験方策を制定すると同時に、区内の人口資質調査を行い、5,000サンプル
に対する分析の結果、95%以上の住民が学習型都市の建設に賛同し、97%以上の住民が学
習や研修の機会を求めていることが明らかになった。従って、社区教育の発展及び生涯教
育システムの構築が区政府の意思であると同時に、住民の願いでもある。
 以下、我が区の社区教育実践における方法及びその見解である。

一、 社区教育の管理体制と運営メカニズムの完成

  模索と実践を通して、初歩的ではあるが、我が区が統合・協調に有利な社区教育管理体
制と持続的な発展の可能な社区教育の運営メカニズムを形成してきた。以下は具体的な方
法である。
1. 政府の強力な推進
 社区教育は多くの組織とかかわるもので、政府としてはいかにその統合、協調を図るのが
鍵である。我々は以下の6つの措置をとるようにした。
(1) 社区教育を「閘北区国民経済と社会発展第十回五カ年計画綱要」の一項目として位置付
け、同時に「上海市閘北区社区教育実験方策」を制定配布することによって、社区教育実験
の目標と区の経済社会開発の目標と重ね合わせるようになった。
(2) 区政府の主要リーダーを長とする「社区教育実験リーダーチーム」を結成し、その下に
事務局を設立すると同時に、各関連部門もリーダー一名を社区教育の担当として指定する。
これによって、社区教育を推進する上の組織的な保証が得ることができた。
(3) 区政府が29の部門、街道、鎮及び企業・事業部門と学習型社区建設を推進することを
目標として管理責任書を結んだ。
(4) 区政府と教育局が社区教育実験に70万元を支出した。
(5) 上海大学社会学部主任ケ偉志教授、華東師範大学呉鐸教授など10人の専門家を招聘し、
諮問チームを組織した。
(6) 宣伝に力を入れる。閘北区社区教育推進大会を開き、2001年は「社区教育宣伝年」とし、
今年の教師節を「社区教育宣伝日」とした。

2. 教育部門の管理
  社区教育が順調に展開できるように、社区教育実験事務局が教育局内に設置され、実験の
組織、管理と指導の任務にあたる。教育局が「上海閘北区社区教育実験の実施細則(2001年〜
2003年)」、「2001年閘北区社区教育実験計画」、及び「閘北区社区教育指導員職責」を制定した
以外に、教育部門の管轄する学校を社区の住民に開放し、社区学院、社区学校、居(民)委
(員会)学級の三段階教育ネットワークを形成した。45名の社区教育専任指導員が新たに組
織され、研修を受けたあと、各街道や鎮で社区教育の指導にあたる。専任指導員が生涯教
育の理念を宣伝することによって、住民の意識に働きかけ、学習型社区の建設においては、
重要な役割を果たした。同時に、彼らは政府の教育政策を制定する上で、もっとも確実な
情報を提供するルートでもある。ほかに、教育局が社区教育研究センターを設立し、理論
的な研究や実践に対する指導を行う。

3. 街道、鎮での展開
  社区教育の管理に関しては、区と街道、鎮が別々にその責務を果たしているが、具体的
な運営は主に街道、鎮にある。学習型都市の建設のポイントは、すべての住民がそれぞれの
人生の段階において、学習する機会を与えられることにある。各街道や鎮に1989年にそれ
ぞれ社区教育委員会が設立され、1997年以降、前後して学習型社区推進委員会が組織され、
街道主任や、文(化)教(育)課長、専任指導員、居委幹部から構成される社区教育管理ネット
ワークが形成された。各街道に社区学校(9個所)や社区学級(70個所あまり)が設立され、そ
れぞれユニークな活動が展開されており、学習型家庭、学習型居住棟、学習型小区が続々と
生まれてきている。例えば、宝山街道が学習型企業、学習型学校と学習型家庭の建設に着手
している。天目西街道においては、生徒が親に働きかけることによって、学習型家庭が多く
誕生した。大寧街道上工団地が学習型居住棟の建設に力を入れ、読書棟、科学技術棟などそ
れぞれユニークな居住棟が生まれた。?江西路街道が生涯教育祭りの形で学習型組織の建設
を推進し、社区全体に好学の雰囲気をもたらした。

4. 社会各団体の参加
  我々が「21世紀が学習型社会である」、「生涯学習が21世紀を生きる概念である」などの
理念を宣伝することによって、学習型社区の建設に対する区政府機関、区内の企業、事業部
門のリーダーの認識が深まり、積極的に参加するようになった。区労働局の職業技術訓練セ
ンターでは、宝石の加工やOA事務、車輌修理など20近くのコースが設置され、毎年社区のた
めの訓練に延べ3,000人が参加する。区経済委員会所轄の華日職業技術研修学校には、ホット
カーペットの組み立てなど10 近くのコースがあるが、毎年社区のために、延べ1,040人を対
象に、訓練を施す。区商業委員会所轄の商業人材訓練センターでは、経営管理など20近くの
コースが開設されているが、毎年社区の住民延べ 2,000人を対象に、訓練を行う。多くの企
業や事業部門が街道、鎮の活動に参加するとともに、自身の学習型組織の建設にも力を入れ、
その目標を打ち出している。

5. 市民の自己学習
  社区住民の多様な学習ニーズを満たすために、区と街道、鎮が住民の資質および学習意識
に関する調査を行い、できるだけ多様なレベル、多様な規模、多様な内容、多様な形式の学
習活動を提供できるように努める。活動が完全に住民の自主選択、自主参加により展開され
る。我々は住民の要求に基づき、文化、職業技術、芸術、生活、法制の5種類のコースを開設
した。またコンテスト、上演、展示、座談会、検討会、見学などの形で活動を展開してきた。

二、社区教育資源の最善の利用と社区教育ネットワークの設立

  閘北区が近年の社区教育実践の中で、「学びたいものにその場があり、教えたいものにその
ルートがある」という考え方に従い、教育資源の最善の利用を図り、社区教育のネットワーク
を形成した。

1. 現有の教育資源の利用
  我々は少しずつ街道を単位とする学習データベースをつくり、多様な資源と情報を整理し、
社区と学校の相互利用に必要なルートを整え、住民の参加意欲と向学心を高めた。統計によ
ると、区内のすべての成人学校と職業学校が区に開放され、住民に知識や科学技術及び技能
の習得に必要なサービスを提供している。小中学校、高校の70%が朝、夕と週末に社区に開放
されている。社区に開放する企業、事業部門や政府部門も80あまりもある。資源の共同利用
で、各街道、鎮の文化ステーション、図書館、老人活動室、書道絵画社、茶芸社なども「壁のな
い学校」となる。

3. 教育資源の改善
  1997年に閘北区業余大学が社区学院として再出発し、朝5時から夜9時まで開放されるよう
になったが、当時の条件では社区教育の需要には満たせなかった。その後に2.6億元が投資さ
れ、新しい場所で再建された閘北社区学院が2001年9月に開校し、住民の学習センターとなっ
た。その中には市民学習指導センターも設置され、各社区学校に情報や、コンサルティング、
教師を提供している。また、社区教育の長期的な発展と良好な運営ができるように、社区学
院自身も高等教育を含めた高いレベルでの教育訓練を行っている。それ以外に、情報技術を
社区教育に導入し、ネット上の学習ができるように「閘北教育ネット」にて「社区教育欄」
を開設した。

3. 教師の確保
  社区教育の教師は専任、兼任及びボランティアから構成される。教育局からそれぞれの街
道、鎮に5名ずつの専任指導員が派遣される以外に、成人教育弁公室によって40人あまりの
兼任教師からなる教育講師団が組織された。講師団には、研究所の専門家や、病院の院長、高
級エンジニア、大学教授なども参加しており、講義内容が法律、教育、保健、生活、余暇にわた
り、その中身が濃く、話もわかりやすく、住民に大いに歓迎されている。しかし教師の中で、
最も多いのは区内在住の教師、定年退職した幹部、技術者、及び特技を持つ人々からなるボラ
ンティアである。例えば、鉄道大学病院130名の講師以上の職員が住民を対象に「家庭医学」
に関するシリーズの講座を開く。海軍の某師(等級)政治部副主任李錫祥が社区党校の教師と
して招聘され、よく無報酬で党員や住民に授業をしたり、相談に乗ったりする。ボランティ
アの知識と技能が多様であるゆえ、社区教育の内容が一層多彩になる。

三、全員、全過程、全方向の訓練
  社区教育に対する理解を深め、生涯教育、生涯学習の理念が広く知れわたるにつれ、多
彩な社区教育活動がますます活発になり、「全員、全過程、全方向」の特徴を呈した。

1. 全員
  社区教育の対象はすべての住民である。社区教育ができるだけ多くの住民のニーズを満た
すために、区や街道、鎮が住民の学習需要に関する調査を行い、住民の学習条件を改善する
ように努めた。1999年に、和田居民委員会は旧市街地区の改造に取り組み、その結果、住民
の居住条件が改善され、さらに、企業グループの北方集団、し江西路街道と住民の共同出資
により、すべての家庭に本棚を配布した。この「本棚プロジェクト」が学習の雰囲気を醸し
出し、住民の社区教育に参加する意欲を引き出した。ハンディを持つ人々に対しては、サポ
ートするように心がけた。「新芸民工夜学校」が外来流入労働者(民工)を対象に、技能訓
練や思想道徳教育を施す。?江西路街道が耳や言葉の不自由な人々のために、「無声サロン」
を設立し、週末ともなると、社区内の障害者が多く訪れ、そこでの交流を楽しんでいる。

3. 全過程
  我々は生涯教育の理念に従い、住民が人生のそれぞれの段階に相応な教育を受けられるよ
うに、徐々に「学びたいものにその学校あり、教えたいものにそのルートあり」というよう
に社区教育の構造を構築していく。例えば、社区学校と各分校に妊婦クラス、母親学級及び
親子学級などを設け、0〜3歳の乳幼児に関連する教育を提供した。さらに就学前児童を対象
とした芸術課程、青少年を対象とした社会実践活動、青年を対象とした技能訓練、成人を対
象とした再就業訓練、老人を対象とした教養・スポーツ活動の提供が、上海の学校教育とと
もに、ほぼ人の一生にわたり、それぞれの段階において教育に対する需要を満たすことがで
きた。

3. 全方向
  全方向というのは、フォーマルな教育、インフォーマルな教育、ノンフォーマルな教育に
かかわらず、違う角度から、多様な教育需要を満たすことである。2000年の区成人教育に関
しては、学歴取得のための教育と非学歴訓練を受けた人数においては、1996年と比べると、
その増加率がそれぞれ320%以上と230%以上である。ノンフォーマルな教育の場合、情操教
育に重点をおき、できるだけ多くの住民に参加してもらうように工夫した。90 年代の初めに
経済的や学習の面にハンディを負う「困難児童」を助ける「公僕ママ」や90年代の末に始めた、
老人に心理カウンセリングを提供する「夕焼け談話室」がそのよい例である。

  閘北区の社区教育が始まってからすでに10年以上が経過した。ある程度の実績をあげたが、
まだ初級段階にあり、全国社区教育実験区としての責任を感じている。これからは、江沢民
総書記の「三つの代表」の思想を導きに、新しい道を開拓するように努める。そのため、さら
に江沢民同志の「生涯教育システムを構築し、学習型社会を建設する」という主張や、生涯教
育理念の宣伝に力を入れ、学習型都市に関する研究を深める;さらに管理体制、指導体制、
資源の共同利用体制及び奨励懲罰体制を改善する;さらに多様な学習需要をキャッチし、学
習のルートを増やしていく。最近、我々が華東師範大学の専門家とともに、社区学校のカリ
キュラムに関する研究開発もしている。とにかく、我々は社区教育の実践と模索を通して、
社区教育の管理体制を改善し、閘北区の学習型社区の建設及び第十回五カ年計画の目標の達
成に貢献できるように努める。




===<資料2>=====================================================
学習型社区の建設―上海市閘北区し江西路街道の回顧と展望―(抄訳)

一、社会的背景
*閘北区の中心部にあり、典型的な旧市街地。
*面積は1.64平方キロで、総戸数約3万に人口が8.6万人。
*住宅状況としては新、旧団地と長屋が雑然と並ぶ状態。
*住民に5種類の人間が多い。
 低収入戸――社会保障上最低収入ライン500人
 失業者――1万人あまり
 障害者――1,199人、その中重度無業者80人あまり
 精神病者――667人
 外来人口――29,000人
*教育資源が豊かである。
教育関連施設:区余暇大学、高校、中学校、小学校、幼稚園、教育学院、少年宮、青少年科学
ステーションなど22箇所
文化スポーツ施設、政府機関:文化館、科学技術センター、体育館、上海市体育場、映画館、
中心病院、区立デパート、区経済委員会、商業委員会、商工業連合会、華僑連合会、民族宗教
事務局

二、学習型社区建設の目的
*社区の住民が時代に淘汰されないように。
*青少年の資質教育だけに限定せず、個人の発達と社区発展の融合を目指す。
*住民のますます強まる学習ニーズを満足させ、より多くの人に教育を受ける機会を与える。

三、学習型社区の構想
*社区生涯教育システムと学習型組織を基礎とし、社区住民の学習という基本権利と生涯学習
の需要を満たすことによって、住民の資質と生活の質を高め、持続的な発展が可能であるよう
な社区にする。
*生涯教育理念:教育が人間一生の伴侶である。
生涯教育システム:横を結び付け、縦をつなぎ合わせ、横と縦を統合する。

  四、具体的な措置
1. ハードウエアの建設
*住環境の改善。5,000戸の危険住居及び規則違反の建築物の撤去、緑化地の造成の結果、7
の市文明小区、8の区文明小区の建設に成功した。
*学習場所の確保。街道図書館の改築に60万元あまりを投入し、本棚・机・椅子の更新、蔵
書の増加、コンピューターの導入を図り、面積も120平方メートルから170平方メートルに拡
大された。さらに、26の里弄(横丁)図書館の改築に巨費を投入した。
*情報化の建設。90年代の初めに、街道弁事処(役所)にコンピューターを導入し、職員のす
べてが操作の基礎訓練を受けた。また、余暇大学との連携で、余暇大学ネット上の情報を街
道のネットに取り入れ、社区ネットの運用を推進した。現在、上演、教学、音響、テレビ中
継などができるマルチメディアホールの形が一応整えたことによって、社区教育の近代化が
一歩ハイテクへ進むことができた。
*社区サービス施設の建設。近年ベット数 105の東風し江養老院、社会保障センター、社会
救助センターを設立すると同時に、社区医療保健室(点)4つ、トレニングルーム11も設立
した。
*生涯学習コーナーの設立。街道弁事処が主な道路、小区、住宅棟の中に、さまざまな宣伝
広告コーナーを作り、すべての家庭に新聞雑誌箱を配布した。
2. ソフトウエアの建設
*リーダシップを発揮し、教育資源のネットワーク化を図る。街道党委員会、弁事処の管轄
下に、社区内の教育資源を協調、指導、統合する学習型社区推進委員会が設立され、党学校、
市民学校、老年学校、週末学校、職業技能訓練学校が一体になる?江西路街道社区学校が設立
され、その下に若干の分校と特色学校を設けた。

  学習型社区の建設には、有力なチームの存在如何が大事である。@街道弁事処各課が主力で
あり、それぞれの責務を果たす。婦人連合と計画出産事務室は婚前教育、優生優育の子育て教
育、0〜3才の幼児教育を担当する;社区教育委員会が4〜14才の青少年を対象に、学校との連
携で、資質教育や学校外道徳教育を担当する;共産主義青年団、組合、青少年保護事務室、武
装部、司法科、総合管理事務室が15〜35才の青年を対象に、人生観、家庭内道徳、公共道徳、
職業道徳、法制知識、新科学、新知識および外来人口の教育を担当する;労働力管理科と組合
は36〜45才の中年を対象に、職業訓練、再就職指導、新科学、新知識、娯楽、家政、金融知識
などを担当する;民政科が老人余暇教育を担当する。その内容としては健康保健、医療、体育、
文化教養が多い。A専門職の講師団とボランティアから構成される教師チーム。B専門家の理
論指導。政府職員、大学教授、研究者からなるコンサルティングチームを組織し、企画や実践
に関する意見をうかがう。C党員の力を発揮する。小学校以上の17の学校党支部がそれぞれ居
住区の党支部と対になり、市民のモデルになりうるように、学習型党支部の建設に努める。
*生涯教育(学習)の理念を広く宣伝する。97年に生涯教育(学習)活動を模索し始めたが、1998
年に生涯教育(学習)祭りを創設し、毎回テーマを決め、今年ですでに4回を数えた。
*計画を立て、規則・制度を制定する。「し江西路街道(1999年〜2004年)生涯教育(学習)シ
ステムの構築に関する計画」及び「し江西路街道生涯学習システムの構築に関する計画の段階
的実施策」を制定した。1999年〜2000年は開始期、2001年〜2004年は形成期とし、毎年具体的
な実施計画も作った。又、下記のような余暇学習制度も制定した。
  @学習評価奨励制度;A英語100句学習奨励制度;B学習型家庭申告制度;C学習型住居棟、
学習型小区評価制度;D市民生涯学習証
*教育資源の統合利用で、多様な学習活動を展開する。街道の教育資源だけでは不十分なので、
学習型社区協調委員会を設立することによって、社区内にあるすべての教育資源の統合利用を
目指す。
@街道社区学校が観光職業学校内に;A総合訓練クラスが少年宮、少年科学ステーション内に;
Bコンピューター訓練、英語学習コーナーは区余暇大学内に;C和田小区の家族による12技法
習得活動が和田小学校との連携で;D康楽小区が環境保護局との連携で「家庭でできる環境保
護」活動の展開。
ほかに設立された学校は、@和田路小学校内の科学学校;A実験中学校内の芸術学校とし西実
験芸術団;Bし江西路小学校内の民族音楽学校;C育英中学校内の美術学校;D市北中学校内
の体育学校;E育嬰堂路小学校内の親学校。開設されたクラスが 198種類。地方劇クラス、健
康発達クラス、科学知識クラス、再就職訓練クラス、経済管理訓練クラス、コンピューター訓
練クラス、英語学習クラス、法律知識訓練クラス、老人を対象とした書道絵画クラス、保健ク
ラス、心理学クラス、足底マサージクラス、社交ダンスクラスなど。聾唖者を対象とした週日
喫茶文化サロンが94年に設立された時の 30人あまりから現在の200人あまりまで広がり、ほか
の区の聾唖者も多く参加するようになった。
80年代に展開された活動:@技術訓練、職能訓練系列;A家庭文化系列(ピアノ演奏コンテス
ト、カラOKコンテスト、家庭調理コンテスト、花卉盆栽展、絵画展等);Bコンピューターが
家庭に入る;C科学知識が家庭に入る;D法律知識が家庭に入る;E老人談話室。
90年代の活動:@婦人談話室;A公僕ママ;B家庭本棚プロジェクト;C英語会話コーナー;
D社区インターネット。

五、成果
  3年間の生涯教育(学習)祭りが市民の「自ら学びたい」という動機付けを強くした。今まで各
種の学習に延べ3万人あまりが参加した。定年した陸さんがコンピューターと英語学習に参加し、
現在コンピューター応用レベル試験の中級レベル証書と英語会話合格証書を獲得した。二人とも
レイオフされた王さん夫婦がこの6年間、コンピューターの学習を通して、再就職ができた。障
害者の王さんが自力で就職できただけではなく、社区学校や個人でレイオフされた人に経理を教
え、その中の10人あまりが経理証書を獲得し、再就職できた、などなど。現在学習型家庭を申告
した人が498戸に上る。

六、展望
  閘北区の目標は第10回五カ年計画中に学習型文明市区の建設を完成させることであり、われわ
れは新しい生涯学習行動方案を打ち出した。一つの目標(学習型文明社区の建設)を目指す;
二つの積極性(政府機関内部の積極性と社区各層の積極性)を引きだす;三つの「でも」(どこ
でも学校であり、誰でも学習者であり、誰でも教師である)という雰囲気を醸し出す;四つの千
(千言万語で宣伝し、千家万戸が参与し千法百計で資源を統合し、千姿百態の様式を呈示する)
という状態を作り出す;五つの化(普及化、成層化、典型化、系列化、規範化)になるような
体系を形成させる。

  今年第4回生涯教育祭りのテーマは「学習――私の生涯伴侶」である。具体的な実行方法は、
以下の通りである。
1.3月の上旬に「社区教育工作会議」を開き、それをもって祭りの開幕とする。
2.モデルを立てる。3月の中旬に学習型家庭の報告会を開き、人々の「学びたい」という気持
ちをいっそう強くする。
3.宣伝を強化する。3月の中旬に広く「4つのため」を宣伝する。つまり、自身の資質を高める
ため、生活の質を高めるため、生活の環境を改善するため、社会の発展に適応するための生涯
学習である、という目的をはっきりさせる。
4.学習型組織の推進。3月24日に第三回学習型家庭表彰会を開き、同時に学習型職場、学習型
小区、学習型住居棟に学習型社区建設の実験基地という称号を与える。
5.検討会を開く。4月に学習型家庭の建設に関する検討会を行い、さらに生涯学習の意味を明確
にする。

  その他に、いくつかの措置を強化していく。理論の研究を深める;施設、設備の建設を継続
する;評価制度を改善する;学習カードの利用を広める;ボランティアの力を十分に発揮す
る;広告紙を編集出版する。
  我々は生涯教育祭りを区全体が繋がる絆に、区政府2000年54号文に出された要求を貫徹し、
学習化社区の建設を推進する。 2001年3月5日




===<資料3>=====================================================
し江西路街道社区学校規約

第一条 学校の主旨
 し江西路街道社区学校は社区で市民教育を展開する公益教育機関である。学校が国家の教育
方針に基づき、ますます強まる社区住民の学習ニーズを満足させることを主旨とする。
第二条 学校経営の原則
 人間を基本とし、地域の状況を合わせた多様な教育を展開し、相互交流をはかり、自我の発
展を目指す。
   第三条 基本任務
1.生涯教育、生涯学習の理念を宣伝する;
2.住民の学習ニーズ及び社区発展の需要に従い、教育計画を定め、教師と教材を選び、教学活動
 を組織する;
3.社区教育に関連する人的資源の開発、組織、使用及び管理をする;
4.社区学校及び分校の教学を管理し、居民委員会による弁学地点の教学活動を指導する;
5.学校経営の経験を総括し、社区教育の研究を行う;
6.「住民生涯学習証」の配布、登録及び書類の管理を担う;
第四条 学校の構成
1.学校は街道社区学校、社区分校(特色分校)と居民委員会弁学地点の三段階からなり、教育
 ネットワークを構成する。
2.街道社区学校本校は閘北区観光職業技術学校に設置する。
3.社区分校は市北中学校、永興路第二小学校、中興路小学校、思成科技研修学校に設置し、同時
 に若干の特色分校と親学校を設置する。
第五条 管理機構
1.し江西路街道社区学校校務委員会は社区学校の管理決定機関であり、街道弁事所(役所)の管
 轄下にあり、校務委員は街道弁事所の関連部門および社区内の主要な学校、企業、事業機構
 の責任者から構成される。
2.社区学校には校長一人、副校長若干を設け、校務委員会の管轄下に学校の業務を統括する;
 その下に教導所を設置し、教学活動の管理を担う。
第六条 教師
1.学校は専任を中核とし、兼任を主体とする教師チームを設立する。
2.学校は社区教育人材バンクを設立する。街道内外の政府リーダー、専門家及び社区内の学校、
 機関、企業、事業団体とシルバー人材のボランティアからなる社区教育講師団を招聘する。
第七条 開講時期
 社区学校は春と秋に開講する。春学期は3〜6月、秋学期は10〜12月とする。
第八条 学科の設置
1.学校の学科は住民の学習ニーズと社区発展の需要にあわせて設置すべきである。
2.学校の基本学科は公民資質教育、職業技術教育、文化科学教養教育、婚姻家庭教育、現代経
 済生活教育、文化娯楽体育の指導などの類から構成される。
第九条 学員(学習者)の管理
1.社区内外の住民、定年退職者、企業・事業の職員、外来流入労働者のすべてが、社区学校各
 弁学点のコースに応募すれば、社区学校の学員となる。
2.社区学校学員の規則:教養を重んじ、礼儀正しく、七不規範を遵守する;教師、年配者を尊
 重し、規律を守り、公共の財産を大事に使う。
第十条 試験の方法
1.試験は単位制をとる;
2.学校が学員に「居民生涯学生証」を配布し、そこに学習した学科と成績を登録する;
3.教育、労働部門によって資格や免許が出される学科に関しては、指定の試験を受け、それに
 合格しなければならない。
第十一条 経費の出所
 学校経営の経費は街道の行政支出、社会からの寄付、個人の授業料からなる。

                     し江西路街道社区学校  2001年4月修正案